家電製品ミニレビュー

ニオイなし、煙なし、しかもふっくらジューシー! 自宅焼き肉を変えるグラファイトグリラーが秀逸!

 ホットプレートを使って焼き肉をするのは楽しいが、気になるのが煙とニオイ。カーテンやらソファやらにニオイがしみついてしまうのが嫌で、最近は自宅で焼き肉を楽しむ機会も減っていた。

 そんな折、日本エー・アイ・シーから登場したのが、煙・ニオイを気にせず調理できるという家庭用グリラー「アラジン グラファイトグリラー」だ。アラジンといえば2年前、トーストを超おいしく焼ける「アラジン グラファイト グリル&トースター」が話題になった。

 筆者も、このトースターで焼いたトーストを食べたことがあるが、外はカリッと、中はもっちりとして、明らかに普通のトーストとは違うおいしさに驚いたのを覚えている。そのアラジンシリーズから登場したとあって、大いに期待しつつ、使ってみることにした。

トースターで話題になった日本エー・アイ・シーのアラジンシリーズから登場した「アラジン グラファイト グリラー」
メーカー名日本エー・アイ・シー
製品名アラジン グラファイトグリラー
実勢価格34,560円(Amazon)

 グラファイトグリラーの特徴は、熱源が下ではなく、上についている点。下から熱して焼き上げるホットプレートとは違い、上から熱を与える構造がユニークだ。熱源には、株式会社千石の特許技術「遠赤グラファイト」を採用。熱伝導率や赤外線量が高く、遠赤輻射熱を利用して食材に直接熱を与え、炭で焼いたように仕上がるという。

 しかしなぜ、ニオイや煙が出にくいのか。それは、このグラファイトグリラーの構造にあるようだ。そもそもニオイや煙が出るのは、食材から出た脂が加熱されるため。しかしグラファイトグリラーは、プレートの下に水トレイを備え、そこに脂が落ちる仕組みになっている。

 さらにホットプレートやフライパンのように、下から加熱しないため、残った脂も直に加熱され続けるわけではない。そのため、ニオイや煙が出にくい、というわけだ。

同梱されているのは、ヒーター部分の本体と水を入れるトレイ(手前左)、そして脂が落とせる「ヘルシーネット」(手前右)と「クイックプレート」だ
水トレイは、本体に乗せるだけ。とても軽く扱いやすい
水位線(突起のような部分)が隠れるまで水を入れる
温度調整は5段階から選べる

 しかし肝心なのは、その焼き上がり。まずはホットプレートとグラファイトグリラーを使って、焼き肉の焼き上がりがどのように違うのか、確かめてみた。

肉の中に脂を閉じ込め、ジューシーな焼き上がりに

 まず焼き肉用のカルビ肉、そして野菜をホットプレートで焼いてみた。筆者宅にあったホットプレートには、穴の開いた焼き肉用プレートが付属しているため、今回はこちらを使用した。

焼いたのは、アメリカ産のカルビ肉。脂が結構多かった
左側に肉を、右側に野菜を並べ、最高温度の250℃で焼いた

 ホットプレートで焼くと、当然ながら下側から焼き色がついてくる。事前に5分ほど予熱したため、あっという間に焼き色がついたので、急いで裏返した。焼き時間は、裏表合わせて2分程度と短時間。プレートに穴が開いているものの多少の脂は残る。そのため、やはりニオイと煙は発生した。

じゅうじゅうと脂が焼ける音を立てながら、いい具合に焼き色もついた

 続いて、グラファイトグリラーで同じように肉と野菜を並べ、温度をMAXの「5」にセット。ダイヤルをひねった瞬間、カッとまぶしいほどの光を発し、温かい熱が周囲にも広がる。しかし、焼いている音もしなければ、焼き色もつかないので、なんだか調子が狂う。

上部についている遠赤グラファイト
わずか0.2秒と一瞬で立ち上がる
食材を並べ、上から遠赤で焼きあげていく

 しかし時間が経つにつれ、焼き色がつかないものの、肉の色が変色していった。脂はやはり、落ち切らずに残っていたが、上から加熱するためニオイや煙はほとんど気にならない。こちらも裏表で3分程度焼いたところ、少し焼き色がついたので皿に取った。

ホットプレートのような焦げ目はついていないが、しっかり焼きあがった

 さっそく食べ比べてみると……味の違いは歴然! グラファイトグリラーで焼いた肉のほうが、明らかにジューシーでふっくらしている。遠赤外線の効果なのか、脂が内側に閉じ込められ、柔らかさもだいぶ違った。

 ただし筆者の主観もあるかもしれないので、それぞれで焼いた肉を夫と息子に出し、どちらがおいしいか、ブラインドテストを行なってみた。すると「どちらもおいしいけど」と前置きした後で、やはりグラファイトグリラーで焼いた肉のほうがおいしいといっている。

 一通り焼き終わった後、水トレイを見てみると、脂は多少落ちていた。しかしこの脂の量は、ホットプレートに比べると少なめ。基本的には、肉の中にもしっかり脂が閉じ込められるため(そのぶんおいしいのだが)、この脂分が気になるという人もいるかもしれない。

肉から出た脂はしっかり水に落ちていた

 ちなみに野菜はというと、ホットプレートのほうが香ばしく焼きあがったのに対し、グラファイトグリラーのほうはなかなか焼きあがらない。15分近く焼いて、食べ比べてみたが、野菜に関してはホットプレートのほうがおいしかった。

ホットプレートで焼いたほう(右)がしっかり火が通り、玉ねぎも甘くなっていた。一方、グラファイトグリラーで焼いたもの(左)は、焼き足らず、玉ねぎもまだまだ生っぽかった

ステーキ肉もつくねもふっくら!

 続いて試したのがステーキ肉。こちらは、いつものようにフランパンで焼いてみた。熱したフライパンに油を入れ、片面1分、フタをしてもう片面1分。あっという間に焼きあがった。一方、グラファイトグリラーでは、裏表で合計5分くらいかかったが、こちらも短時間で焼きあがった。

1枚の肉を半分に切り、それぞれ焼いてみた
フライパンで焼いたところ。いい感じに焼き色がついている
グラファイトグリラーでは、あまり焼き色がつかないが、おいしそうに焼けている

 焼きあがった肉を切ってお皿に並べ、見るからに違う焼き上がりに驚いた。フライパンで焼いた肉は横に広がったのに対し、グラファイトグリラーで焼いた肉は、ふっくらしている。そして表面のパサつきもなく、実にジューシーだった。

フライパンで焼いた肉は、少しぱさぱさしていた
グラファイトグリラーで焼いた肉は大きく、ジューシーだ
やわらかくてめちゃめちゃおいしい~!!

 続いてつくねも焼いてみたが、こちらも中までしっかり火が通り、やわらかく焼けた。

つくねは時間をかけて焼いた分、焼き目もしっかり

 最後に焼いたのが、マカロニグラタンだ。いつも通りに作り、オーブンで焼く工程をグラファイトグリラーで行なったところ、同じようにぐつぐつと煮立ち、表面のチーズにいい色がついた。もちろん味は文句なしにおいしかった。

オーブンとしても優秀。中までアツアツに焼きあがった
焦げ目も完璧!

ふっくらジューシーな焼き肉を自宅で楽しみたいならコレ!

 グラファイトグリラーはお手入れも簡単だ。プレートも水トレイも軽いので、手軽に運んで洗うことができる。また保管するときは畳んでバッグのようにして収納でき、付属のトートバッグに入れておける。

軽くてコンパクトなのでシンクでも洗いやすい
取っ手付きのケースに挟んで収納できる

 一方で不便さを感じたのが、遠赤グラファイトの色がオレンジ色で、焼き色が見にくい点。取扱説明書でも、焼き色がわからないときは、取って確かめるように、とある。また上に熱源があるため、横から箸やトングを入れる形になるが、ヒーターの下に手を入れると結構熱い。

 そういった点を考えたとしても、このジューシーな焼き上がり、そしてニオイと煙の少なさは、ホットプレートでは得がたい満足感だ。自宅で頻繁に、おいしい焼き肉を楽しみたい! という人には、ぜひおすすめしたい。

田中 真紀子