家電製品ミニレビュー
今まで使った中で1番早く乾いた「プラズマクラスタードライヤー」
by 小林 樹(2014/2/24 07:00)
今回は、シャープのドライヤーの最上位モデル、「プラズマクラスタードライヤー IB-HD93」を取り上げたい。単にプラズマクラスターイオンを搭載しているだけでなく、送風構造を従来モデルから大きく見直した点が特徴だ。
この製品は、「速乾タイプ」と名乗っていて、『速い』風を『多く』髪の根元まで届ける仕組みになっている。メーカーでは、「ドライ時間を約50%カットできる」と謳っている。
結論から言うと、お世辞抜きに、今まで試したドライヤーの中で最もスピーディーに髪が乾いた。
メーカー | シャープ |
---|---|
製品名 | プラズマクラスタードライヤー IB-HD93 |
希望小売価格 | オープン価格 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 11,480円 |
本体サイズは91×214×208mm(幅×奥行き×高さ)で、送風口に向かって先が細くなっている。本体重量は約565gで、手に持ってみると結構重い。塗装はマットで、手触りはすべすべとしている。
今まで5分近くかかっていた髪を乾かす時間が、3分に短縮!
さっそく使ってみよう。操作はハンドルに付属のボタンから行なう。まずスライドスイッチで運転モードを選ぶ。風量「大」の「TURBO」、風量「中」の「DRY」、風量を抑えて髪をくせづけする「SET」、「OFF」が用意されている。
それぞれの運転モードで、風温はHOTとCOLDに切り替えられる。最高風温は約115℃になるという(室温30℃、HOT/DRY時)。
さらに、地肌へのいたわり機能として、約50℃の温風で乾かす「地肌エステモード」を用意しており、「TURBO/DRY/SET」と組み合わせて使える。
とにかく早く乾かしたい時は、迷わず風量「TURBO」で「HOT」を選択。強い風が、勢いよく髪をたなびかせる。髪を乾かすには、ドライヤーの風量、風速、温風の温度がカギとなるそうで、実際に勢いのある風が従来のドライヤーよりもスピードを感じさせる。
さて、乾かす時間を計ってみて、驚いた。胸上まである洗いざらしの長髪を乾かすのにかかった時間は3分弱で、これまで使ってきた数々の高級ドライヤーよりも、明らかに早い。シャープの製品ページでは、“乾かす時間を半分に短縮する”と謳うが、私の長くて毛量の多い髪は、半分とまではいかないにせよ、乾くまでの待ち時間は確実に短くなった。
一方で、運転音はややうるさい。モーター音だろうか、「キーン」という高音も混ざっている。前モデルの運転音は約60dBだったが、風量が大きくなったぶん、音量は以前と同じかやや上回っているかもしれない。
クシ代わりに髪をとかせる
IB-HD93は、吹き出し口の上部にプラズマクラスターの発生ユニットを搭載している。運転時は吹き出し口の上部に青色のランプが点灯し、プラズマクラスターイオンを発生させる。発生ユニットは取り外し不可だが、2カ月に1回程度、付属のブラシを差し込んで電極部の汚れを取り除く必要がある。
プラズマクラスターの効果としては、静電気を4分の1に抑制する、髪をまとまりやすくする、潤いを保つ、タバコなどの臭いを脱臭する……などが謳われている。
実際に使ってみると、確かに絡まった髪がほぐれて、クシを通す感覚で髪がまとまりやすい。IB-HD93は髪を高温の大風量で乾かすから、髪がパサつくか心配だったのだが、そんなことはなかった。髪をいたわりながら乾かすという点には配慮されている。
我が家では、パナソニックのナノイー機能を搭載したドライヤーも使っているが、個人的な感想としては、仕上がりの髪の手触りが異なる。平たく言えば、ナノイードライヤーはしっとりと、プラズマクラスタードライヤーはサラサラに仕上がる印象だ。どちらが好きか、仕上がりの質感の好みで選びたいところだ。
使い勝手で気になったのは、風温を切り替えるHOT/COLDボタンと、約50℃の地肌エステモードのON/OFFボタンが別になっていること。風量がHOTの状態で地肌エステモードをONにすることはできるが、COLDの状態から地肌エステモードをONにすることはできないので、最初はわかりにくかった。温度に合わせて「HOT/地肌/COLD」をスライド式に切り替えられれば、もっと使いやすかったと思う。
IB-HD93は、髪をいたわりながら、とにかく素早く乾かしたい方向けのドライヤーだ。静音性よりも時短を優先する方に特にオススメしたい。高機能ドライヤーは重くて嫌だ! という方にも、短時間で乾かせるIB-HD93なら、使いやすいのではないだろうか。