家電製品ミニレビュー

コンパクトで光色が選べてライトにもなるLEDランタン

アウトドア用だが防災にも使える製品

ポップアップランタン プロ L1-216

 今回はドッペルギャンガー アウトドアのLEDランタン「ポップアップランタン プロ L1-216」を紹介する。2月に発売になったばかりのバリバリの新製品だ。

 今回のL1-216は、もともとはアウトドアでの使用を目的とした製品だが、防災用品としても優れた製品だ。今回は室内での使用を前提に紹介していこう。

メーカードッペルギャンガー アウトドア
製品名ポップアップランタン プロ L1-216
希望小売価格3,150円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格2,493円

2つの形と2つの光色

 L1-216には、大きな特徴が3つある。

 一つ目の特徴は、懐中電灯(以下、ライト)とランタンの2通りの使い方ができることだ。

 ライトとして使うときは、そのままの状態で電源スイッチを長く押すと、LEDが点灯する。ランタンとして使う時は、本体を両手で持って軽く捻ると、畳まれていた部分がバネで伸び、提灯のような形になる。伸びた布の部分が、光を散らして周囲を照らす。

たたんだ状態でLEDライト
伸ばすとLEDランタン

 二つ目の特徴は、LEDの光色が白色と暖色の2通りに切り替えられることだ。ここで暖色と言っているのは、電球色と言っても良い。ライトとして使うときもランタンとして使う時も、電源スイッチを押すことで、強い白色→弱い白色→暖色の順に切り替わる。それぞれの明るさは150lm、30lm、100lmとされている。

白色モードで点灯
暖色モードで点灯

 三つ目の特徴は、ニッケル水素電池の充電機能を持っていることだ。L1-216の電源は単三形電池3本を使い、アルカリ乾電池やニッケル水素電池に対応している。付属のUSBケーブルでパソコンやモバイルバッテリーに接続すれば、本体に入れたニッケル水素電池を充電できるのだ。ただし、動作が確認されているニッケル水素電池はエネループだけだ。

底部にDC入力端子がある
モバイルバッテリーやパソコンと接続することでエネループが充電できる

ライトのZOOM機能が有効

電池は単三形を3本使う

 さっそく、新しいアルカリ乾電池を入れて、いろいろ試してみた。なお、この製品の電池ケースのフタは、閉めるときに斜めになりやすいクセがある。できるだけ水平にして回すのがコツだ。

 まず、ライトとして使う。電源スイッチのON/OFFは長押しで行なう。

 ライトとして使うときは、本体はたたんだ状態だ。この本体が、厚みのある円盤型で、直径が8.5cm、厚さが5cmある。意外と厚みがあるので、手のひらでガシッとにぎるしかなく、ちょっと持て余すところがある。手が小さい女性だと持ちにくい大きさだ。

LEDライトモード
ガシッと握る
外観からは意外なほどくっきりとした光

 ライトの光量は白色の強で150lmだが、十分に明るい。また、ライトにはZOOM機能が付いていて、レンズの焦点を調整できる。これが実に有効で、照射する範囲をかなり大きく調整できる。絞った範囲に明るい光を照らしたり、広い範囲を照らしたりできる。

LEDの脇にZOOM用のレバーがある
光を絞った状態。距離は1mほど
光を広げた状態

 ちょっと惜しいのは、LEDの脇にあるZOOMレバーを操作しようとすると、本体のフックが外れてバネが伸びてしまうことがある。意図せずに、本体が伸びてランタンモードになってしまうのだ。個体差があるかもしれないが、手元の製品では良く起きてしまう。もうちょっとガッチリと固定する構造に改善してほしい。

 電源スイッチを短く押すと光色が変えられるのは、先に説明したとおりだが、ライトのときは光色を変えるよりも、光量を小さくして電池寿命を長くする方が有効だ。強い白色の時は20時間だが、弱い白色にすると75時間に延びる。

 実際に、強の状態で連続点灯して電池寿命を試してみたが、強い白色であっても12時間ぐらいから、明確に光量が落ちてくる。実用的に使えるのは15時間ぐらいだった。

ランタンの光色変更は有効

 次に本体を伸ばして、ランタンとして使ってみた。側面に布があるだけなのだが、思ったよりもよく光が横方向に拡散される。電池が交換直後であれば、3~4畳ほどのスペースで普通に食事や作業できるぐらいの光量がある。

 十分にランタンとして使える光量であり、一人に一台これを持っていれば、洗面台や入浴でも困らない。底面にリングがあるので、逆さにひっかけることができるのも便利だ。

洗面台で使うには明るすぎるほど光量がある
逆さにしてフックに引っ掛けて使った例

 光色の変化は面白く感じた。普段は白色、食事どきや寝る前は暖色という使い分けができる。暖色の場合は複数のLEDが光るためか、白色のときよりもまぶしさを感じにくいのも利点だ。

エネループの充電は注意が必要

 最後に、電池をエネループに交換して、充電機能を試してみた。付属のUSBケーブルを本体の底部にある端子に差し込み、モバイルバッテリーと接続することで、無事に充電できた。

充電時には青いLEDが点灯する。ただし、満充電になっても消えない

 ただ、取扱説明書にも書かれているが、この充電機能には過充電防止機能がない。満充電になっても止まらないし、充電時に点灯しているLEDライトもそのまま点灯し続けている。つまり、約5時間で満充電という目安で自分で、充電を止める必要がある。

 もともと、この製品はアウトドア用途であり、充電器などの荷物を少しでも減らしたいという場合に有効な機能なのだ。家庭で使用する場合は、エネループを取り出して充電器で充電するほうが安全だ。

 ちなみに、本機をエネループで使うと、明るさが1段階暗くなり、連続点灯時間が約4割ぐらいになる。アルカリ乾電池を使うかエネループを使うか、用途によって使い分けると良いだろう。

防災グッズとして机の隅に

 実際にこの製品を使う前は、「折りたたみができて光色が変えられるランタン」という機能に惹かれていたのだが、実際に試してみると「ZOOM機能付きのライト」としても優れていることがわかった。

 ZOOM機能によって、昼間の室内でもくっきりと分かるぐらい絞りこまれた白い光は魅力的だ。ちょうど、鏡で反射させた太陽光のようで、離れた場所にサインを送るような用途にもつかえそうなぐらいだ。

 本体サイズが小さく、ライトしてもランタンとしても、ちゃんと使える防災用品だ。ケーブルといっしょに小さなポーチに入れて、机やカバンの隅に1つ備えておくと良いだろう。地震にかぎらず、先日の大雪の際に起きた停電のような場合でも有効に使える製品だ。

伊達 浩二