家電製品ミニレビュー

テスコム「ソース&チョッパー」

~ソースやドレッシングも作れる、コンパクトな調理器具

テスコム「ソース&チョッパー TK100」

 調理の中で、もっとも手間と時間がかかる作業がみじん切りである。相手が玉ねぎともなると覚悟も必要だ。切れない包丁で挑もうものなら、あっという間に泣かされる。

 そこでほしくなるのが、みじん切りが簡単にできる調理器具。今回はテスコムのコンパクトなフードプロセッサー「ソース&チョッパー TK100」を使用した。

メーカーテスコム
製品名ソース&チョッパー TK100
購入場所Amazon.co.jp
購入価格2,854円

 ソース&チョッパーの本体サイズは100×100×220mm(幅×奥行き×高さ)で、外観は容量500mlの水筒に似た、スリムなデザインだ。

テスコム ソース&チョッパーの外箱
本体に直接電源コードがついている
ボトルフタの突起とあわせる形で固定する

 本体には、パッキンのついたフタ、ボトル、みじん切りカッター、レシピブックが付属する。ボトルの容量は200mlで、消費電力は160Wだ。

左からボトル、みじん切りカッター、ボトルフタ、本体。パーツはこれだけ
取扱説明書とレシピブックが付属する

 構造がシンプルなだけあって、使い方は簡単だ。本体にみじん切りカッターを取り付け、約1~1.5cm角にカットした食材を、本体メモリ内に収まるように入れる。みじん切りカッターの芯が中央から出るようボトルフタを乗せて、その上に凹凸が合うよう本体を乗せ、本体から伸びる電源コードをコンセントにセットしたら、準備は完了。

みじん切りカッター
みじん切りカッターはボトルの中央の突起にあわせて乗せるだけ
ボトルに蓋をし、本体を固定する役割を持つ「ボトルフタ」
ボトルフタの裏側。パッキンは外して洗浄できる
本体の上がスイッチになっている

 本体の上部がスイッチになっているので、そこを押せば、牛肉、豚肉、鶏肉(皮なし)や、骨、わた、皮、頭を取り除いた魚やえび(最大50g程度)、1.5cm角にカットした玉ねぎやにんじん(最大100gまで)などを調理できる。

 特に運転モードは設定されておらず、1回1秒程度で連続してスイッチを押す「間欠プッシュ」か、一定時間スイッチを押し続ける「連続プッシュ」など、食材の状態を見ながら手加減で押し方を変えるだけだ。

 定格時間は1分となっており、1分動作後は15分の休止が必要な仕様となっているが、みじん切りなら「間欠プッシュ」、ソースやドレッシングなら、「間欠プッシュ」と「連続プッシュ」をあわせれば、おおむね1分もかからず調理できる。

玉ねぎ、大根、にんじん、ごまを細かく!

 説明が長くなってしまったが、さっそく使ってみよう。まずみじん切りといえば、やはり玉ねぎ! ということで、早速玉ねぎ約100gを入れてみたところ、数回の間欠プッシュでみじん切りが完成した。

小ぶりの玉ねぎ1/2個が100g程度
1~1.5cm角にカットして、食材を入れ終えたら、みじん切りカッターを中央に戻してお
みじん切りカッターの軸にあわせて、ボトルフタを乗せる
様子を見ながら7~8回間欠プッシュすれば、みじん切りが完成
さらにそのまま連続プッシュしつづけたところ、玉ねぎが完全にペースト状になった

 形やサイズに多少ばらつきはあるものの、みじん切りが苦手な人にしてみれば、ありがたいレベルである。そのまま連続プッシュすると、完全にどろどろのペースト状にすることもできた。

玉ねぎのみじん切りの様子。実際はもう片方の手で、ボトルと本体をしっかりホールドするといい

 玉ねぎがペースト状になったのを見て、大根おろしでも試してみた。しかし、数ミリ程度の細かいみじん切りが限界のようで、大根おろし風にはならなかった。玉ねぎは、水分が多いため、ペースト状になったのだろう。

大根おろしに挑戦
数ミリ程度までは細かくなるが、それ以降はカッターが空回りするだけに
水分の豊富な大根ならできるかもしれない
玉ねぎのペースト(左)との比較。大根をペースト状にするには、少々水を入れたほうがよさそうだ

 にんじんも水なしで試したところ、微細なみじん切りの状態まですることができた。ペーストは作れないが、ここまで細かくすれば、にんじん嫌いのお子様も気づかずに食べれるだろう。

にんじんも1~1.5cm角にカットして使う
5回、間欠プッシュすると、粗みじん切りに
限界まで試したところ、かなり細かいみじん切りができた。包丁で何度もたたく手間が省ける

 次に作ったのが「すりごま」だ。我が家にはすり鉢がないが、このソース&チョッパーを使えば、間欠プッシュと連続プッシュを数回組み合わせるだけで、あっという間に細かくサラサラのすりごまができた。これならごまの風味を十分生かしたごま和えも簡単にできる。ふりかけも簡単に作れそうだ。

用意したいりごま
すり鉢を使うよりは、サラッとしていることが分かる
できあがったすりごま

鶏肉も豚肉もペースト状になる

 続いて、ハンバーグの材料に便利な挽き肉を作ってみよう。豚こま切れ肉50gで試したところ、時間をかけずにペースト状にすることができた。

 3回の間欠プッシュでは、こま切れ肉がもう少しこま切れになったという程度で大きな変化は得られなかったが、連続プッシュし続けると、かなりなめらかにすることができた。中で団子状に固まったら終わりのサインのようだ。

豚こま切れ肉を50g入れて、3回プッシュ。まだミンチにはほど遠い
間欠プッシュのあと、とことん連続プッシュしたところ、このような状態に
ハンバーグにして焼いてみた
スーパーで売られているようなミンチの状態を再現することは無理だが、なかなかおいしいハンバーグに

 容器容量が200mlしかないため、一度にハンバーグ1個分程度の肉しか加工できないが、ソース&チョッパーでみじん切りにした玉ねぎのみじん切りと合わせてハンバーグを焼いたところ、なかなか美味しく仕上がった。

ドレッシングやソースなどが簡単! 山形のだしも作れる! でもジュースは苦手……

 ここからは調理例をご紹介しよう。食材をみじん切りしたり、つぶしたり、と忙しいタルタルソースも、「ソース&チョッパー」を使えば、余計な器具いらずだ。レシピブックに紹介されていた「野菜たっぷりタルタルソース」を試したところ、2人分程度のなめらかなタルタルソースができた。

タルタルソースの材料。野菜たっぷりとはいえ、1回で作れる量が少ないだけに、材料は少なめになる
少量の野菜のみじん切りに適していることが分かる
野菜だけ先に細かく砕いておく

 材料は、玉ねぎ、セロリ、にんじん、きゅうり、ゆで卵、マヨネーズ、塩。まず野菜を先にボトルに入れて、間欠で15回プッシュする。続いて、8等分したゆで卵とマヨネーズ、塩をいれて、さらに20回間欠プッシュするだけで、タルタルソースのできあがり。これは簡単だ。

卵とマヨネーズ、塩を加え、さらにプッシュする
タルタルソースが完成した
パンに挟んでいただく。手前のハンバーグは、前述の豚こま切れ肉と玉ねぎを使ったもの

 個人的な夏の定番メニューとなっている、山形県の郷土料理「山形のだし」も簡単に作ることができた。「山形のだし」は、きゅうり、なす、ミョウガ、紫蘇の徹底したみじん切りがポイントの料理だ。

 ソース&チョッパーに材料を全部入れて、数回間欠プッシュすると、形は不揃いながらも、すべてまとめてみじん切りにできた。この時短はかなり感動ものだ。材料別にみじん切りにすれば、かなりの量が作れる。これを醤油などであえて、豆腐や白飯の上にのせて食べると絶品。さっぱりしているので、夏バテ時にピッタリだ。

ベーシックに、紫蘇、きゅうり、なす、ミョウガを用意
全部まとめて「ソース&チョッパー」にかけたところこの通り!

 続いてドレッシングを作ってみよう。材料は、ごま、玉ねぎ、にんじん、ポン酢、マヨネーズ、ごま油である。これらをボトルの上限を超えない程度に適量入れて、間欠プッシュしたところ、こちらもあっという間にごまドレッシングができあがった。普段はマジックブレットを使っているが、それに劣らぬ仕上がりである。水なしでは直径3mm程度が限界だったにんじんも、もう少し細かくなっているようだった。ごまが若干粗めだが、気になるようなら、先にごまだけ砕いておくという手もある。

用意した材料をすべてボトルの中へ
数回プッシュするとこの通り
あっという間にドレッシングができあがる

 「ここまでできるなら、ジュースも作れるかも!? 」と期待を寄せたが、残念ながらお気に入りの「にんじんりんごジュース」は無理だった。にんじん1/4本、小さめのりんご1/2個、水50ccで作ってみたのだが、水ありでもペースト状にならず、ごくごく飲める状態にならなかった。

にんじん、りんご、水でジュース作りにトライ
一見完成したように見えるが……
スプーンで食べる状態が限界だった。バナナやキウイなど柔らかい材料を使えばよさそう

 ちなみに、氷や冷凍した材料は、調理できない食材として挙げられているので注意が必要だ。また、ナッツ類、コーヒー豆類、乾物などの固いものや、オクラ、芋類、飴、イカなどの粘り気の強いものも調理できない食材に指定されている。また、生クリーム、卵白、卵などの攪拌や、パン、麺類、菓子など生地作りもNGとされているので覚えておきたい。

ソース&チョッパーは、みじん切りの救世主!

 こうして一通り使ってみて、まさにみじん切りのための調理器具であると感じた。手を汚さずに、水分が少ない野菜なら、2~3ミリ程度のサイズまで細かくすることができる。水分を多く含む食材なら、場合によってはペースト状にまでなるのだ。さらに食材ごとに分けて調理することで、その堅さや特性を生かした調理も可能だ。食材の得手不得手はあるようだが、それさえ把握しておけば、かなり長く活躍しそうである。

 また、本体のコンパクトさが好ましかった。大きなミキサーやフードプロセッサーにありがちな威圧感がまったくなく、場所をとらない。手の届きやすい場所においておけるので、使いたいときにストレスなく使えるのだ。筆者は長くHomeland Housewaresのマルチミル「マジックブレット」を愛用しているのだが、気軽さなら引けをとらない。また、構造が簡単なため、使用後の洗浄がとてもラクなところも見逃せないポイントだ。

 包丁を使った細かい作業が苦手な方や、とにかくみじん切りが苦手という方のみならず、多忙でみじん切りに時間をかけていられないという方にもおすすめである。

すずまり