家電製品ミニレビュー
アイリスオーヤマ「エコハイルクス LDA6N-H-S5」
~白熱電球並みに小さくなった人感センサー付きLED電球
by 伊達 浩二(2013/4/22 00:00)
センサー付LED電球も世代交代
電球の先端に人感センサーを装備し、人が近くを通ると自動的に点灯し、いなくなると自動的に消灯するのが、人感センサー付きLED電球だ。
最初の製品は、2011年頃に登場したが、LED電球が大きめだったうえに、センサー部分が突き出していた。ダウンライト器具の場合は、天井からセンサー部分がはみ出した形になることもあり、やや違和感があった。
それが、昨年末に発売された製品では、電球本体が白熱電球並みの大きさまで小さくなったという。センサー部分も、だいぶ目立たなくなっているらしい。センサー付LED電球も、世代が変わったようだ。
そこで人感センサー付きLED電球の市場で、いま一番存在感のあるアイリスオーヤマの製品から、E26口金の「LDA6N-H-S5」を買って試してみた。以前取り上げたE17口金の「LDA3L-H-E17SV」のE26口金版だ。
メーカー | アイリスオーヤマ |
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製品名 | LDA6N-H-S5 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 2,550円 |
白熱電球並みの大きさ
LDA6N-H-S5は、昼白色のLED電球だ。全光束は485lmで、白熱電球の40W型相当とされている。消費電力は6.4W、点灯していない場合でも、センサーが約0.1W消費する。電球色タイプも用意されている。
製品のパッケージは普通の紙箱だが、箱の大きさが小さいのでちょっとびっくりした。箱の高さが10cm程度しかないのだ。
本体サイズは98×55mm(全長×外径)、重量は実測で111g。外寸は白熱電球並みな割に、少し重い。
ちなみに1つ前の世代の、同じ485lmの同社のセンサー付きLED電球「LEA5N-H-S3」は、サイズが123×60mm(同)、160gだった。新製品では、長さが約2cm、太さで約5mmも小さくなっている。
人感センサーは、LED電球のランプカバー部の先端にある。以前の製品とくらべて、センサーが小型化されたようで、あまりはみ出していない。消灯しているときは、あまり目立たない。
ランプカバーは、電球の横方向には広がっておらず、点灯してみても配光する範囲はあまり広くない。最近多い、広配光型のLED電球とは異なり、下方向を中心に照らす設計で、横や口金の方向には光が回らない。ダウンライトでは問題ないが、吊り下げ型のペンダント照明で使う場合はカバーの根本方向が暗くなるので注意が必要だ。
注意したいのは、LDA6N-H-S5は使用できる照明器具に制限があること。取扱説明書によると、「口金E26で電球が下向きになる開放型器具」とされている。つまり、センサーが下を向いた状態になり、またセンサーが人体を感知する赤外線を受け止めることができるように、カバーなどで覆われていないことが条件だ。
この条件に適合する器具は、埋込み型のダウンライトや、下が開いたペンダント、天井に直付された電球用コネクタなどだろう。今回は、廊下に設置されたダウンライトを中心に試してみた。
なお、今回は関係ないが、調光機能付きの器具や、リモコン付きの器具にも対応しないので、ご注意いただきたい。
取り付けは、とても簡単
LDA6N-H-S5の取り付け作業は、とても簡単。照明器具に普通の電球のようにセットするだけだ。設置場所としては、直射日光や反射光、風、暖房器具などを避けるよう注意されている。センサーが光と赤外線を感知するので、それを混乱させるような場所だと誤動作するのだ。
これらの問題がなさそうな、廊下のダウンライトを選んでセットした。以前の人感センサー付きLED電球だと、センサー部分がはみ出したような形になっていたが、今回はすっぽりと器具の中に収まった。以前、白熱電球をセットしていたときと、ほぼ変わらない外観だ。
壁面のスイッチをONにすると、最初の1回だけ、ウォームアップモードと称して約30秒間点灯してから消灯する。あとは、設置した場所のそばを人が通れば点灯する。点灯するスピードは速く、ほぼ瞬時に明るくなる。以前のモデルより速くなった感じがする。
そして、人が居なくなってから3分間経つと消灯する。このときは、瞬時に暗くなるのではなく、少し段階を置きながら暗くなる。これは、いきなり真っ暗になってビックリすることがないように配慮しているのだろう。もちろん、センサーが人を感知し続けている間は点灯したままだ。
なお、壁面のスイッチは常にONの状態にしておかなければならない。人感センサーが動作するのに電気が必要だからだ。センサーライトに慣れていない家庭では、これまでの習慣で電源をOFFにしてしまうことがあるので、同居している家族がいる場合は、周知しておかなければならない。
また、 LDA6N-H-S5は、明るさセンサーも内蔵しているので、暗いときしか点灯しない。周囲の明るさが150lx以上の場合は、点灯しない。ウチの廊下の例で言うと、夕方をすぎれば問題なく点灯する。昼間に点灯させようとすると、廊下に通じるドアをすべて締め切って、ほぼ真っ暗な状態にする必要がある。
人感センサーの感知範囲は、2m以上の高さのある場所に設置した場合で、半径で約2m以内とされている。ウチの廊下の天井の高さは2.2mだが、ここで試してみると、約3mぐらい手前で点灯することが多い。赤外線検知なので、設置場所などによって多少の差はあるだろう。
LDA6N-H-S5は40W型相当のLED電球なので、廊下には、ちょっと暗いのではないかと心配していたが、十分過ぎるほど明るかった。昼白色らしいすっきりとした明かりだ。夜中などは、ちょっと明るすぎるぐらいで、電球色か、もう1つ下の325lm(30W型相当)の方がよかったかもしれない。
ちょっと気になるのは、ダウンライトを見上げると、センサー部分が光を遮っているので黒い丸に見えることだ。ダウンライトを見上げるようなことはないし、実用的には全然問題ないが、吊り下げ型ペンダント器具で使用する場合は、見上げることがあるかどうかを、確認しておいた方が良いかもしれない。
話はそれるが、LDA6N-H-S5の本体サイズが小さいので、E17-E26変換アダプターを使って、E17口金用のダウンライトにも設置してみた。アダプター自体に長さがあるので、さすがに電球の大半が器具からはみ出してしまう。
それでも、大きめのLED電球に比べれば、はみ出す部分は少ないし、すごく格好が悪いというほどではない。このあたりは、人によって判断が異なる部分だと思うので、写真を見てご検討いただきたい。
点灯している時間の長さを変更したい
本体が小さくて器具とのマッチングも良いし、設置も簡単ですぐに明るくなる、と良いことだらけなのだが、1つだけ改良して欲しいところがある。
それは、いったん点灯したときの、点灯時間の長さが3分間に固定されていることだ。
3分間という時間は、まぁ妥当なところで、どこでも一応対応する設定ではある。しかし、もうちょっと早く消灯してほしいとか、もう少し長く設定してほしいと感じることはある。
例えば、廊下などでは早く消灯してほしいし、トイレではもっと長く設定したい。たとえば、我が家では、かなり早い時期からセンサー付照明器具を使用していたが、廊下に使っているときは10秒に設置していた。人が通りすぎてしまったら、すぐに消灯する設定だ。トイレは、器具の制約で3分間だが、本当は5分間ぐらいに設定したい。うちはトイレに書棚があって、専用の本が用意されているので、3分だと消灯されそうになることがあるのだ。消灯される前に、少し暗くなると、右手を軽く動作して人がいることをセンサーに知らせる動作が身についてしまっている。
LED電球本体に切り替えスイッチを設けるのが難しければ、以前レビューした東芝製のLEDシーリングライトにあるように、壁面スイッチを連続2回ON/OFFするとモードが切り替わると良いと思う。例えば、初期設定は3分だが、壁面スイッチで、10秒/1分/3分/5分と切り換えられば、ほとんどの用途に対応できるだろう。最後の5分は10分でもいいかもしれない。
なお、この製品の保証期間は1年間だ。さすがに、LEDの定格寿命である40,000時間(点灯しっぱなしで約4年半)とは言わないが、以前の同社製の人感センサー付きLED電球のように2年間に伸びればうれしい。
イラッとした気分にならない便利な器具
LDA6N-H-S5は、明るさが40W型相当に限られているので、廊下や洗面所、トイレなど、ある程度狭い空間で、ときどき人が使うような場所に向いている。以前のモデルに比べて、本体が小さくなり、点灯時間なども改善されている。
ふつうでも省電力のLED電球を、人感センサー付きにすると、必要なときだけ明かりが点灯するので節電にはとても有効だ。
個人的には、節電も重要だが、誰かが消し忘れていた明かりにイライラしないことが一番気に入っている。誰か、とは、往々にして自分であることが多いのだが、「また点けっぱなしになってる」というイラッとする瞬間がなくなるのはありがたい。
まだ、一般的なLED電球に比べて、価格が高めではあるが、便利になることは間違いないので、導入を検討されることをお勧めしたい。