家電製品ミニレビュー
パナソニック「電気ケトル NC-KT082」
~安全で注ぎやすいシンプルなデザインの電気ケトル
by 正藤 慶一(2013/4/23 00:00)
今や一般家庭に普及した感のある電気ケトル。家電量販店の店頭では、1,000円~2,000円程度の非常に安い製品が並んでいるが、個人的には高くても安全性にこだわった製品が好みだ。安物だと、本体がとても熱かったり、本体が倒れるとお湯がこぼれてしまうなど、100℃近い熱湯を扱うにしては危険が身近にありすぎる。
その点、パナソニックの「NC-KT082」は、フタにロック機能が付いていたり、倒れてもこぼれにくい。また、非常に注ぎやすく、ニオイ付きも少ないため、とても便利に使用できた。今回はこの電気ケトルを紹介しょう。
メーカー | パナソニック |
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製品名 | 電気ケトル NC-KT082-W |
価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 6,033円 |
NC-KT082は容量800mlで、サイズは通電用の台座を含めて221×148×211mm(幅×奥行き×高さ)となる。電気ケトルとしては標準的な大きさだが、本体を通電台に載せると、ちょうど円錐状の形状となり、スマートなデザインだ。パナソニックブランドを冠した電気ケトルとしてはこれが第2弾だが、実は三洋電機に発売していた電気ケトルから、この形状を採用していたりする。“松下系”というよりも“三洋系”の流れを汲む製品のようだ。
本体内に水を入れる場合は、フタのツマミを指で挟み、フタ全体を取り外す。中は真っ黒だが、従来モデルにはなかった「備長炭フッ素加工」という加工が施されているという。備長炭といえば浄水・脱臭効果があるとされるが、パッケージには手入れが簡単になるとのこと。
まずは水200mlを中に入れて沸かしてみる。電源スイッチは取っ手部分についており、通電するとスイッチがオレンジ色に光る。本体内には目盛りが200mlごとに付いている。ちなみに本体だけの重量は1kgで、重くはないものの、水を入れると手首にやや重さを感じる。
沸騰が完了すると、スイッチが自動的にOFFになる。チャイムなどは流れないが、スイッチの“カチッ”という音が鳴り、お湯を沸かす「シュー」という音も止むため、同じ部屋で使っていれば十分に気付ける。
200mlの沸騰に掛かった時間は1分44秒。満杯の800mlの場合は5分5秒で、電気ケトルとしては一般的の数値だ。100mlの場合は1分6秒(66秒)と短かった。消費電力は約1,150W前後だが、試算だと5分使っても最大2円程度。何十リットルも沸かすものではないので、大した電気代にはならないだろう。
本製品が優れているのは、使い勝手の部分だ。まずは熱対策。沸騰後に本体側面に触れても、確かに熱はあるものの、十分に触れる程度で、やけどするほどではない。フタも、蒸気の吹き出し口以外はそこまでの熱さではなかった。もちろん、吹き出し口はめっちゃくちゃ熱いので、絶対に触れないようにしたい。
また、本体を倒してもお湯はほとんどこぼれない。フタには「ロック/給湯」を切り替えるツマミがあるが、ロック時はもちろん、給湯に合わせていても、ほとんどこぼれなかった。というのも、本体が横に倒れると、取っ手の重みで注ぎ口が上を向く仕組みになっているため、ビシャーンと全体的に撒き散ることはないし、床に落ちた衝撃でフタが外れることもない。さすがに若干の飛沫が出るものの、これは信頼度が高い。
さらに、お湯の注がれ方もスムーズで、常に一定量がなみなみと注がれる。傾けすぎてドバっとお湯が出過ぎるようなこともなかった。また、沸かしたお湯は特にプラスチックのニオイがすることもなかった。もしかしたら、今回新搭載された備長炭コーティングの効果があるのかもしれない。
もう1つ面白いのが、本体に貼られている注意書きのシールがすべて簡単に剥がし取れる点。ほかのケトルでもこのような仕様の製品はあるが、本製品はシールをすべて取り外すことで、よりシンプルなデザインが活かせるスタイルになっている。ただ、蒸気の吹き出し口のシールまでも取り外してしまったことで、気づかずに触れてしまったことがあった。電気ケトルの留意点を熟知する人以外は、吹き出し口のシールは残しておくべきだ。
ちなみに、本製品に保温性能はない。沸騰時99.3℃だった湯温は、1時間後には80.6℃、2時間後には66.9℃、3時間後には56.1℃となった。保温機能が欲しい場合は、電気ポットの方が便利だろう。
シンプルながらも、安全性と便利さを備えた、総合力の高い電気ケトルだ。新生活を始めた方、子供がいる方など、電気ケトルを求める多くの方にフィットするはずだ。