やじうまミニレビュー

オーム電機「HS-L1726HAD-G」

~店頭販売されるE17-E26コネクタをライバル2機種と比較

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

ついにパッケージ製品になったE17-E26アダプタ

3つ揃ったE17-E26アダプタ

 家庭用の電球ソケットのほとんどは、E17とE26の2つのサイズのどちらかになっている。

 大きいE26のソケットにE17電球を付けるための変換アダプタ(E26-E17アダプタ)は昔からあったが、逆に小さい方のE17ソケットにE26電球を付けるためのアダプタ(以下、E17-E26アダプタ)は、ここ2~3年に登場した。なにせ、小さい電球を付けるべきところに、無理やり大きな電球を付けるのだから、熱の問題はあるし、力学的にも無理がある。

 我が家では、2011年の夏、節電のためにこのアダプタを利用して、E17の器具でE26のLED電球を利用することが流行った。まだE17のLED電球は機種も少なく、価格も高価だったため、非常に重宝した。

 しかし、2011年当時のE17-E26アダプタは、単体の商品というよりは補修部品のようなレベルで、まだまだマイナーな存在だった。購入はAmazonのマーケットプレイスのみ、PSマークも付いていない商品が何も印刷されていないビニール袋に入って届くという状態だった。2012年の春には、スマホ用のキーボードで有名なリュウドが、PS/JETマーク付きの商品を発売したが、これも購入はAmazonのリュウド直販コーナー(マーケットプレイス)に限られていた。

 一方、今回紹介するオーム電機の「HS-L1726HAD-G」は、2012年の夏に発売され、家電量販店などの店頭でも販売されているパッケージ製品。もちろんPS/JETマークも取得済みだ。

メーカーオーム電機
製品名HS-L1726HAD-G
希望小売価格オープンプライス
購入場所ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba
購入価格980円

 極端な言い方をすれば、本製品の登場は、マイナーな存在だったE17-E26アダプタが日の当たる場所に出てきた証と言えるだろう。E17口金でもE26のLED電球が使えるというメリットが、一般的に認められたということでもある。ヨドバシカメラの店頭で、さりげなくぶら下がっているのを見つけたときは、ちょっと嬉しかった。

 今回は、このオーム電機のアダプタとあわせて、前述したリュウド、そしてかなり早い時期に発売されていたネオテックジャパンの3社のE17-E26アダプタを比較しながら紹介する。3社とも商品名が長いので、以下、メーカー名で商品を示すことにする。

 なお、現在の店頭小売価格はネオテックが1,000円(送料込み)、リュウドが880円(同)、オーム電機が980円となっている。

それぞれ特徴的な3つのアダプタ

 オーム電機のパッケージは、ごく普通の透明のビニール袋に紙製のラベルが付いているだけの簡素なものだ。それでも、リサイクル用の表示(タグは紙、袋はプラ)が印刷されているのを見ると、「おおっ、ちゃんとした商品パッケージになってる」と感心してしまう。まぁ、これまでの商品が異例だっただけなのだが。

オーム電機のパッケージは、シンプルなビニール袋
裏面にはリサイクル関係の表示などもあり、店頭で売られる商品であることがわかる
リュウドのパッケージ。直販専用なので商品というより部品のようなラベルだ
「当社全数検査済み 新品」などと書かれている

 3社のアダプタ本体の機能や操作方法は同じだ。E17の器具にアダプタをねじ込み、アダプタのE26ソケットに電球をねじ込む。

 ただ、3つのアダプタは同機能と思えないぐらいサイズに差がある。小さい順に、ネオテックジャパン、オーム電機、リュウドだ。

 アダプタの高さというか長さは、ネオテックジャパンが約55mm、オーム電機が約60mm、リュウドが約78mmもある。ネオテックジャパンとリュウドでは、同じ器具に取り付けた時に2cm以上も長さに差が出る。

左から、ネオテックジャパン、オーム電機、リュウド
横位置だと大きさの差がよくわかる

 この大きさの差は、設計思想の違いから生まれているようだ。製品から受ける印象は、ネオテックジャパンが最低限の機能と最小の大きさを目指し、オーム電機が既存の技術と部品を生かした堅い設計、リュウドが安全性を重視した技術者のこだわりが見て取れる。

ネオテックジャパンの外観。スリムに作られている
オーム電機の外見。シンプルな形
リュウドの外観。大ぶりで凝った構造

 たとえば、リュウドのアダプタに電球をセットすると、電球とアダプタの間に大きめの空白がある。これは、電球が熱を持った際にアダプタに影響を与えない配慮だろう。ただ、それだけアダプタ本体が大きくなってしまっていることも事実だ。

リュウドのE17端子。接触不良防止のためにハンダを盛り足してある
リュウドは電球とアダプタの間に、熱を避けるための余裕がある
LED電球を付けた状態。アダプタが大きいことが分かる
リュウドのPS/JETマーク
リュウドは、E26口金の奥の端子も凝った造りになっている

 それに比べると、ネオテックジャパンの製品は、端子などは見るからに安い部材を使っているし、大きさも切り詰めているので余裕は感じられない。その分、アダプタが邪魔になる場面が少ない。

ネオテックジャパンのE17端子。ごく一般的な構造
ネオテックジャパンは電球に沿うような形
コンパクトでLED電球と一体化したようなデザインだ

 オーム電機のアダプタは、両者の中間だ。部品も普通だし、デザインもごく普通だが、それだけ無理がない。ちょっと見ただけでは、E26を延長するアダプタかと思うぐらいありふれていて普通だ。

オーム電機のE17端子。ネジで固定してある
オーム電機は隙間が少し狭くなる
LED電球とのバランスが良い
オーム電機のPS/JETマーク
容量は3A/300Vまで
左は一般的なE26口金用延長器具。オーム電機のアダプタは口金の大きさが違うだけでよく似た構造だ

E17ダウンライトに取り付ける

 さっそく、E17のダウンライト器具に、E17-E26アダプタと、E26のLED電球を取り付けて見た。

アダプタ付きのE26LED電球(中央)と、それを囲むE17電球
台座に据えたE17口金のLED電球
同じ台座にオーム電機のアダプタとE26口金LED電球の組み合わせを据える。E17電球との差がよくわかる

 やはり、E26の電球は、E17の電球に比べてずっと大きいので、電球自体ははみ出してしまう。とくに、リュウドのアダプタを使うと、器具から飛び出した電球の部分が長い。

 今回、E26の電球に、比較的サイズが小さめの「パナソニック LDA4N-H」や「パナソニックLDA4L/C」などを取り付けたのだが、それでもE17電球を取り付けた場合とは、違う景色になる。

E17口金のダウンライト器具に、E17口金のLED電球をセットすると、天井からやや引っ込んだ状態になる
同じ器具にE17口金の電球形蛍光灯をセットすると、ややはみ出してしまう
オーム電機のアダプタを介してE26口金LED電球をセットすると、電球が半分ほどはみ出してしまう
アダプタをリュウドに変えると、電球がほとんど器具の外に出る
ネオテックジャパンのアダプタは、はみ出した部分が小さい

 ちなみに、リュウドとオーム電機の製品では、使用するLED電球の重さについて特に制限は記載されていない。しかし、E17ソケットの構造や大きさを考えると、ネオテックジャパン同様にアダプタとLED電球の組み合わせで100g程度に抑えるべきだろう。

 ちなみに、E17-E26アダプタの重さは、ネオテックジャパンが17g、オーム電機が33g、リュウドが31gだった。リュウドのアダプタは大きいが軽量なのだ。

ネオテックジャパンは17g
オーム電機は33g
リュウドは31gで、オーム電機よりも軽い

 なお、今回使ったE17LED電球は45gしかない。それに対して、E26LED電球「パナソニック LEA4N-H」の重量は82gある。アダプタの重量を考えると、できるだけ軽量級のLED電球を選んだ方が無難だろう。

E17LED電球の重さは45g
E26LED電球は82g。これは軽いほうで重い電球は100g前後になる

万能ではないが、まだ用途はある

ライテックスの「あかりセンサー付LED電球」。周囲が暗くなると自動点灯する。こういう特殊な電球は、まだE26にしかないものがある

 E17-E26アダプタは、登場から約2年を経て、特殊な存在から一般的な商品に変化したと言えるだろう。ただ、この間にLED電球も大きく成長してきた。E17の製品についても、機種が増加し、明るさの制限も少なくなっている。アイリスオーヤマのように、E17でありながら人感センサー付きの製品も登場している。

 あえて、E17用の器具に、1,000円弱もする高価なE17-E26アダプタを介してまで、E26の電球を取り付ける必要性は、2年前に比べるとずっと下がった。

 これから、E17-E26アダプタを購入する際は、E17用電球とのコスト差や、電球取り付け後の外観なども考慮して比較すべきだろう。なんせ、製品の安定性や、外観を含む器具との相性を考えれば、E17の器具にはE17の電球がふさわしいのは当たり前のことなのだ。

 しかし、手持ちの電球の活用や、明るさの追求など、光の広がりかたなど、このアダプタを使うべき場合も、まだ存在する。正直に言えば、アダプタとLED電球を組み合わせて、ああだこうだと遊ぶ楽しさもある。

 E17-E26アダプタは、以前に比べて重要性は下がってきたが、まだ役に立つ場面は多い。先日レビューした、あかりセンサー付LED電球などいい例だろう。E17-E26アダプタは、オーム電機に続いて、通常パッケージの製品が登場することを期待したい。競争が進む中で、価格的にも、より買いやすいものになってほしいと思う。

伊達 浩二