やじうまミニレビュー
オーム電機「HS-L1726HAD-G」
~店頭販売されるE17-E26コネクタをライバル2機種と比較
by 伊達 浩二(2013/1/23 00:00)
ついにパッケージ製品になったE17-E26アダプタ
家庭用の電球ソケットのほとんどは、E17とE26の2つのサイズのどちらかになっている。
大きいE26のソケットにE17電球を付けるための変換アダプタ(E26-E17アダプタ)は昔からあったが、逆に小さい方のE17ソケットにE26電球を付けるためのアダプタ(以下、E17-E26アダプタ)は、ここ2~3年に登場した。なにせ、小さい電球を付けるべきところに、無理やり大きな電球を付けるのだから、熱の問題はあるし、力学的にも無理がある。
我が家では、2011年の夏、節電のためにこのアダプタを利用して、E17の器具でE26のLED電球を利用することが流行った。まだE17のLED電球は機種も少なく、価格も高価だったため、非常に重宝した。
しかし、2011年当時のE17-E26アダプタは、単体の商品というよりは補修部品のようなレベルで、まだまだマイナーな存在だった。購入はAmazonのマーケットプレイスのみ、PSマークも付いていない商品が何も印刷されていないビニール袋に入って届くという状態だった。2012年の春には、スマホ用のキーボードで有名なリュウドが、PS/JETマーク付きの商品を発売したが、これも購入はAmazonのリュウド直販コーナー(マーケットプレイス)に限られていた。
一方、今回紹介するオーム電機の「HS-L1726HAD-G」は、2012年の夏に発売され、家電量販店などの店頭でも販売されているパッケージ製品。もちろんPS/JETマークも取得済みだ。
メーカー | オーム電機 |
---|---|
製品名 | HS-L1726HAD-G |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba |
購入価格 | 980円 |
極端な言い方をすれば、本製品の登場は、マイナーな存在だったE17-E26アダプタが日の当たる場所に出てきた証と言えるだろう。E17口金でもE26のLED電球が使えるというメリットが、一般的に認められたということでもある。ヨドバシカメラの店頭で、さりげなくぶら下がっているのを見つけたときは、ちょっと嬉しかった。
今回は、このオーム電機のアダプタとあわせて、前述したリュウド、そしてかなり早い時期に発売されていたネオテックジャパンの3社のE17-E26アダプタを比較しながら紹介する。3社とも商品名が長いので、以下、メーカー名で商品を示すことにする。
なお、現在の店頭小売価格はネオテックが1,000円(送料込み)、リュウドが880円(同)、オーム電機が980円となっている。
それぞれ特徴的な3つのアダプタ
オーム電機のパッケージは、ごく普通の透明のビニール袋に紙製のラベルが付いているだけの簡素なものだ。それでも、リサイクル用の表示(タグは紙、袋はプラ)が印刷されているのを見ると、「おおっ、ちゃんとした商品パッケージになってる」と感心してしまう。まぁ、これまでの商品が異例だっただけなのだが。
3社のアダプタ本体の機能や操作方法は同じだ。E17の器具にアダプタをねじ込み、アダプタのE26ソケットに電球をねじ込む。
ただ、3つのアダプタは同機能と思えないぐらいサイズに差がある。小さい順に、ネオテックジャパン、オーム電機、リュウドだ。
アダプタの高さというか長さは、ネオテックジャパンが約55mm、オーム電機が約60mm、リュウドが約78mmもある。ネオテックジャパンとリュウドでは、同じ器具に取り付けた時に2cm以上も長さに差が出る。
この大きさの差は、設計思想の違いから生まれているようだ。製品から受ける印象は、ネオテックジャパンが最低限の機能と最小の大きさを目指し、オーム電機が既存の技術と部品を生かした堅い設計、リュウドが安全性を重視した技術者のこだわりが見て取れる。
たとえば、リュウドのアダプタに電球をセットすると、電球とアダプタの間に大きめの空白がある。これは、電球が熱を持った際にアダプタに影響を与えない配慮だろう。ただ、それだけアダプタ本体が大きくなってしまっていることも事実だ。
それに比べると、ネオテックジャパンの製品は、端子などは見るからに安い部材を使っているし、大きさも切り詰めているので余裕は感じられない。その分、アダプタが邪魔になる場面が少ない。
オーム電機のアダプタは、両者の中間だ。部品も普通だし、デザインもごく普通だが、それだけ無理がない。ちょっと見ただけでは、E26を延長するアダプタかと思うぐらいありふれていて普通だ。
E17ダウンライトに取り付ける
さっそく、E17のダウンライト器具に、E17-E26アダプタと、E26のLED電球を取り付けて見た。
やはり、E26の電球は、E17の電球に比べてずっと大きいので、電球自体ははみ出してしまう。とくに、リュウドのアダプタを使うと、器具から飛び出した電球の部分が長い。
今回、E26の電球に、比較的サイズが小さめの「パナソニック LDA4N-H」や「パナソニックLDA4L/C」などを取り付けたのだが、それでもE17電球を取り付けた場合とは、違う景色になる。
ちなみに、リュウドとオーム電機の製品では、使用するLED電球の重さについて特に制限は記載されていない。しかし、E17ソケットの構造や大きさを考えると、ネオテックジャパン同様にアダプタとLED電球の組み合わせで100g程度に抑えるべきだろう。
ちなみに、E17-E26アダプタの重さは、ネオテックジャパンが17g、オーム電機が33g、リュウドが31gだった。リュウドのアダプタは大きいが軽量なのだ。
なお、今回使ったE17LED電球は45gしかない。それに対して、E26LED電球「パナソニック LEA4N-H」の重量は82gある。アダプタの重量を考えると、できるだけ軽量級のLED電球を選んだ方が無難だろう。
万能ではないが、まだ用途はある
E17-E26アダプタは、登場から約2年を経て、特殊な存在から一般的な商品に変化したと言えるだろう。ただ、この間にLED電球も大きく成長してきた。E17の製品についても、機種が増加し、明るさの制限も少なくなっている。アイリスオーヤマのように、E17でありながら人感センサー付きの製品も登場している。
あえて、E17用の器具に、1,000円弱もする高価なE17-E26アダプタを介してまで、E26の電球を取り付ける必要性は、2年前に比べるとずっと下がった。
これから、E17-E26アダプタを購入する際は、E17用電球とのコスト差や、電球取り付け後の外観なども考慮して比較すべきだろう。なんせ、製品の安定性や、外観を含む器具との相性を考えれば、E17の器具にはE17の電球がふさわしいのは当たり前のことなのだ。
しかし、手持ちの電球の活用や、明るさの追求など、光の広がりかたなど、このアダプタを使うべき場合も、まだ存在する。正直に言えば、アダプタとLED電球を組み合わせて、ああだこうだと遊ぶ楽しさもある。
E17-E26アダプタは、以前に比べて重要性は下がってきたが、まだ役に立つ場面は多い。先日レビューした、あかりセンサー付LED電球などいい例だろう。E17-E26アダプタは、オーム電機に続いて、通常パッケージの製品が登場することを期待したい。競争が進む中で、価格的にも、より買いやすいものになってほしいと思う。