家電製品ミニレビュー

なくしたモノが見つかる! 世界最小紛失防止タグ「MAMORIO RE」

小型かつ薄型の紛失防止タグ、MAMORIO RE

なくしてから後悔しないために

「紛失防止タグ」というのをご存じだろうか。多くはキーホルダーのような形をしているデバイスで、定期的にBluetoothで電波を発射する。それをスマートフォンで受信して、モノの在処をトラッキングするものだ。どこかに置き忘れると電波が受信できなくなるので、アラートを発し、最後に電波を拾った場所をマップ上で示してくれる。上手くいけばそこにあるわけだ。

筆者は3年ほど前から、「TrackR(トラッカール)」という紛失防止タグを使ってきた。機能としては問題なく動くのだが、いかんせん3カ月ぐらいしか電池が持たない。電池切れでアラートを発してくれるわけでもないので、気がついたら電池切れしていて肝心なときに役に立たないということが何度かあった。最終的にはTrackRに頼らず自分で気をつけるという状況になったが、自分で気をつけてもなくしてしまうのが、「モノをなくす」という現象なのである。

そんな中、純国産で紛失防止タグを開発している「MAMORIO(マモリオ)」から新製品が出た。こうした紛失防止タグはIoTベンチャーが立ち上げる例が多いが、MAMORIOは2012年にソーシャルで紛失を解決する「落し物ドットコム」の立ち上げで創業した、いわゆる「落とし物のプロ」である。

プロが考えた紛失防止タグとは、実際どういうものなのか。

前作より大幅に向上したコスパ

7月15日に発表された新モデルの「MAMORIO RE」は、従来型からさらに小型化を進め、5個セットで販売される。通常価格12,400円のところ、公式サイトでは数量限定デビューキャンペーンとして、7,980円で販売されている(記事掲載時点)。1個あたりおよそ1,600円という事になる。

従来のMAMORIOは、タグとしてヒモやリングが通せるように先端に穴が空いていたが、財布やカバンに入れる場合はこの穴部分が無駄である。そこでMAMORIO REはこの先端部分をなくし、よりコンパクトな形状にした。またユーザーが自分で電池交換ができるようになり、ランニングコストが大幅に下がったのもREの特徴だ。

表面にスイッチやロゴはなく、限りなく「なんだかわからない」ように仕上げている。それというのも、MAMORIO自体かなり知名度が上がってきたため、盗難に遭った際に犯人に捨てられてしまう可能性が高まってきたからだという。真っ黒で何も書いてないなら、数ある荷物の中からわざわざこれを捨てる可能性は低い。また複数個あれば、カバンの底に1つ、財布に1つ、名刺入れに1つと入れておける。全部が1つのカバンに入っていた場合、すべてのMAMORIO REが捨てられる可能性はさらに下がる。

MAMORIOの設定は、すべてスマートフォンから専用アプリで行なう。まずはBluetoothでペアリングし、タグに名前を付けておく。近くにある場合は電波が受信できるので、その強度によって近くにあるかどうかがわかる。電波の圏外に出たら通知が届くという仕組みだ。これにより、「そもそも持っていくのを忘れる」ことが防止できる。

専用アプリでMAMORIOを登録
電波強度でどれぐらい近くにあるかがわかる

家の中にあることは間違いないが、どこにあるか探せないというケースもある。TrackRはタグから音を出して探す事が可能だったが、MAMORIOはARを使って探す事ができる。スマホ片手に部屋の中を歩き回ると、探しているものに付いているMAMORIOの電波強度を示すマップができあがる。電波が強いと赤い丸が濃い色になるので、そのあたりにあるという事がわかる。

ARにより電波強度を視覚的に把握できる

屋外で紛失した場合はどうだろうか。この場合は、最後に電波を拾った場所がマップ上でわかるので、そのあたりを探す、という事ができる。またMAMORIOアプリをインストールしている人が通りかかって電波を受信すると、その場所を表示することもできる。

興味深いのは、電車内に置き忘れた場合だ。この場合、荷物はそのまま遠くへ運ばれてしまう。仮に鉄道会社の遺失物センターに届けられていたとしても、その路線が複数の鉄道会社に接続していた場合は、全鉄道会社の遺失物センターに問い合わせなければならなくなる。

そこでMAMORIOでは、全国約700路線の遺失物センターに、MAMORIOの電波が受信できるルーター「MAMORIO Spot」を設置。センターに届いた時点で電波を拾い、どこのセンターに届いたかをユーザーに知らせてくれる。またMAMORIOアプリをインストールしたスマホがセンターに届いた場合も、ユーザーにメールで知らせてくれる。

また今年のアップデートでは、新型コロナウィルス感染者に対する濃厚接触度測定レポート機能を法人ユーザー向けに提供した。社員全員にMAMORIOを配布しておくと、仮に感染者が出た場合に、その人と誰が濃厚接触の可能性があるかをレポートしてくれるという。これはMAMORIOのユーザー同士がすれ違った際にお互いを検知する「クラウドトラッキング」機能を利用したものだ。

「紛失防止タグ」は非常に競合製品が多く、決め手となるポイントを探すのはなかなか難しい。MAMORIOよりも低価格な商品も多いが、一番のポイントは鉄道会社とのコラボレーションで実現した「MAMORIO Spot」の設置率だろう。電車内でしょっちゅう忘れ物をするという人は、もはやMAMORIO一択ではなかろうか。

小寺 信良