家電製品ミニレビュー
コンパクトだから毎日精米! 小型精米機がわが家のご飯を変えた
2017年10月24日 07:00
新米の季節がやってきた。みずみずしく風味豊かな新米のおいしさは格別だが、さらにおいしく食べたいなら、ご飯を炊く都度、玄米を精米するのがいいという。玄米は精米した瞬間から酸化し始め、どんどん味や風味が落ちていってしまうからだ。
となると、自宅に一台、精米機を用意したいところだが、ネックとなるのがその置き場所。かくいう私自身、過去に精米機は何度か使ったことがあり、精米したてのご飯のおいしさを知っている。「こんなにおいしくなるなら、使わない手はない!」と思う半面、「キッチンのどこに置こう?」「毎回出し入れするのは面倒かも」という考えがよぎり、結局導入に至らなかった。
しかしついに、その問題を解決してくれる精米機を見つけてしまった。今回紹介する、エムケー精工の小型精米機「RICELON(ライスロン) SM-200」だ。
メーカー名 | エムケー精工 |
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製品名 | 小型精米機 ライスロン |
型番 | SM-200 |
価格(編集部調べ) | 9,800円 |
出しっぱなしにできるコンパクトさとデザイン
コンパクトだと分かっていたものの、実物は予想以上で驚いた。高さは32cmあり、決して小さくはないのだが、設置面積自体は幅13.5cm、奥行き17.5cmと省スペース。これならキッチンの片隅に置いておくことができる。
さらに見た目もスタイリッシュで、出しっぱなしにしても存在感を出しすぎない。つまり私の中で気になっていた、“設置場所”問題と、“出し入れが面倒”問題を同時に解決してくれているのだ。
ただしコンパクトなぶん、一度に精米できる量は0.5~2合と少なめ。3人家族のわが家は、たいてい一度に2合炊くため、ちょうどいいのだが、それ以上炊くお宅だと、1回の炊飯用に2~3回精米することになるので、注意が必要だ。
ではさっそく実際に使いながら、気になる性能と使いやすさをチェックしていこう。
ちなみに精米方式は「対流式」。玄米を回転させ、米同士がぶつかり合う摩擦や、精米バスケットにこすりつけられた摩擦で、ぬか層が取り除かれるというものだ。対流式の精米機は、価格が手ごろである半面、米が欠けたり、運転音が大きいなどの弱点もある。
一方、「圧力式」を採用している精米機もある。こちらは、米に圧力をかけ、玄米同士をこすりあわせてぬか層を取り除くため、米が割れにくいというメリットがあるものの、本体が大きめで価格も高くなりがちだ。
計量カップ不要! 米の量を自動で計って最適に精米
使い方は、精米容器に玄米を入れ、ぬか容器を取り付けた本体にセットするだけ、と超簡単。精米容器には目盛りがついているので、玄米を計りながら入れられるのは便利だ。ただし米用の計量カップのように、すりきりまで入れていいわけではないので、目盛りのラインを確認しながらいれる必要がある。
これが意外と難しい(笑)。ラインまで入れたつもりが、見る角度によっては足りなかったり、ラインを超えているように見えたり……となかなかピタッと定まらないのだ。
しかし心配ご無用! この精米機はマイコン制御を採用しており、米の量を自動で読み取ってくれるのだ。つまり中途半端な量でも最適に精米してくれるというので、安心してこのまま精米バスケットでフタを閉め、本体にセットした。
続いてコースをセットする。コースは、「分づき」13段階と「白米」5段階。さらに白米より白く精米してつやを出した「上白」、細かいぬかまで削って洗米と同じ効果を出した「米とぎ」、そして精米して日が経った古米の表面を研磨する「リフレッシュ」ときめ細かく用意されている。
まずは玄米2合を普通の白米に精米してみる。ダイヤルを「白米」にセットし、スタートボタンを押すと、まるでミキサーのように米が回転し始めた! 音もそれなりに大きいが、時間にして3分20秒の辛抱だ。
さて精米が終わり、自動で停止した。当たり前だが、最初は茶色かった玄米が、白い精米になっている(笑)。そしてぬか容器には、ぬかがたっぷり溜まっていた。
実に簡単に精米できた。あとはこのまま洗米して、炊飯器で炊くだけ! 米の量が少ない分、ぬかの量も少なく扱いやすい。この間の工程で、面倒に感じることはほとんどなかった。そして何より、精米したてのご飯のおいしいこと!
このおいしさを何と表現したらよいのか。表面はなめらかで舌触りがよく、水分たっぷりで粘りがある。一番違うのは風味かもしれない。あまりのおいしさに、つい食べ過ぎてしまうので、おいしすぎるのも善し悪しだ。
分づき米も精米したてなら食べやすい!
実は、私が精米機を欲しかったもう1つの理由が、「玄米をおいしく食べたい」というものだ。玄米には、精米にはない栄養がたっぷり詰まっており、健康のためには玄米を食べほうがいいとたびたび耳にしてきたからだ。
しかし玄米は、正直言って食べにくい。私自身は、体にいいと思えば「噛めば噛むほど味が出る」など自分に言い聞かせることもできるが、夫や息子などは「食べたくない」とはっきり言う。そこで玄米を分づきにしたら食べてくれるのではないか、と思ったのだ。
しかも、このライスロンなら13段階に精米できるので、最初は白米に近い状態から始め、少しずつ玄米に近づけていくこともできる。
そして炊き上がりはというと、玄米に比べると断然みずみずしくてやわらかかったため、夫も息子も抵抗なくペロッと食べた。「これくらいおいしいなら、玄米でもいい」という。おそらく精米したてで炊けたのもよかったのだろう。まずは7分づきあたりから慣れてもらい、徐々に5分、4分……と減らしていきたい。
続いて気になっていた、「米とぎ」コースを試してみた。白米よりもっと、上白米より徹底的に削り、ぬかをすっかり取り除くというものだ。そんなに削ってしまってはもったいないと思う半面、どれほど違いが出るのか興味深い。
結果、お米はさらに一段白くなり、表面はすべすべに! 見たところ、ぬかの部分が残っているものも少ないようだ。炊いた後の食感もなめらかで、口に入れた瞬間に甘さが感じられる。1粒の米が、精米によってここまで変わるという面白さを改めて体感した。
精米機のエントリーモデルとしておすすめ
以上、玄米をいろいろなレベルで精米してみたが、何しろ準備が簡単で、短時間で精米できるのは便利だった。さらにパーツも小さいため、洗ったり片づけたり、お手入れしやすいのもいい。
これが5合以上精米できるものだと、本体サイズはずっと大きくなるし、精米方式が圧力式のものは大きさと重さがあるため、こんなに手軽には使えない。もちろん大容量や圧力式には、それなりにニーズと長所があるわけだが、置き場所がないという人や、精米機が初めてという人には、まずは手軽に使えるこちらを試してみるのをおすすめしたい。
ちなみに、今回の精米で、大量のぬかが溜まってしまった。ぬかは、フローリングを拭くときに使うとワックス効果が得られるとか、食器を洗うといいとか、はたまた顔にパックするとお肌がしっとりするなど、様々な情報がある。せっかくなので、順次試してみたいと思う。