家電製品ミニレビュー

回転するタンクで、ハンドドリップの味を再現した4,000円のコーヒーメーカー

 自宅で美味しいコーヒーを飲みたいが、ハンドドリップは苦手だ。高機能なコーヒーメーカーも気になるが、まずは初心者向けのモデルから試してみたいと思い、アピックスの「ドリップマイスター」を使ってみた。

アピックス「ドリップマイスター」
メーカー名アピックスインターナショナル
製品名ドリップマイスター
型番ADM-200
実売価格4,251円

 ドリップマイスターの特徴は、給湯タンクが360度回転する点。タンクには直径0.9mmの3つの穴が空いており、ゆっくりと360度回転することで、コーヒー粉にムラなくお湯を注ぎ込め、ハンドドリップの動きを再現したという。なお、ヒーター機能は非搭載で、お湯はケトルなどであらかじめ沸かしておく必要がある。

 パーツは、給湯タンク、ドリッパー、ガラスサーバーで構成されており、これらを上から順にセットする。給湯タンクにお湯を注ぎ、コーヒー粉を入れたドリッパーを通して、下部のガラスサーバーにコーヒーが抽出されるという仕組みだ。タンク容量は280mlで、一度に2杯分のコーヒーを淹れられる。

 本体サイズは168×168×290mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約0.9kgと軽量コンパクト。ガラスサーバーに保温機能はないため、極めてシンプルな造りの製品と言えるだろう。価格も5,000円を切っており、初心者でも手を出しやすいモデルだ。

上部の給湯タンクにお湯を注ぎ、中央のドリッパーを通して、下部のガラスサーバーにコーヒーが抽出される
パーツはすべて取り外せる。ドリッパーやサーバーのほか、ACアダプター、計量スプーン、説明書などが付属
給湯タンクに3つの穴が空いており、タンク自体が360度回転し、ハンドドリップの動きを再現
ドリッパーも3つの穴を備える。ゆっくり抽出し、味わい深いコーヒーを楽しめるという

 さっそく使ってみよう。まずはドリッパーにペーパーフィルターをセットし、コーヒー粉を入れる。分量の目安は本体に記載されているのでわかりやすい。また、タンクやドリッパーなど、いずれのパーツも軽いので本体にセットしやすかった。

 電源を入れると、上部のタンクがゆっくりと動き出した。シンプルな造りなので本当に動くのかな……と少し心配していたが、問題なく360度に回転している。タンクが回った状態でまずは少量のお湯を注ぎ、コーヒー粉を蒸らす。タンクには目盛りが付いており、蒸らし時は一番下の目盛りに合わせる。

ペーパーフィルターをセットし、コーヒー粉を入れる
分量の目安が本体に記載されていてわかりやすい。一度に最大2杯(280ml)のコーヒーを淹れられる
給湯タンクに少量のお湯を注ぎ、コーヒー粉を20~30秒蒸らす。ヒーターは非搭載なので、お湯はあらかじめ用意しておく
少しずつコーヒーが抽出される
給湯タンクが360度回転する様子

 時間が経ったら、今度は一気にお湯を注ぐ。1杯分、2杯分それぞれ目盛りが付いていてわかりやすい。タンク、ドリッパーに備えられた穴はとても小さく、回転もゆっくりなので、ドバっと注いでも問題ない。ドリッパーを通じて、少しずつコーヒーが抽出される。

 まずは1杯分のコーヒーを淹れたが、掛かった時間は約3分。あっという間にできてしまった。蒸らすためにお湯を注いだ後、一度待つ必要はあるが、ハンドドリップのようにじっくり時間を掛ける必要がないので手軽だ。2杯分抽出したときも約4分と、簡単にドリップできた。

さらにお湯を注いでコーヒーを抽出。給湯タンクに目盛りがついているので、1杯分は真ん中、2杯分は上部まで一気にお湯を入れる
抽出中。上から給湯タンク→ドリッパー→サーバーの順にセットし、コーヒーが注がれる

 味も美味しく、すっきりとしながらもコクがある。雑味もなく、起きたばかりの朝や、摂取量が増える仕事中でも飲みやすいと感じた。反対に、カフェで提供されるようなどっしりとした深みのある味わいではないので、濃い味が好きな人からすると物足りないかもしれない。すっきり派にオススメだろう。

 同じコーヒー粉で何度か試したが、味は安定していた。シンプルな造りだがムラが出ず、いつでも好みの味を楽しめた。

 パーツはすべて外せ、本体以外は洗えるので手入れも簡単。コンパクトで木目調のアクセントも可愛い。キッチンやリビングに置きやすく、手頃なコーヒーメーカーを探している人にオススメしたい製品だ。

ガラスサーバーにも目盛りを備える。最後まで抽出しきると余分な雑味や苦味が入ってしまうので、必要な分が抽出されたら、ドリッパーを外す
すっきりとしながらもコクがあって美味しい。朝に飲みやすい
電源ボタンはサイドに。レトロで可愛い
フィルターを捨てたら、外したパーツは水洗い。清潔に使える

西村 夢音