家電製品ミニレビュー

挽き立てのコーヒーが毎朝愉しめる! 無印良品の「豆から挽けるコーヒーメーカー」

こだわりが詰まりまくりの入手困難なコーヒーメーカー

 今回紹介するのは、2月の発売以来、あまりの人気でずっと品薄の状態が続いている無印良品の「豆から挽けるコーヒーメーカー」だ。発売前の予約販売の段階で、予定数を売り切ってしまい、販売は予約待ち状態。今、予約販売を申し込んでも、製品を受け取るのは7月以降という人気ぶりだ。

無印良品「豆から挽けるコーヒーメーカー」
メーカー名無印良品
製品名豆から挽けるコーヒーメーカー
実売価格32,000円

 豆から挽ける全自動タイプのコーヒーメーカーというのは、ここ数年のトレンドでもあり、それほど目新しいものではない。それにも関わらず、無印良品の製品が、ここまで注目を集めて、品薄になるほど人気があるのには、この製品に無印良品ならではの真面目さや実直さが詰まっているからだ。実際、この製品には、イチから開発に携わったという無印良品担当者のこだわりが詰まっている。

 まず豆を挽くためのカッターとして「フラットカッターミル」を採用。粉を均一に挽くことができ、熱も発生しないので、香りを損なうこともないという。

 豆挽きサイズは5段階で調整でき、ドリップ工程にもこだわっている。抽出するお湯の温度は酸味と苦みの味のバランスが良い87℃とし、30秒間の蒸らし工程や、蒸らし工程により十分にふくらんだ粉をつぶさないように斜めにシャワードリップするなど、プロのハンドドリップを忠実に再現しているという。

 今回は、入手困難な製品を無印良品からお借りして、実際に家で使ってみた。

欲しいときに欲しい分だけ、挽き立てのコーヒーが飲める幸せ

 ステンレスデザインの本体は、豆から挽く、全自動タイプのコーヒーメーカーとしてはコンパクトな印象。本体サイズは、145×285×345mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は4,400g。

本体正面
本体側面
本体上部
操作パネル部

 基本的な操作はごくシンプルで、まずはペーパーフィルターをセットし、湯沸かしタンクに水を入れ、本体上部から豆を入れる。後は、豆の挽き目とカップ数を選択して、スタートボタンを押せば、OKだ。ちなみに、カップ数は最大3杯(450ml)まで。

ドリッパーにペーパーフィルターをセットする
湯沸かしタンクに水を入れる
カップ数は最大3杯(450ml)まで
豆は本体上部から投入する

 スタートボタンを押すと、豆を挽く音が鳴り響く。音はかなり大きく、自宅の犬が驚いて吠えたほど。挽いている時間は、カップ数や豆の挽き具合に応じても変化するが、だいたい2~3分くらいだ。その後は、部屋中にコーヒーの良い香りが広がる。

 わが家は毎日、コーヒーを飲んでいるが、この香りの強さはやはり挽き立てならでは。これだけでも、一般的なコーヒーメーカーとは違う、特別感を得られる。

 実際、できあがったコーヒーはコクがあって、まろやか。毎日コーヒーを2~3杯飲んでいる母も「これはおいしい! 全然違うね」と喜んでいた。一番の違いはやはり香り、挽き立てのコーヒーの香りを自宅で、手軽に楽しめるというのは贅沢だ。

 なお、抽出後のコーヒーは、20分間は保温され、その後、保温スイッチは自動で切れる。これは「20分以上保温したコーヒーは煮詰まってしまって、おいしくない」というこだわりから決めた仕様だという。

抽出後のコーヒーは、20分間は保温され、その後、保温スイッチは自動で切れる

 使っていて、気になったのは、水をセットする湯沸し容器を本体右側面から取り出すということ。ドリッパーは左側に開くので、本体の左右にスペースをあけないといけないので、設置場所を選ぶ。

水を入れる湯沸かし容器は本体右側面から取り出す
設置する時は、本体の左右にスペースを設ける必要がある

好みに応じて挽き具合を選べる

 「豆から挽けるコーヒーメーカー」は、豆の挽き具合を5段階から選べるのも魅力。豆との相性もあるが、私は5段階あるうち、2番目に細かいくらいが好みだった。母はすっきりとしたコーヒーが好きなので、粗めが気に入っていた。

 豆の挽き具合は一目でわかるアイコンで表示され、ダイヤルを回すだけで簡単に設定できる。

豆の挽き具合は5段階から選べる
同じ豆を使って、挽き具合を変えたもの。右から一番細かい、中間、一番粗く設定したもの。粗めに挽くと、仕上がりも薄めになった

 なお、本体付属の計量カップには「RICH」と「MILD」の2つの目盛りが用意されている。豆の種類や好みに応じて、選択できるが、個人的には豆の量が少ない「MILD」で量ると、コーヒーが薄く、物足りなく感じたので、常に「RICH」で計量していた。

付属の計量カップ。「RICH」と「MILD」の2つの目盛りが用意されている

タイマー搭載で、目覚めてすぐに挽き立てのコーヒーを愉しめる

 豆から挽けるコーヒーメーカーは他社製品でもあるが、この製品の珍しいのがタイマー機能を搭載しているということ。コーヒーの良い香りで目覚めるなんて贅沢! とさっそく使ってみたのだが、マンション住まいで、小さい子供のいるわが家にはちょっとフィットしなかった。

タイマー機能を搭載しており、時間は10分単位で設定可能。写真は朝7時にタイマーを設定したところ

 豆を挽くときの音が大きくて、子供が目を覚ましてしまうのだ。しかも室内犬がいるため、犬も吠える……。コーヒーの香りどころではなくなってしまった。

 本体を置く場所にもよるが、寝室とキッチンの場所が離れている人や大人だけで生活している人なら、タイマー機能もうまく使いこなせるだろう。ちなみに、豆から挽いた場合でも、コーヒーの抽出時間は最大(3杯抽出、挽き具合を最も細かくした場合)で7分強。目が覚めてからでも、すぐに楽しめる。

お手入れは付属のブラシで定期的に

 ガラス容器やドリッパーなど、使う度にお手入れする部品のほか、ミル固定部や、ドリップシャワー部なども定期的なメンテナンスが必要になる。ミルは本体から取り外して、中に詰まった粉を落とすほか、ドリップシャワー部も付属のお手入れブラシを使って、コーヒー粉を落とす。

付属のお手入れブラシ
ミルを取り出して、付着した粉を落とす。使用頻度にもよるが2週間ほどでも結構な量の粉が付着していた
ドリップシャワー部にもコーヒー粉が付いている
ミルを取り外した後の本体にも粉が付いているので、ここもブラシを使って掃除する

毎朝のコーヒータイムがワンランクアップ

 コーヒーの香りが部屋中に広がる中で、挽き立ての粉で淹れたコーヒーを楽しめるというのはやはり贅沢。この製品を使うようになってからは、豆の種類や豆の挽き具合など、これまで以上に、コーヒーに興味を持つようになった。

豆や挽き具合にもこだわるようになって、充実したコーヒータイムが過ごせる

 豆を挽く音がかなり大きいので、例えば来客時に使うのは、ちょっと気が引けるが、この製品は、ミルだけでも稼働するし、既に挽いた粉を使ってコーヒーを入れることもできる。シチュエーションに応じて、使い分けられるのも魅力だ。

 大人気の製品なので、すぐに入手できないのが残念だが、コーヒー好きな人にとっては予約待ちしても購入する価値はありそうだ。

阿部 夏子