家電製品ミニレビュー

この音色は初体験! 空間を満たすソニーのグラスサウンドスピーカー

 生活空間を心地よく演出するために、様々な工夫をしている人も多い。インテリア家具にこだわる人もいれば、好きな香りで空間を満たしたり、気分によって光を変えるという人もいるだろう。

 今回ご紹介するのは、そんな空間の心地よさを“音”で深めてくれる、ソニーのグラスサウンドスピーカー「LSPX-S1」だ。

ソニーのグラスサウンドスピーカー「LSPX-S1」
メーカー名ソニー
製品名グラスサウンドスピーカー「LSPX-S1」
実勢価格67,600円(Amazon)

 これは、「生活空間そのものを演出する」というコンセプトで展開される製品群「Life Space UX」の中の1製品。簡単にいうと、LEDライト付きのスピーカーだが、ただ音質の良い音楽が楽しめるというものではない。透明感ある音色が空間に広がり、リラックス空間を作ってくれるという、まさに空間演出に一役買ってくれるスピーカーだ。

スピーカーに見えない、インテリアになじむデザイン性

 一見すると、フィラメント風のLEDを備えたおしゃれなライト。スピーカーには全く見えないし、もちろん明かりもつく。揺らめくような温かみのある光で、これだけでもインテリア性は抜群だ。しかし実際は、この本体全体で、美しい音色を奏でるのだから、なんとも不思議な感じがする。

 このスピーカーに搭載されているのは、ソニー独自の「アドバンスド バーティカル ドライブ テクノロジー」で、振動板の端に配置された加振器が音の出る方向に垂直に加振し、音波を発生させるという。

フィラメント風のLEDを備えたおしゃれなデザイン
低域を再生する半透明エッジを採用したパッシブラジエーター
高域を再生するソニー独自の有機ガラス管型ツイーター
中域を再生する小型50mmウーファー

 初めて使うときは、付属のACアダプターで充電する必要がある。現在筆者が使っているパソコン用のACアダプターとほぼ同じACアダプターを使うのだが、存在感がありすぎて本体のデザインとはそぐわない。

付属のACアダプター
見覚えがあると思ったら、筆者が使っているVAIOのACアダプターとほぼ同じだった
コードは存在感がありすぎる
見えないように置き方を工夫するのがベター

 ちなみに2時間充電することで、ACアダプターなしでも4時間連続使用も可能なので、見た目が気になるときや、持ち運びたいときは十分充電しておくとよさそうだ。

 さっそく使ってみよう。ON/STANBYボタンを2秒以上押すと、LEDが点灯した。まるでろうそくのような温かみのある光だ。これで電源自体は入っているが、先ほどのボタンを短く押せば、LEDの消灯、点灯ができる。

ON/STANBYボタンを2秒以上押す
フィラメント風LEDが光った

 音楽は、Bluetooth機器と接続するか、AUDIO IN端子にポータブルオーディオ機器などを接続することで聞くことができるが、今回はスマートフォンと接続した。設定はとても簡単。裏面にある「ペアリング」ボタンを2秒以上押し、ペアリングモードに入った音が鳴れば、スマートフォンの設定画面から「LSPX-S1」を選択するだけ。あとは通常通り、スマートフォンで音楽を聴く操作をすれば、音色がグラスサウンドスピーカーから流れてくるというわけだ。

裏面のペアリングボタンを2秒以上押す
スマートフォンのBluetooth設定画面で、「LSPX-S1」が接続済みになったのを確認

 続いて音楽を聴いてみると、まるで響き渡るような透明感ある音色が流れ始めた。普通のスピーカーのように、「ここから音が出ている」という感じではなく、どこからともなく広がる音が空間を満たしているという感じだ。

 これは有機ガラス面全体に振動が伝わることで、円筒状の音源となり、360度全方向に音が広がるためだという。今までに聞いたことのないような音色が広がり、音のある空間に浸っているような感覚に陥る。

 ちなみにアプリケーション「SongPal」を使えば、音楽の再生や明るさの調整をはじめとした基本操作がスマートフォンから可能になる。操作部は本体裏面にもあるが、毎回本体をひっくり返して操作するのは現実的ではないし、スマートフォンを使えばより細かな設定ができるので便利だ。

「SongPal」でボリュームコントロールからイルミネーションの輝度調整、スリープタイマーの設定、音質の調整ができる
LEDの輝度調整も直感的に行なえる

 この透明感のある音色は、好きな音楽を聴きたいときはもちろん、リラックスしたいとき、来客時にぴったりだ。特に寝室でクラシックなどを聴いていると、気づいたら眠ってしまう心地よさ。こんなときはスリープタイマーが活躍する。

 最初は価格が高く感じたが、家にいる間中使うようになると、インテリア性も手伝って、決して高くないように思えてくる。リビングで、寝室で、好きな音楽に浸る空間づくりに一役買ってくれること間違いなしだ。

リビングでくつろぐひとときに
心地よい音色が眠りも誘う

田中 真紀子