家電製品ミニレビュー

妻にも好評! 東芝のコードレス掃除機は吸引力バツグンの実力派だった

 東芝ライフスタイルから発売された、コードレスタイプのスティッククリーナー「TORNEO V cordless(トルネオ ヴイ コードレス) VC-CL1300」を使ってみた。

TORNEO V cordless (トルネオ ヴイ コードレス) 「VC-CL1300」
正面
横から見たところ
メーカー名東芝ライフスタイル
製品名TORNEO V cordless「VC-CL1300」
価格55,800円

 今年は様々なスティッククリーナーを家に持ち帰って使ってみたが、今回の「VC-CL1300」は、妻に好評だったのが特徴。彼女の評価ポイントは、吸引力だった。「これまでで一番、ちゃんとゴミを吸い取ってくれている感じがする」とのこと。

メインのクリーナーヘッド「床ブラシ」
電源を入れるとブラシが回転。床から離れると自動で停止する
ブラシは比較的に柔らかい感触

 我が家の床は、フローリングもしくは畳。メインの生活スペースとして使っている部屋が畳ということもあり、よほど寒い日でない限りは裸足で過ごしている。必然、床のゴミには敏感だ。

 この2カ月間ほど畳の部屋をメインに使ってみた。子どもの食べこぼしや、外から入ってきた砂などを、ササッと掃除するのに重宝している。掃除をすれば、確実に足の裏に細かいゴミがくっつくような感覚もなくなるので、キレイに吸い取ってくれている様子だ。

 運転モードは、ゴミの量に併せて吸引力を調整してくれる「自動モード」を主に使った。

ダストカップからゴミを出してみたところ
長い髪の毛から、大きさが様々な砂まできちんと取れている

 畳の掃除は、見た目だけではキレイになったかどうか分かりづらい。そこで、普段は自転車を置くために玄関に敷いているマットを掃除してみた。薄いが毛羽立っていて、ゴミが貼り付いている状態。

 結果、1カ所を1回往復させるだけで、細かいゴミまでどんどん吸い取ってくれた。トルネオの集じん方式には、微細なゴミや花粉などを99%以上分離し、吸引力を99%持続させる「バーティカルトルネードシステム」が採用されている。各社が力を入れているコードレスサイクロン式クリーナーの中でも、なかなかの実力派と言えるのではないだろうか。

ビフォアー
アフター
ビフォアー
アフター

取り回しが軽快で、家具の下の隙間も奥まで入る

 本体は軽く、重さが気になることはない。従来モデルより重心バランスが見直されており、取り回しは軽快。ヘッドを左右に振るのも、頑張らなくて良いので、家具を細かくよけながら掃除するのもラク。ハンドル部が広く、掃除する場所によって持ち方が変えられるのも便利だ。

握れるエリアが広いので、掃除する場所によってラクな持ち方に変えられる
ヘッドの向きも自在に変えられる

 ハンドル部をほぼ床に付けた状態でも、掃除ができるのもポイント。床から約8cmの高さしかない家具の下の隙間にも、ズズゥ〜っとクリーナーヘッドを入れていける。奥行約48cmの家具をくぐりぬけて、コツンと向こう側にある壁に当たる音がした。

高さ約8cmで奥行約48cmの隙間もくぐり抜けて掃除できる
隙間の掃除では、ゴミがあるのか視認できない。だが、内蔵ゴミセンサーで、キレイになったかどうかが一目瞭然

エアブローやふとん用ブラシなど多彩な付属品

 できれば全ての掃除を1つのクリーナーヘッドで済ませたいが、年末の大掃除の時などには付属品が活躍するだろう。「VC-CL1300」には、床ブラシ/ふとん用ブラシ/丸ブラシ/隙間ノズル/ホース、そしてエアブローノズルが同梱されている。

床ブラシ/ふとん用ブラシ/丸ブラシ/隙間ノズル、そしてエアブローノズルが同梱
ふとん用ブラシを装着したところ
ふとんの上を転がりやすいようになっている
すき間ノズルを着けたところ
付属のホースを間に入れれば、エアコンなどの高所の掃除がラクになる

 VC-CL1300の大きな特徴の1つが「エアブローノズル」を新搭載した点。空気を吸い込みつつ、空気を吐き出すことで、ゴミを吹き飛ばして掃除できる。

 玄関掃除や窓のサッシの掃除に便利。使ってみると、窓サッシは複雑な形状をしているため、意外とゴミを吹き飛ばすのが難しかった。ただ、靴をキチンと片付けた後の玄関掃除には有効。数秒で、玄関のホコリが外に出せる。もちろん、風が宅内に吹き込まないよう、他の窓は閉めておいてから行なうのが良いだろう。

エアブローノズルは、吸込口の下にドッキングさせる
エアブローノズルを装着したところ
なんかカッコいい
空気を吹き出すブロアーとして使える。玄関掃除などに便利

 なお、付属品を収納するための袋などは付属していない。別途に収納ボックスを用意して、入れておくのがよいだろう。

これで自立してくれれば……

 バッテリーの駆動時間は強モードで約8分、自動モードで最大20分。3DKの我が家では、隅々まで完璧に掃除しようとすると途中で切れてしまうこともあった。だが、2部屋だけなど、ちょこちょこと掃除するのには問題ない。

 多くの点で不満を感じなかったが、筆者はスティッククリーナーには自立してほしいと思っている。自立してくれれば、掃除中に気になった物が落ちている時に、すぐに掃除機から手を離して対処できるからだ。それができないVC-CL1300には、代わりにクリーナーヘッドの方向をサクサクと変えられるなどのメリットがあるのも分かる。だがやはり……。

 では壁に立て掛けるのはどうか? 実は、立て掛けるのにも慎重さが求められる。壁との接点となる部分に、ゴム状のストッパーのようなものがないので、雑に立て掛けるともれなく倒れてしまう。また、不用意に立て掛けておくと、子どもが触って倒してしまうので、妻からの非難がゴォゴォである。

立て掛けた時に壁との接点となる、ハンドル部の裏側がツルンとしている。そのため壁に立て掛けるには、やや慎重に行なう必要がある

 まぁでも、我が家に導入する際には、壁との接点となる部分に自作ストッパーを付ければいいだろうなとは思う。両面テープとゴムのシートがあれば簡単だろう。

ほとんどのメーカーにも言えるゴミ処理問題

 サイクロン掃除機全般に言えることだが、VC-CL1300も、ゴミの処理の問題を解決してくれている、とは言えない。

 ダストカップを外すこと自体は簡単。スイッチを押せば、パカっと本体から取り外せる。外したダストカップ部は、大きく2つに別れる。この時点で、ゴミのほとんどがゴミ箱に落ちる。

 とはいえ、必ず長い髪の毛が巻きついているので、引き剥がすのが大変だ。この過程でも、細かいホコリが舞い散ってしまう。

 繰り返すが、これはサイクロンクリーナー全般に言えることで、今回のモデルが特段ひどいわけではない。

ゴミが溜まったダストカップ
カップを取り外すには、カップの上部に配置されているスイッチを押す
左右からしっかりと押すと、カチッっとカップが外れる
ダストカップを外したところ
ゴミを捨てるだけの時は、「ゴミすて」ボタンを押す。大きく2つに分かれ、ゴミが捨てられる
2つにパカっと分かれる時点で、ほとんどのゴミが捨てられるが、髪の毛などが巻き付いて離れないことが多い(汚かったので、写真はゴミ処理後)

 ダストカップ全体が水洗い可能なのは嬉しい。メンテナンス時には、5つのパーツに分離できる。この全てが水洗い可能なのだ。

メンテナンス時には、ダストカップのパーツは5つに分離できる。この全パーツが水洗い可能だ

【結論】よくゴミを吸い取り、使いやすいクリーナー

 自立しない点とゴミ処理の問題と、不満点はあるものの、吸引力や扱いやすさなどの掃除機能については満足。3DKの我が家の環境であれば、もう少し駆動時間が長いと嬉しいが、買い替え候補の上位に入るモデルと言える。

吸引力や扱いやすさなどが高ポイント

河原塚 英信