家電製品ミニレビュー

シャープの交換バッテリー付きコードレスクリーナーで、家中をくまなく掃除できた

 シャープのコードレススティック掃除機「パワーサイクロン FREED EC-SX520」を試してみた。

パワーサイクロン FREED EC-SX520

 ヘッドの吸い込み口のある裏側に、モーター駆動の車輪を搭載したスティック掃除機。ハンドルに手を添えるだけでヘッドが前進し、軽やかに掃除できるという。また、バッテリーを2つ同梱しているのも特徴だ。

正面
後ろ
メーカー名シャープ
製品名パワーサイクロン FREED EC-SX520
価格63,800円(Amazon)

グイグイと前に進んでいくパワフルなヘッド

 電源を入れてさっそくフローリング&畳の上を掃除していくと、スイスイというよりもグイグイとヘッドが前進していった。メーカーの説明にあった通り、手を添えていれば前進していく。ゴミの取りこぼしは少なかったが、グイグイ系の人や物が苦手な筆者は、「おいおい、なにをそんなに急いでるんだ……ちょっと待てよ」という感じになり、少しとまどった。

 ヘッドを裏返して見ると、回転ブラシの他に自走ローラーが装備されている。特にブラシ部分は、高速で強力な回転だ。

ヘッドの裏側。回転ブラシと自走ローラー(車輪)「e-DRIVE」が見える
e-DRIVEというモーター駆動の車輪を搭載。掃除中は手を添えるだけで前進していく

 仕組みを理解してから、また掃除に戻る。興奮したペットの犬のように先走りする掃除機を、「まぁ待ちなさい。ここをもう少しじっくりと掃除しようじゃないか」と心の中でつぶやきつつ、前進しないように腕の力を加えて、じわじわと前進するように調整する。そうすれば、回転するブラシが、畳の目の中のゴミまで強力に掻き出してくれるはず。

ヘッドが自在に動かせるのに、しっかりと自立する

 スティック掃除機は自立するものが好き。掃除機をかけている時に、邪魔な物があれば、掃除機から手を離して、物をどかせたりするからだ。「FREED EC-SX520」も、自立する。しかも手をぞんざいに離しても、しっかりと立っててくれる。

簡単なコツをつかめば、けっこう無造作に手を離しても自立する

 安定して自立するスティック掃除機は、ヘッドの動きが少なかったり、動かなかったりするモデルが多い印象。だが、掃除している時の「FREED EC-SX520」のヘッドは左右にクネクネと自在に動かせ、壁際やテーブルの脚の周辺なども掃除しやすかった。

 さらに電源をONにしたまま自立させると、吸い込み(電源)が一時停止される。改めて掃除機を握り直して掃除を再開しようとすると、自動でサイクロンが回り始めてくれた。これはバッテリーを出来るだけ節約したいコードレス掃除機には嬉しい機能だった。

手首を軽くひねるだけで、ヘッドが思い通りの方向に向いてくれる
左右への可動範囲が広く、クネクネと動かせる
それでいて、安定して自立してくれる

 自走ヘッドは、前述の通り、自在に動かせるので大変満足した。ちゃぶ台の下にもストレスなくヘッドを入れて掃除できる。

 ただし、タンスやベッドの下などの隙間を掃除するのは苦手だった。これはヘッドが大きいためなので、仕方がないのだが、正直な感想としては、もう少し奥まで入って欲しいなぁというところ。もちろん、同梱されている隙間ノズルに付け替えれば、奥まで掃除できる。横着しないで付け替えましょう、という話だ。

ちゃぶ台の下にもスイスイ入れられるし、脚の周辺などもヘッドを動かして素早く掃除できる
タンスの下を掃除しようとすると、すぐに行き止まる。もうちょっと奥まで掃除したいなぁ

ゴミやホコリを、しっかりと吸い取っていました

 当機にはゴミセンサーが搭載されている。ゴミを検知すると手元のランプが光るというもの。これが、シビアな判定で、なかなかランプが消えない設定になっている。そんなこともあり、吸引力に若干の不安を感じるようになった。

 それでも、ダストカップを外して中のゴミを出してみると、しっかりとゴミが取れていることが分かった。砂利のような重そうなゴミから、畳のカスやそれ以上に微細なホコリまで取れている。さらに、これまで使ったスティック掃除機よりも多く、髪の抜け毛が捕集されている印象だ。

バサッとゴミを出したところ。ホコリはもちろんだが、これまで使った他モデルと比較して、髪の毛が多く取れている印象だった
砂利などの重そうなゴミから、畳のカスなど微細なゴミまで取れていた。これとは別に、さらに微細なホコリも取れていた

 ちなみに、ダストカップを本体から外すのは簡単で、ワンボタンでパカッと本体から外れる。さらに「ゴミ捨て」ボタンを押せば2つに分かれて、ほとんどのゴミが捨てられる。

 ダストカップについては、今回のモデルからプラズマクラスターイオンが搭載された。これによって、容器内にゴミが貼り付いて、ゴミ捨てに手こずるということはなかった。

本体から外した、集塵容量約0.2Lのダストカップ
ダストカップを分解する手順が細かく記載されていて分かりやすい
ダストカップにはプラズマクラスターイオンが搭載され、ゴミが容器内側に貼りつかないという。確かに貼り付いていなかった

交換バッテリーがあるのは、とても心強い

 交換バッテリーが、最初から同梱されている点は、筆者にとっては大きな魅力。なぜなら、「今日はしっかりと掃除機を掛けるぞ!」と気合が入った時に、バッテリーの心配をせずに掃除できるからだ。そういう時には、キャニスター型を使えば良い、という家庭には不要かもしれないが、スティック掃除機をメインマシンに設定しようと目論んでいる当家では、バッテリー問題は重要。

本体の手元に内蔵されているバッテリーは、簡単に着脱できる
バッテリーは専用の充電器で行なう

 バッテリーを本体から外して充電しておく、というのも我が家には合っている。スティック掃除機を置いておきたい場所に、コンセントが配置されていないからだ。

 バッテリーを2つ同梱しただけでなく、バッテリーを節約しようという、掃除の仕方にも好感が持てた。まず、前述したように、自立させると電源が一時停止される点。さらに、ゴミの有り無しを検知して、吸引力を制御する点。

 こうした工夫も合わせて、2つのバッテリーを使えば、それほどバッテリーを節約しようとしなくても、20分以上は駆動させられた。20-30分もあれば、我が家のような狭小住宅を掃除するのには充分だ。しっかりと隅々まで掃除できる。

連続運転時間は、標準モードが約30分、自動モードが約20分、強モードが約8分
手元にあるバッテリー残量を示すLED

様々なバリエーションノズルを同梱している

 本体には「ベンリブラシ」が付いている。これが棚の上やエアコンのフィルターを掃除する時などに本当に便利。この「べんりブラシ」、説明書を読むと、外すことができるという。外したブラシは、パイプや延長ホースに着けられるのだ。

本体に直接装着したベンリブラシ
使わない時には、閉じておく。もちろん着けたまま、他のアタッチメントを装着可能
床以外のちょっとしたところを掃除するのに便利

 さらに自走ヘッドのほか、付属品は豊富。「延長ホース」や「2段伸縮すき間ノズル」、さらに「コンパクトふとん掃除ヘッド」が同梱されている。

様々なアタッチメントが付属

 特に「コンパクトふとん掃除ヘッド」は、ふとんだけでなく、ソファーについてなかなか吸い取れなそうな、ペットの抜け毛にも対応している。ヘッド部分に、切り替え可能な2つの吸い取り口が用意されているのだ。

コンパクトふとん掃除ヘッド。「ふとん・カーテン」と「ペットの抜け毛(ソファーカバー)」と、吸い取り口が2つ用意され、切り替えできる
ふとんやカーテン用にしたところ。ベロアのような生地が付いていて、ホコリなどを付着させやすくなっている
ペットの抜け毛(ソファーカバー)用に切り替えたところ。固めのゴムが付いていて、短い抜け毛もしっかりとキャッチ

メイン掃除機として使いたい家庭に向く

 やはりバッテリーが2つ同梱されているのは大きな魅力。一軒家や広〜いマンションは別だが、バッテリーを2つ使えば、バッテリー残量を意識せずに隅々まで掃除できる。いよいよ充電式のコードレススティック掃除機を、メイン掃除機として導入する家庭が増えてくるのではないかと、思わせるモデルだった。

河原塚 英信