家電製品ミニレビュー

オシャレなのにパワフル! 日常使いしたくなるコードレスクリーナーを見つけた

リビングにも映えるプラマイゼロの「A020」

 コードレスクリーナー最大のメリットといえば、思い立ったとき、さっと手を伸ばして使えること。なので、リビングなど使いやすい場所に置いておくのが理想だが、いかにも生活感があったり、インテリアにそぐわないデザインだと、つい隠してしまいたくなる。すると結局取りに行くのがおっくうになり、せっかくのメリットが活かせない。

 今回紹介するプラマイゼロのコードレスクリーナー「Ver.2 A020」は、まさに出しておきたくなるコードレス。2014年発売の「Y010」は、ドイツの「iFデザインアワード2015」で最高位の金賞を受賞しており、デザインについては折り紙付きだ。

メーカー名プラマイゼロ
製品名コードレスクリーナー Ver.2 A020
実売価格23,760円(Amazon価格)

スタイリッシュなデザインにふさわしいシンプル構造

 まず見た目からして、一般的なコードレスのような“メカメカしさ”が一切ない。ダストボックスやモーターが内蔵されたハンディーユニットは、シンプルながら丸みを帯びた柔らかい形をしている。カラーは艶やかなクリアブラウンで、ブラウン系のわが家のインテリアにもマッチした。

美しい立ち姿! クリアブラウンは多くの家のインテリアになじみやすそう
自立はしないが付属のスタンドに立てて置いておける

 基本構造はごくシンプルで、ハンディーユニットにロングノズルとフロアノズルを装着すれば床掃除に、ロングノズルを外せばハンディとして使える。またフロアノズルを隙間ノズルに付け替えて使うこともできる。

掃除で使うのはこれらのパーツ
フロアノズルには回転ブラシが付いていない
ロングノズルを取り付けたところ
ハンディにしたところ

 シンプルな構造もさることながら、驚いたのはその軽さだ。ロングノズルとフロアノズルを装着しても約1.3kgという重量は、最軽量クラスなのでは? というほどに軽い。

 パワーは3段階。パワーコントロールボタンを押すたびに、「標準」「強」「ハイパワー」と強くなり、もう一度押すと停止できる。途中で停止したいときは、長押しすればOKだ。「標準」は青、「強」は赤、「ハイパワー」は桃色、とランプの色が変わる。

手元にある1つのボタンを数回押すだけ
ハンドルは2通りの握り方ができる
握る場所でノズルの角度や手首への負担が変わってくる

上品な見た目とは裏腹の吸引力にビックリ!

 ごくシンプルな構造で、本体もかなり軽い。となると本気の掃除機ではなく、あくまでデザイン重視のデザイン家電という位置づけなのだろう。それはそれでいいと思うが、あまりに吸わないのも困るな……などと勝手な想像をしつつ、さっそくフローリングを掃除してみた。

 ハンドルを握り、親指でスイッチオン。前後に動かしてみたが、あまりに軽く動くので、吸っている手応えがない。床に落ちているゴミは、取れたり取れなかったり、取りこぼしも結構多い。

 と、自分がボタンを1度しか押していないことに気がついた。ということは、「標準」つまり3段階のうち、もっとも弱いモードで運転していたことになる。そこで一気に2回ボタンを押し、「ハイパワー」にした。

 するとビックリ! 大きな音とともに、勢いよくゴミを吸い始めたのだ。ダイニングの下に落ちていたカリカリのお米粒(笑)からパンくず、髪の毛、ホコリなど、何から何まで一気に吸い込んでいってくれる。これは、ちょっとしたコード式のキャニスター掃除機に、負けぬとも劣らぬ勢いだ。

ダストボックスを開けて、どれだけゴミが取れたかチェック
ぎゃー! と思わず悲鳴をあげてしまうほどに溜まっていた
フィルターのお手入れは必須。水洗いもできる

 吸引力が高まると、ちょっと床に貼り付く感覚も感じられる。あまりぴったり貼り付くと、動かしづらくなってしまうが、“そこそこ”貼り付くと、どうやら安定感が増すようで、「標準」より押しやすく感じられた。

 気になったのは、操作性だ。右方向に進めようと、ハンドルをぐっと曲げるのだが、ロングノズルだけがくるっと回り、ヘッドの角度は思うように変わらない。右に、左に、といった動きはスムーズではない気がした。

ハンドルをロングノズルに合わせてまっすぐ持った状態
ハンドルをぐっと右に曲げたが、ヘッドの角度は思ったほど変わらない

毛足の短いカーペットは◯、長いのは△

 リビングや廊下など、フローリングをあちこち「強」で掃除して、その性能に満足したところで、今度は息子の部屋を掃除してみることにした。こうやって気軽に部屋から部屋へ移動できるのも、コードレスの良さだ。

 ちなみに息子の部屋は、カーペット敷きになっているが、カーペットもいけるのだろうか。心配だったが「ハイパワー」にしたところ、多少の抵抗感はあったものの、細かいゴミまでぐんぐん吸ってくれる。そういえば、最後に掃除機かけたのは、いつだったか……。一通り吸い終わったら、心なしかカーペットがワントーン明るくなった気がした。

 ただしラグのような毛足の長いカーペット上では、そもそもヘッドが動かない。相性としては、フローリングや畳が◎、毛足の短いカーペットが◯、毛足の長いラグは×といったところだろう。

カーペットは少し抵抗はあるが、吸引力をバッチリ発揮
狭いベッドの下も結構奥まで入り込めた
毛足の長いラグの上では、すこぶる動きが悪かった

充電6時間で、約70分も連続運転できる!

 コードレスクリーナーの良さは、手軽にちょこちょこ掃除ができる点。このA020も、ロングノズルを外してハンディとして使用したり、隙間ノズルに交換することで、使用シーンが格段に広がる。ここでも光るのが、本体の軽さだ。高い場所なども、片手を添えれば、あまり負担を感じることなく掃除することができた。

ハンディとして使うと、軽さのありがたみがいっそう増す
高い場所を掃除するときも、ラクに持ち上げられた

 充電は、バッテリーパックに直接、電源コードを差して行なう。スタンドがそのまま充電台、というわけではないので、スタンドに立てたまま充電すると、コードが気になって、どうも見た目が麗しくない。

 しかし、実はこのバッテリーパックは外すことができるため、別の場所で充電だけできることが分かり、充電は目立たない場所で行なうということで解決!

バッテリーパックはハンドル側にあり、取り外せる
立てたまま充電すると美しくない
バッテリーパックを外し、別の場所で充電

 ちなみにフル充電には、約6時間と結構かかるが、「標準」で約70分も連続運転できるのはスゴい。なお「ハイパワー」なら約20分、「強」なら約30分。これでも十分な長さだが、もっと長時間使いたいという人は、別売りのバッテリーパックを用意し、事前に充電しておくといいだろう。

吸引力も価格も大満足! デザインが気に入ったら検討すべし

 A020をリビングに置いて数週間、家具や観葉植物のように、すっかりインテリアの一部になった。わざわざではなく、通りすがりに手が伸ばせるため、朝仕事に行く前に「ハイパワー」で5分、帰ってきて(音が気になるので)「強」で10分、とちょこちょこ掃除が習慣化した。吸引力が高いので、短時間でも効率的に掃除できるのもいいようだ。

 最近は、高機能で高価格なコードレスクリーナーも増えている。それらはもちろん素晴らしい機能を持っているが、このA020には、手軽に取り入れたくなる良さがあった。一番は価格が安いこと。高機能掃除機が8万円、9万円と高価格化する一方、こちらは2万円ちょっとだ。

 さらにはリビングに置いておけるデザインだからインテリアにこだわる人に、負担にならない軽さだから高齢者にも使いやすい。いずれにしても、見た目以上の吸引力を発揮してくれるので、迷っている人にはぜひおススメしたい1台だ。

田中 真紀子