家電レビュー
ダイソンのストレート“ドライヤー”が画期的。アイロン手放せない人におすすめ!
2024年10月10日 08:05
うねりや癖のある髪をまっすぐに美しく仕上げるには、ストレートアイロンが欠かせません。特に近年はストレートヘアが定番になっているため、ストレートアイロンを持っている人も多いでしょう。
ただし髪は熱に弱いので、高温プレートを髪に押し付けるヘアアイロンを使えば、当然髪は傷みます。きれいなストレートになるのと引き換えに、日に日に髪がパサついてしまうのです。もちろんメーカーも髪が傷みにくいヘアアイロンの開発に勤しんでいますが、現状、ストレート効果の高さとダメージ低減の両立は難しいのだなという印象です。
そんななかダイソンから登場したのが、200℃近い高温プレートではなく、100℃前後の温風でストレートヘアを実現する「Dyson Airstraitストレイトナー」。髪をいかに傷めないかを研究し続けるダイソンが行き着いたのは、ストレートアイロンではなくストレート“ドライヤー”でした。
熱ダメージについて考え続けたダイソンの一つの答えが具現化
そもそもダイソンは一貫して、熱によるヘアダメージについて研究し続けてきました。一世を風靡した「Dyson Supersonicヘアドライヤー」シリーズも、過加熱によるダメージを抑えるため風温を下げ、その代わりに大風量の風で速乾を実現。さらに風温が必要以上に高くならないよう、温度制御も行なっています。
続いてカールアイロンによるダメージを懸念し、開発したのが、風の力でカールを作る「Dyson Airwrapマルチスタイラー」。カーラーを髪に近づけると自然と髪が巻きつき、温風でカールを作ることができます。
意外だったのが、ストレートアイロン「Dyson Corrale」の発売でした。ダイソンのポリシーから考えて、ヘアアイロンを出すとは思いませんでしたが、やはり熱ダメージを半減する独自のプレートを搭載するなど、髪への影響を抑える工夫をしています。そんな経緯があっての「Dyson Airstraitストレイトナー」の誕生ですから、ダイソンの一貫した「髪を絶対傷めさせない」という強い信念を感じます。
Dyson Airstraitストレイトナーは、見た目はヘアアイロンに似ており、2本のプレート(本製品の場合はアームと呼ばれる)で髪を挟んで使う点も同じです。大きく異なるのが、これがドライヤーであるということ。アームで挟んで髪を整えながら、サイドから出る100℃前後の温風で髪を乾かすことができるのです。もちろんプレートは熱くならないので、200℃近いヘアアイロンに比べるとヘアダメージはかなり抑えられます。
ポイントは、濡れた髪を乾かしながらスタイリングするということ。濡れた髪は髪の内部の水素結合が切れており、形がしっかり決まっていない状態ですが、乾いてくると結合し、形が固定されてきます。この乾く工程でストレートに整えていけば、きれいないストレートで固定されるというわけです。
ドライとスタイリングが同時にできてツヤツヤに!
さっそく使ってみましたが、何しろ新ジャンルの製品なので、最初は戸惑うことも多くありました。まずACアダプターがとても大きい! しかも漏電遮断機がついており、毎回使用前に、漏電していないかチェックする必要があります。これは、濡れた髪に直接触れて使うために必要だそう。
操作ボタンは手元のサイド部分に搭載されています。Dyson Airstraitストレイトナーは、濡れた髪だけでなく、乾いた髪にも使えるので、電源を入れたらモードボタンでウェットかドライを選択。さらに風量を2段階、風温をウェットなら80℃/100℃/115℃、ドライは90℃/105℃/ブーストから選びます。
ちなみにDyson Airstraitストレイトナーは、ドライヤーのように髪を乾かすこともでき、そのときはアームは閉じて使います。操作ボタンの反対側にロックボタンがあるので、ロックしておけばアームは閉じたままになります。
使い方を理解したところで、濡れた髪を乾かしてみました。まずは髪の根本を乾かすため、アームを閉じて使います。モードはウェット、風量は高、風温は115℃を選択し、頭頂部を中心に地肌をざっと乾かしました。
続いて、設定はそのままにアームを開き、髪全体を乾かします。アームの間に髪を少量挟み、閉じたままゆっくりと毛先に向かって滑らせていきますが、ふだんストレートアイロンを使っている人なら、簡単に使いこなせそう。アームが髪をしっかりつかみつつも滑りがよいので、髪に負担がかかっている感じはありません。
この要領で、サイドから後ろ側まで乾かしていくわけですが、その場でストレートに仕上がっていくのはなんとも気持ちがいい。もちろん一度で乾くわけもなく、何度も使うことになりますが、キューティクルが整ったなめらかな手触りが実感でき、それなりに達成感があります。
一方で後頭部は手探りになるのと、腕を高くあげないといけないので、本体の大きさと重量感が響きました。ドライヤーで乾かすのとは違い、スタイリングも同時にやっていることになるため、ドライ時間も通常の1.5倍ぐらいかかります。
しかし髪がすべて乾いたとき、こっくりとしたツヤのあるストレートヘアが完成し、すべてが報われた気がしました(笑)。
夜使えば就寝中のダメージも抑えられる
ちなみに本製品のコンセプトは、夜のうちに髪を整えておけば、寝ている間の摩擦が防げ、翌朝のスタイリングが楽になるというもの。確かに筆者も寝ている間の摩擦はとても気になっていました。髪が細くて柔らかいため、寝ている間に絡まりやすいうえ、やはり毛先が傷みやすいのです。
ヘアダメージをどれほど抑えられるかは、長い目で見る必要がありますが、実際にどれほどスタイリングがラクになるか、確認してみました。まずは夜に、いつものドライヤーで乾かした翌朝の髪の状態から。うねったり膨らんだりしていて、整えるのが少し面倒です。
続いて、夜のうちにDyson Airstraitストレイトナーで整えてから就寝し、翌朝チェックしてみたところ、確かにだいぶうねりが抑えられていました。この状態から、ドライモードでサッとスタイリングしただけで、ストレートアイロンをしたかのようにきれいなストレートが完成。
筆者はいつも、朝にストレートアイロンでうねりを整えていたので、ヘアアイロンなしでこの仕上がりになるのは、ありがたいことです。
プロが使うとさらに驚きの仕上がりに
実は先日美容院に行った際、担当の美容師さんがDyson Airstraitストレイトナーの話をしていました。なんでも家電量販店で少し試したそうで、「これはすごくよさそうだ」と感じたとのこと。やはりヘアアイロンを使わずストレートにできるなら、そのほうがよいと考えているようです。そこで今回、本製品を持ち込んで、髪を乾かしてもらいました。
まずは根元の乾燥から。美容室で使用しているドライヤーに比べると、やはり風量は弱めですが、根元だけなので短時間で乾かすことができました。「意外と低温だなという印象。これならヘアダメージも抑えられますね」と成田さん。
5分ほど根元を中心に乾かした後、全体のドライへ。挟んだ部分からどんどん乾き、キューティクルが整ってツヤも出てくるので、成田さんも「なるほどなるほど」と感心している様子です。毛先までしっかり乾かせるのもいいそうで、「ドライヤーで乾かしても、毛先だけ湿っているという人が意外と多く、これもダメージの一因になっているんですよね」と成田さん。
そして仕上がりを確認すると、やはりプロの美容師さん。筆者が自分でやったのとは全然異なり、美しい仕上がりです。ブローもせずヘアアイロンもなしで、ここまで整えられるのは、Dyson Airstraitストレイトナーがすごいのか、成田さんの腕なのか(笑)。ちなみに、「毛先を少しカールできたら……」とチャレンジしてみましたが、残念ながらできませんでした。
この仕上がりに成田さんは、「実際に使ってみたら、やはりよかったですね。ドライ時間は少し長くなるけれど、毎日ストレートアイロンを使っている人がこれに変えたら、だいぶダメージが抑えられると思う。大きくて重いのがネックですが、髪をできるだけ傷めたくない人は、こちらをつかった方がいいと思います」と評価していました。
髪への優しさは確か。あとは使い続けられるか
筆者自身、1カ月ほど使い、たびたび写真に撮ってみましたが、とにかく美しい仕上がりになるので、うっとりしてしまいます(笑)。できることなら毎日使いたいですが、やはりドライ時間が長くなるのがネック。あくまで筆者の場合ですが、通常6~7分で乾かせるところ、本製品を使うと12分ほどかかります。
その分セット時間が短縮できるので、単純に2倍とはいいませんが、本体の重量感もあり、よいものでも使い続けられるかが心配でした。そこで、最初は手持ちの速乾ドライヤーで5割程度乾かしてから、Dyson Airstraitストレイトナーを使ってみたところ、3分ほど時間を短縮することができました。
ヘアアイロンを使わずに、これだけきれいに仕上がると、長い目で見てヘアダメージに違いが出てくることは間違いなさそうなので、なんとか上手に使いこなしたいものです。