家電レビュー

パナ最上位シェーバーは使い勝手が大幅進化! ついにUSB-C充電も

パナソニックが9月1日に発売した「ラムダッシュPRO ES-L690U」直販価格は68,310円

年々進化する家電の一つである電動シェーバー。刃の性能や枚数などのスペックが高くなるだけでなく、パナソニックの新しいラムダッシュ最上位モデルはAIで“使いやすさ”を改善したとのこと。毎日使うシェーバーだからこそ、どれだけ面倒なく快適に使えるかは重要。さっそく使用感をお伝えします。

新しい6枚刃のメリットとは?

パナソニックが9月1日に発売した電動シェーバー「ラムダッシュPRO ES-L690U」は、ラムダッシュPRO 6枚刃シリーズの最新フラッグシップモデル。1995年に3枚刃モデルとして登場したラムダッシュシリーズは、2007年に4枚刃、2011年に5枚刃、2021年に6枚刃と進化を続けてきました。

今回のモデルは6枚刃モデルとして初めて「新・極薄深剃り刃」を採用した新6枚刃システムを採用したほか、ヒゲ剃りの状況を色でお知らせしてくれる「ラムダッシュAIナビ」を新たに搭載しました。剃り心地や使い勝手がどう進化したのでしょうか。

ハードウェアの面でアップグレードされたのが「新6枚刃システム」です。2021年に登場した6枚刃システムは外側からフィニッシュ刃、アゴ下トリマー刃、くせヒゲリフト刃を2枚ずつ並べる構成になっていましたが、新6枚刃システムでは外側から新・極薄深剃り刃、アゴ下トリマー刃、新・極薄深剃り刃を2枚ずつ並べる構成に変わりました。これがどんなメリットにつながるかをまず説明します。

新6枚刃システムの外刃。上から新・極薄深剃り刃、アゴ下トリマー刃、新・極薄深剃り刃、新・極薄深剃り刃、アゴ下トリマー刃、新・極薄深剃り刃と並びます

アゴ下トリマー刃は、取り込みにくいアゴ下の長いくせヒゲなどを起こしてカットする役割を果たします。新・極薄深剃り刃は厚さ60μmの厚刃部分と厚さ41μmの薄刃部分があり、厚刃部分で肌をガードしながら薄刃部分で深剃りする仕組みになっています。この役割分担は従来の6枚刃システムと同様ですが、大きく異なっているのが刃穴の配列勾配です。

刃穴の一つひとつは六角形の形状になっているのですが、刃穴の配列勾配を従来よりも大きく傾けたことで、よりヒゲが入りやすい刃穴の配列になったとのことです。刃穴を大きくしすぎると、刃穴の形が歪んでカット性能が悪くなったり、外刃の強度が落ちたりするのですが、そうならないように数百回の解析シミュレーションを重ねてこの形に仕上がったそうです。ヒゲが穴に入りやすくなる結果として、手で往復するストローク数をより少なくでき、時短にもつながるといえます。

新・極薄深剃り刃は配列勾配をより大きくしたことでヒゲが入りやすくなったとのことです

ラムダッシュAI+の働きを「光」で可視化できるように

新ラムダッシュPRO 6枚刃の剃り味を紹介する前に、もう一つの進化ポイントである「ラムダッシュAIナビ」を紹介しましょう。

ラムダッシュシリーズは、2019年から毎秒200回の頻度でヒゲの濃さを検知してパワーを自動制御する「ラムダッシュAI」を搭載しています。これはヒゲの濃い場所はフルパワーで剃り、薄い場所はパワーを落とすことで、深剃りと肌への優しさを両立させるというものです。2023年には毎秒233回まで検知精度を向上した「ラムダッシュAI+」に進化しました。

このラムダッシュAI+、実際に体験してみるとヒゲが濃い場所に比べて、薄い場所や一度しっかり剃った場所ではモーター音がわずかに小さくなるのが分かります。毎分約1万4000往復するリニアモーターの動作音は回転式に比べると大きいものの、その音の違いはわずかな差しかなく、朝の忙しい時間にニュースなどを聞きながらヒゲ剃りをしていたら気付かないレベルです。

つまり機能としては十分に働いていたものの、ユーザーがその機能を実感することはほとんどなかったのではないかと思います。

性能向上は、実感できてこそユーザーに伝わるのであって、実感できない性能向上はなかなかユーザーの満足度向上にもつながらない……というのがこれまでのラムダッシュAI+の足りないところだったのかもしれません。

そこで登場したのが新機能のラムダッシュAIナビです。ラムダッシュAIナビは、ヒゲが「濃い」とラムダッシュAI+が判断したら「BOOST」モード、「薄い」と判断したら「SOFT」モードに切り替えているのをLEDでリアルタイムに表示するのと、本体前面の「ナビモニター」にシェービング結果を表示することで、ラムダッシュAI+の性能を可視化するというものです。

ヒゲの濃さに応じて動作モードを自動で変更し、その様子がラムダッシュAIナビでわかるように
ラムダッシュAIナビのシェービング状況を光でお知らせする「ナビLED」
本体前面の「ナビモニター」で状況が分かります

掃除機の「クリーンセンサー」のように、“剃り残しなし”を実感できた!

では、新ラムダッシュPRO 6枚刃の剃り味はどうなのか。ラムダッシュAIナビによって、ラムダッシュAI+の性能をどのように実感できるのか、実際に剃ってみることにしましょう。

丸2日ほど剃らずにおいて、シェービングを行ないました

電源をオンにしてゆっくりと剃り進めていくと、チリチリチリという音でヒゲをとらえて剃り上げながら、モーター音がパワーアップするのが分かります。

ヒゲが濃いと判断するとモーター音が大きくなり、ナビLEDが赤く光ります

もちろん、剃っている間に自分の目から直接ナビLEDは見えません。しかし鏡を前にして剃っていれば、鏡に映ったLEDの光でシェービング状況を確認できます。

鏡にはナビLEDの光が映るので、シェービング状況をしっかりと確認できます

ラムダッシュAIナビを体験してみると、使い勝手は同じパナソニックのスティック掃除機が搭載している「クリーンセンサー」に似ていると感じました。

筆者の場合、通常のシェービングは肌がたるまないように伸ばしながらゆっくりとシェーバーを動かしていきます。剃り残しがないかどうか指で確認し、剃り残しがあったらその箇所を再度シェービングするという流れです。

しかしラムダッシュAIナビの場合、じっくりと一通りシェービングした後、ナビLEDが赤く光る箇所がないかどうかを再度チェックし、光らなければ終了、といった使い方ができます。掃除機に例えるとクリーンセンサーが赤く光った場所だけ、重点的に掃除機がけするような使い方です。

剃り残しがなくなるとナビLEDが青く光り続けるので、きれいに剃り上げられたことが目視で確認できます。これは思った以上に快適なシェービング感覚でした。

シェービングが終了すると、本体前面のナビモニターにシェービング結果としてシェービング時間と、BOOSTが何%、SOFTが何%だったかが表示されます。

シェービング結果が表示されたナビモニターの画面

シェービング後にその結果を確認できるナビモニターを搭載しているのは最上位モデルのES-L690Uのみですが、色で状態を示すナビLEDは他の「ES-L670U」「ES-L650U」「ES-L650D」の3モデルにも搭載されています。ナビモニターが不要であれば、下位モデルを選ぶのもおすすめです。

USB-C充電対応でより使いやすく

ES-L690Uのそのほかの特徴も簡単に紹介しましょう。

ES-L690Uには洗浄から加熱乾燥、除菌、充電まで行なう全自動洗浄充電器が付属しています。洗浄液は抗菌剤配合専用洗浄剤を水で溶かす仕組みを採用しています。水で溶かす手間はかかるものの、洗浄液を収納するスペースがかなりコンパクトになることと、プラスチックごみがほとんど出ないのが魅力です。

付属の全自動洗浄充電器
専用洗浄剤はかなりコンパクトで収納スペースを取りません

旅行や出張時の携帯に便利な収納ケースが付属しており、一般的なUSB Type-Cケーブルで充電できるのも魅力です。

収納ケースが付属しています
USBケーブルで充電できるので、出張先などで充電がなくなっても安心です

新6枚刃システムと新搭載のラムダッシュAIナビは、男性にとって面倒なシェービング時間をより快適に過ごせることを実感できました。決して安い買い物ではありませんが、日常的に使うからこそ、より深剃りができて肌に優しいシェーバーが欲しい人にはおすすめのモデルです。

安蔵 靖志