家電レビュー

出会い頭の“ヒヤリ”防ぐキングジムのライト、会社のドアにつけてみた

「扉につけるお知らせライト」

気持ちが急いでいるときに、会社内のドアをバッ! と勢いよく開けて歩を進めたら、ドアの向こう側に人がいて、お互いにヒヤッとなることがある。特に築年数の古い建物には、そうなる扉が多いように感じる。

そうしたドアに取り付けておいて、人が近づいていくと、ドアの反対側のライトが点滅して注意を促すアイテムが、キングジムから最近発売された。同種のライトは他にも以前からあったようだが、この製品の発表時のニュース記事で想像以上に大きな反響があったことから、実際にどんな使い勝手なのか、編集部の入っているビルの中で試してみた。

試したのは、「扉につけるお知らせライト」の無線タイプ「TAL25」と、有線タイプ「TAL15」。実売価格は順に21,890円、9,900円。

「扉につけるお知らせライト」の無線タイプ「TAL25」(写真上)と、有線タイプ「TAL15」(写真下)

「扉につけるお知らせライト」は、無線タイプも有線タイプも、ペアになっている。いずれも人感センサーとライトを搭載し、ドアの片側に設置された方が人の接近を感知すると、もう片方のライトが点滅する仕組みだ。

無線……というとペアリングなどの設定が面倒に思うかもしれないが、同機の場合は、あらかじめペアリングされているため、電池をセットして電源をオンにすれば、誰でもすぐに使い始められる。

さっそく使ってみようと、乾電池をセットする。無線タイプは、単三形乾電池が12本、有線タイプは8本が必要になる。ずいぶんと多いなと感じたが、これで約2年使えるそう(1日あたり30回センサーが感知時)。約2年に1度と考えれば、コスト負担としては妥当だろう。

乾電池をセットしたら、電源をONにして、センサー感知時の挙動を設定する。無線タイプの場合には、「点滅」と「ブザー」の有無を設定できる(有線タイプの場合は「点滅」の有無だけが切り替えられる)。

無線タイプには、単三形乾電池を12本セットする
点滅とブザーの有無を設定できる
本体前面の下部に配置されている人感センサー
人感センサーの感知範囲(画像は取り扱い説明書より)

無線タイプを社内で試してみた。無線通信の最大距離は約10m。本体背面にはマグネットが搭載されているため、スチール製のドアにバチッと貼り付けるだけで設置は完了する。

必ずしもドアをはさんで裏表に設置する必要はないが、取り扱い説明書によれば「床から1.2m程度の高さに設置」することが推奨されている。また通信感度に影響を与えそうな、スチール製のドアに設置する必要があるため、離して設置する場合には確実に反応するかテストを繰り返した方が良いだろう。

2機をドアの裏表に、床から1.2m程度の高さに設置する
スチール製のドアに、マグネットで設置する

編集部が入居しているビルの場合は、全てのドアに細長い窓があるため、当初は不要なのでは? とも思った。だが試してみると、窓から相手が視認できるよりも一瞬速くライトが点滅することが分かった。

立ち位置によっては、ライトの点滅開始と小窓から人影が見える瞬間がほぼ同時。だがライトが点滅することで、「あっ! ドアを開けようとしている人がいる」と、より早く気が付きやすく安心だ。

実際に試してみた様子

ちなみに編集部では「同居している高齢者の見守りに使えそう」や「ドアの向こうにペットがいるのに気が付かずに、ドアをバッと開けてしまうのを防げそう」という声もあった。

だが同機の想定している取り付け場所は、スチール製の扉のみ。木製のドアが多い一般的な住宅やマンションには、取り付けるのにひと手間が必要になるし、推奨されていない。

次に有線タイプも試してみた。無線タイプと比べてひと回りサイズが小さい。また無線タイプと異なり、ブザーは搭載されていない。

有線タイプ

有線タイプは、2つに分かれた本体を平面コードで繋げている。コードをドアの隙間に通すように設置するため、ドアの形状によっては取り付けられない。

編集部のドアにもいちおう設置してみたが、細長い小窓があるため、正しい位置に設置できなかった。あたりまえのことだが、無線タイプと比べて、設置する際の制約が多いと感じた。

取り付けられないドアの例
有線タイプを設置した様子

今回は、編集部のあるビルの非常階段のドアに設置した。ここはパソコンや資料などを抱えている人が多く出入りするため、特に急いでいるときなどは扉を開けると出会い頭に「あっ!」となることも多い場所。前述の通りドアに小窓がついていても、ヒヤッとすることはたびたびある。

気軽に取り付けられる「扉につけるお知らせライト」は、そうしたヒヤリハット(事故になりそうな危ない状態)を減らせる、最適なアイテムの1つといえる。

河原塚 英信