家電レビュー

パナソニック「ほっとリフレ」は座りっぱなし仕事の強い味方

パナソニックの脚マッサージ機「ねるまえほっとリフレ」を試しました

ライターとして仕事をしていると、「座りっぱなし」と「立ちっぱなし」な時間が長く続きます。私の場合は特に製品レポートやインタビューの原稿を書く時に長考することが多いので、気が付けばよく夕方以降に足がむくんでいたりします。

ある日、脚の疲れが取れにくくなったことを同年代の男性の友人に相談したところ、パナソニックの「エアーマッサージャー ねるまえほっとリフレ EW-RA150」(以下、ねるまえほっとリフレ)という製品を熱烈に勧めてもらいました。今回パナソニックに実機を借りて試す機会をいただいたので、マッサージや足先を温める機能も搭載する「ねるまえほっとリフレ」の効果について、私の手応えをレポートします。

全自動の脚部専用マッサージ機

「ねるまえほっとリフレ」はパナソニックが2022年11月に発売した、脚部専用のマッサージ機です。価格はオープンですが、パナソニックのオンラインストアでは税込42,600円(2024年7月時点)で販売されています。

本体をひざ下までの脚に装着して、ベッドに横になったり、リラックスした姿勢で使います。ふくらはぎの周囲を包み込むエアーバッグが収縮しながら筋肉のこりをもみほぐすという仕組み。足首から先を包むカバーにはヒーターも内蔵しています。

20分間かけてゆっくりマッサージする「おやすみ前」と、10分間の「クイック」コースがあり、このほか足先を温めたり、足の甲に足裏、かかとを中心にマッサージする「ストレッチ」コースも選べます。仕事中は革靴を履いて過ごす時間が長い方にはストレッチコースもおすすめです。

「ねるまえほっとリフレ」の理想的な使用イメージ

専用リモコンによる操作は、マッサージを始める前にコースを選択する時ぐらいで、あとの動作は全自動。スマホアプリやBluetoothによる通信機能など、面倒な外部機器連携はありません。

本体にバッテリーを積んでいないため、電源は壁コンセントにケーブルをつないで給電します。

本体にAC電源ケーブルを接続して使います
途中でマッサージを止めたい時のため、本体に停止ボタンが搭載されています

翌日には足の疲れがスッキリ解消

今回、私は「ねるまえほっとリフレ」を自宅で2週間ほど試しました。

エアーバッグタイプのマッサージ器具を使う機会が初めてだったので、ふくらはぎの周囲がぎゅっと締まる感覚に慣れるために2〜3日が必要でした。1週間経った頃から前日の脚の疲れが残らない実感も湧いてきて、リラックスしながら使えるようになりました。

「ねるまえほっとリフレ」による最適なマッサージ効果を得るためとして、パナソニックは「1日・最大20分まで」の使用を推奨しています。「おやすみ前」コースを選んでマッサージを始めると、20分に到達したところで本体の電源が自動でオフになります。もうワンセット追加することもできますが、試してみた結果、私もおすすめはしません。使い過ぎは禁物です。

代わりに10分間の「クイック」コースを1日に2回行なうのもアリだと思います。私はマッサージの効果が少し遅れて現れるタイプのようなので、「おやすみ前」コースでじっくりともみほぐして、翌日に脚をすっきりとさせる使い方のほうが自分に合っていると感じました。

靴下をはくような感覚で足先をインナーカバーに入れて使います。足先を温めるヒーター機能も搭載しています
両脚のふくらはぎまで入れて本体を装着。エアーバッグが膨らむことで脚全体をマッサージします

本機を試用中のある日、2時間半オールスタンディングの音楽ライブに出かけ、年がいもなく暴れてしまいました。その夜に「ねるまえほっとリフレ」を使ったところ、翌朝には脚の疲労感が驚くほど軽減されていたことに感動しました。

使用するタイミング的には夜のお風呂上がりの直後、就寝する1時間以上前ぐらいが私のベストでした。就寝する直前に使ってしまうと、因果関係を示すことはできないのですが、就寝中にお手洗いに行きたくなって目が覚めることがあったからです。

マッサージの強さは5段階から選べる

リモコンでマッサージの「強さ」を全5段階から選べます。レベル調整は脚の奥側と手前側で、例えば「足首は弱め、ふくらはぎを強め」といった具合に、その日の疲れた箇所に合わせて個別に設定できました。マッサージの途中でレベルを変更することも可能です。

付属のリモコンからコースを選択。足の奥側・手前側の強さをそれぞれ5段階のレベルから調整できます

マッサージの強さについては疲れ具合に合わせて、毎回あるいはマッサージ中に変更しながら調整する使い方がいいと思いました。

私は、脚部の張りやむくみが強い日は「レベル1」からスタートして、もみほぐれる様子を見ながら徐々にレベルを上げる使い方が自分に合っていました。「レベル3」ぐらいが最も心地よく、それ以上は強すぎるように感じましたが、筋肉の付き方等で人それぞれに感触は異なると思います。

また夏場はショートパンツをはいた状態で、素足に「ねるまえほっとリフレ」を装着して使いたくなりますが、私はふくらはぎを隠せる長めのルームウェアやスポーツウェアをはいて使うことをおすすめします。エアーバッグが膨らむときに皮膚が引っ張られる感覚があるからです。使用時につっぱり感がある方はもみほぐしのレベルを弱くしたり、ウェアの生地の厚みで調整するとよいと思います。

ヒーターは最高40℃の「高」と、最高37℃の「低」の2段階から選べます。私の場合、夏場は長時間エアコンをつけて自宅にこもることも増えるので、寝る前に少しヒーターで足先を温めると、ぐっすりと眠れる手応えがありました。

またマッサージをしないでヒーター機能だけを使うこともできます。なお、ヒーターが温めてくれるのは基本的に足先だけで、ふくらはぎやかかとは温かくなりません。脚全体の疲れを温めて癒やしたい場合は湯船に浸かるほうがよさそうです。

足先を温めてくれるヒーターを内蔵。ヒーターは1回の使用で最大60分間稼働します

片付けは面倒? かかる電気代は?

本体サイズは約70×54cm×6cm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約1.85kg。本体は軽く二つ折りにたためるので、さほど収納スペースを多く取らないサイズだと思います。

軽く二つ折りにして収納できる本体

本体は水洗いができないので、よく絞った水拭き用の布で拭くほかありません。ただし、足先のインナーカバーは外して丸洗いができます。合成繊維製の生地なので汚れは比較的落としやすいと思います。

両脚のインナーカバーのポケットは取り外し可能。洗って清潔に保てます

パナソニックが公開しているQ&Aの情報から、大事なお役立ち情報を2点ピックアップします。

1つ目は電気代の目安。「ねるまえほっとリフレ」によるマッサージを1日20分と、温感ヒーターを1日60分毎日使った場合、1カ月に約15円の電気代がかかります。マッサージのみ1日20分を毎日使った場合は約4円。家計の大きな負担にはならないと言えそうです。

2つ目は日本国外での使用について。これから海外赴任を控えている方が本機を海外に持ち出したり、または海外に暮らす友人や会社の同僚などに本機をプレゼントして、海外で使ってもらうことはできるのでしょうか。「ねるまえほっとリフレ」はAC100V対応の日本専用の家電製品なので、残念ながら海外での使用には対応していません。

海外に滞在する時にも「ねるまえほっとリフレ」を持っていきたくなりますが、電源が日本専用の仕様になっています

ちなみに中国と台湾では、パナソニックが「エアーマッサージャー レッグリフレ EW-RA190」という、足先から太ももまで対応する脚部専用マッサージ機を販売しています(2024年7月現在)。

シンプルな使い勝手に満足。追加してほしい機能もあった

今回試用してみて、私は概ね大満足でしたが、一緒に試した家族と談義しながら「2つの機能を追加してほしい」という結論にも至りました。

ひとつは20分間のマッサージ中に、今どの辺りまで進行しているのかを知りたくなりました。正確な時間表示は不要なので、終了する目安をランプの点灯などで知らせてくれると、次の寝る前の支度に移りやすくなる気がします。

もうひとつはマッサージの強さレベルの設定に関するところで、左右の脚ごとに強さを変えられる機能がほしいです。私の場合、本機の試用中に足のむくみが片足だけつらい時があったり、片方の足首を痛めている時期があったからです。

「ねるまえほっとリフレ」にはトップアスリートの中にも信頼を寄せるユーザーがいます。気軽に使える脚部のマッサージ機として、またはより積極的に身体のパフォーマンス維持やメンテナンスを図りたい方の期待にも応えてくれると思います。

一方で、パナソニックは医師からマッサージを受けることを禁じられている方など、同社のエアーマッサージャー製品を使うべきではない方がいることについてもホームページや製品カタログなどで「購入前の注意点」として呼びかけています。本機を購入、または店頭等で試す前に使用条件の詳細を確認してみてください。

山本 敦