家電レビュー

シロカの扇風機が気持ち良すぎる! 静かで大満足

DC 音声操作サーキュレーター扇風機 シロカのポチタマ扇 SF-V191

今年の夏は暑すぎて、ほとんど常時、エアコンを稼働させている。今月分の電気代の請求が少し怖い。

ということで、筆者宅の扇風機をもう1台、増やすことにした。どうせなら実用性がありつつ面白い扇風機を使ってみようと思い、声で操作できる「DC 音声操作サーキュレーター扇風機 シロカのポチタマ扇 SF-V191(以下:ポチタマ扇)」を選んだ(実売価格は18,000円前後)。

声で操作……というのは正直どうかなぁと思いつつ、DCモーターの静かさと真上まで向けられるヘッドの角度には、たいへん満足している。

DCモーター採用で、とっても静かで快適

これまでは、少し特殊な形状のオシャレな扇風機だけを使っていた。今回のポチタマ扇を使い始めて改めて感じたのは「DCモーターって静かだな」ということ。

風量を8段階で調節できるが、風量「3」か「4」までは、近くに置いておいてもほとんど音が聞こえない。さすがに風量を「8」にすると「ふぁ〜〜」というような音が聞こえるが、それも甲高い音が鳴るわけではないので、さして気にならない。就寝時にベッド脇で使っても、静音性が高くてとても快適だ。

前ガードを外したところ。羽根は5枚
本体のベースにある操作部。風量は8段階で調節可能

上下での首振り角度が広い点もうれしい。上下の首振り角度がこんなに重要だったなんて、初めて実感した。

まず就寝時には直接風に当たりたくないので、ヘッドが上を向くようにしたうえで、左右の首振り設定をオンにしている。すると天井や壁を伝って緩やかな風が体に届くため、直接の風よりもだいぶ気持ちがいい。

また洗濯物を室内干しするのにも、吊るした洗濯物を狙って、ヘッドを上に向けて使うと、すぐに服が乾く。

静かなDCモーターと、快適で室内干しにも使える利便性の高さを実感しただけで、「え……なんでこれまでDCモーターの扇風機に買い替えなかったんだろう」とすら思った。

ヘッドを一番下にしたところ
ヘッドを一番上にしたところ

ヘッドの向きを「ここだ!」という位置でピタッと止められる

ただし、ここまでの話は、ポチタマ扇でなくても類似モデルは多いだろう。

ポチタマ扇ならではなのは、付属リモコンの操作で行なえる「ここピタ」機能だ。ならではと言いつつ、シロカの他モデルでも搭載されているこの機能で、ヘッドの左右の向きを「ここだ!」という位置にピタッと簡単に変えられる。

ヘッドの左右の向きを「ここだ!」という位置にピタッと簡単に変えられる「ここピタ」機能

食事の時などに「もうちょっとだけヘッドの向きを変えたいな」といった場面がないだろうか? 筆者はある。そんな時に、付属リモコンの「ここピタ」ボタンの「左」か「右」を押す。すると「ピッ」と鳴ってから、指定した方向にヘッドが動き出す。ボタンを押し続けて、「ここだ!」という方向を向いたら、ボタンを離す。すると瞬時に「ピタッ!」と止まる。

実際に使う前には、ボタンを離してからヘッドの動きが止まるまでにタイムラグがあるだろうと推測していたが、驚くほど瞬時に素早く止まる。だから「ここ!」という向きに、簡単に設定できる。

リモコン使わず声での操作も。スマートスピーカーとはちょっと違う感覚

ポチタマ扇の、ならでは機能としては音声操作がある。この音声操作については、コマンドとなる文言を覚え込めば、かなり便利に使えるはずだ。

まず音声操作を始めるには、スマートスピーカーのように「ポチ、きいて」または「タマ、おねがい」と話しかける……いわゆるウェイクワードだ。ポチタマ扇から「どうしたの?」などと聞こえてきたら、「あつい」と言えば電源がオンになり送風が始まる。同様にウェイクワードを言ってから、「おつかれさま」と言えば電源がオフになり、「つよくして」と言えば風量が上がる。

色々と話しかけて音声操作してみた

ただし、1カ月ほど使用した筆者だが、音声コマンドが覚えられなかった。というのも、期待感が高すぎたのだと思う。

既に、GoogleのスマートスピーカーやiPhoneのSiriなどに慣れてしまっているため、ポチタマ扇の音声操作はキッチリとしすぎていると感じてしまうのだ。

例えば「タマ」には「おねがい」と続けなければ反応せず、「タマ、きいて」と言っても応えてくれない。同様に風量を最大にしたい時には「ふうりょうさいだい」でなくてはならず「風量をマックスにして!」と言っても、スンッとしている。

ということで「タマでもポチでもいいから、風を送ってくれ!」と思いながら本体に近づき、電源ボタンをポチッと手で押す……ということがほとんどだった。

ただし繰り返しになるが、コマンドを正確に覚えさえすれば、とても便利だと思う。音声操作で「ふうりょうさいだい」にできた時には、「ポチ、ありがとう」という気持ちになる。

このポチタマ扇は「最初から人が多くのコマンドを覚えるのが必要」というよりは「自分に合った機能のコマンドだけ覚えれば、すぐそれを呼び出せる」のがメリットといえる。その点では、スマートスピーカーなどの音声操作を使い慣れていない人も、毎回リモコンを手に取らずに済む便利さは得られそうだ。

ポチタマ扇のコマンド集

扇風機としてもサーキュレーターとしても優秀

今回はDCモーターの静かさを久しぶりに味わえた。ヘッドを真上にも向かせられて、届く風の質を変えられるのも良いし、部屋干し時にとても便利なのも実感できた。

また、エアコンと併用することで、エアコンの設定温度を下げられるのもいい。エアコンの設定温度を28℃にしておき、暑いと思ったらポチタマ扇で空気を循環させればちょうど良くなることが多いのだ。

本当に、もっと早く扇風機を買い替えれば良かったなと思った。もし扇風機を持っていないのであれば「シロカのポチタマ扇」などのDCモーター扇風機を手に入れておくことをおすすめする。今年も残暑が厳しくなりそうなので、まだ遅くないだろう。

河原塚 英信