家電レビュー
ステーキとピザが同時に焼ける? コールマンの卓上グリルで肉を焼いてみた!
2023年11月2日 09:05
キャンプ飯といえば、バーベキューや焼肉といった焼き物料理が定番。卓上グリルがあれば、テーブルを囲んで座ったまま調理をしながら食事を楽しめます。コンパクトで持ち運びしやすいものも多く、アウトドアで大活躍してくれるギアです。
ひと口に卓上グリルといっても、種類はさまざま。中でもユニークで便利だと思ったのが、コールマンが8月に発売した「クールスパイダープロテーブルトップ」です。
本品は上部にグリル、下部に簡易オーブンを備えた小型の炭火バーベキューコンロ。グリルでお肉や野菜を調理しながら、同時にオーブンでピザやトーストを焼けるので、キャンプ飯の幅が広がります。直販価格は15,180円。
省スペースでグリル・オーブンを同時に使える!
「クールスパイダープロテーブルトップ」は、焼き面の大きさが約33×22cm(幅×奥行き)で、1~3人での使用に適しています。
一見、普通の卓上バーベキューコンロのようですが、コンパクトなボディの中には簡易オーブン機能も備わっています。炭を置くロストルの上部がグリル、下部がオーブンの2層構造になっており、バーベキューをしながら同時にピザやトーストなどを焼ける優れモノ。炭の熱を活用することで、ロストルの下部を簡易オーブンとして利用できる仕組みです。
そこで、グリル・オーブンを同時に使えるギアの実力はいかなるものか、さっそく試してみることに。
まず、グリルでステーキ肉(オージービーフ)、オーブンでは市販のピザ(チルドタイプ)を同時に調理しました。オーブンには食材をのせられる引き出し式の専用トレーが付いていて、出し入れが簡単です。
なお、本品の構造上、オーブンの熱源が庫内上部になるので、念のためピザをセットする前にグリル部の焼き網で裏面を軽くあぶって少し焦げ目をつけました。
ピザをオーブンにセットしたら、しばらくほったらかし調理ができるため、グリルに専念できるのも便利。
グリルでは、スパイスをたっぷりまぶしたお肉を中火から強火の火加減でじっくり焼き上げました。ステーキができあがった頃にはオーブン内のピザもそこそこ火が通った感じに見えました。
ウェルダン好みの筆者はお肉の両面をしっかり焼きましたが、焦がすこともなく、なかなかの出来栄えでした。
一方のピザは、15~20分ほどで生地表面はパリッと仕上がったものの、具材がのった部分はチーズが少し溶けた程度で、思ったほど加熱されなかった印象です。加熱時間を長くして様子を見たところ、30分以上経っても生地に焦げ目がついたり、チーズ全体がトロッと溶けたりといったことはありませんでしたが、中まで火は通っており、問題なく食べられました。
ピザ生地が薄く、熱源から少し遠かったため、熱々にならなかったのかとも思いましたが、オーブンの熱源は主にグリルで使用する炭火を利用した上火のみであり、火力がそれほど高くないことを実感しました。
ちなみに、メーカーも、一度も火を通していない生の状態からの調理は推奨していません。ピザに限らず、本品のオーブン機能を使う際は、調理(加熱)済みの食材を使用しましょう。
一般的なオーブンや釜で焼くピザとは異なり、熱々には焼き上がらなかったものの、卓上で手軽に焼いて食べられる点では良いと思いました。
オーブンを使った焼きおにぎりは、両面をひっくり返しながら焼くと、表面はややカリッとしたものの、中は少しあたたまる程度でした。そこで急遽グリルでの調理に切り替えたところ、表面はほんのり焦げ目がついて香ばしく、中は熱々の仕上がりに。
その後、できあがった焼きおにぎりをオーブンの庫内に入れて、しばらく保温。焼き網にのせたままだと焦げてしまいますが、オーブンを活用することによって、焦がすことなく、少し時間が経ってもあたたかい焼きおにぎりを食べられました。このように、簡易オーブンを保温庫として使うのもアリだと思いました。
そのほかにも、アイデア次第でさまざまなメニューを楽しめるのではないかと思います。公式サイトでは、焼き肉のタレでおなじみのエバラとコラボして「クールスパイダープロテーブルトップ」で作れるレシピを公開していて、参考になりますよ!
筆者は子供たちと一緒に、キャンプスイーツの定番、「焼きマシュマロ」も作りました。炭火であぶると中がトロリとして、通常のマシュマロとは違う食感を楽しめました。
焼き網の高さを変えるだけ! グリルの火力調整が簡単
食材を焦がしてしまったり、反対に加熱不足になったりなど、ガスコンロやバーナーと違って火加減が難しい炭火。
その点、本品は焼き網の高さを4段階(18~28cm)に変えられるので、グリルの火力調整が簡単です。
ロストルの両サイドに付いている2つの赤いレバーを持って下げ、好みの位置で固定すると焼き網の高さが変わる仕組み。火力が強すぎる場合、焼き網の位置を高くすることによって食材を熱源から遠ざけ、焦げるのを防げます。
メッシュボディが採用されている本体は通気性が良いため、風が吹くと火力が強くなることも。焼き網の高さを変えることで、上手に火加減するのがポイントです。
なお、焼き網の高さを最大にすると、上からロストル内の炭の状態をチェックできるのも便利だと思いました。
炭のつぎ足し&後片付けがしやすい引き出し式ロストルが便利
本体の中段、焼き網とオーブンの間には、炭を入れるロストルが配置されています。この引き出し式のロストルにより、調理中でも炭のつぎ足しがしやすく、火加減を最適な状態に保てるのがうれしいポイント。
さらに、使用後の炭を処理するときは、本体からロストルだけを引き出せばいいので、後片付けも簡単にできます。
ただし、炭の火が消えていても、本体やロストルはかなり熱くなっているため、取り扱いには十分注意が必要です。
なお、本体の両サイドにはハンドルが付いており、持ち運びに便利。ハンドルは熱の影響を受けにくく、炭火使用中でも素手で持てるほどでしたが、火力や風向きによっては熱くなる可能性もあるので注意しましょう。
ロストルのほか、焼き網やオーブントレーも本体から取り外して丸洗いできるので、お手入れしやすいところも良いなあと思いました。
本品を持ち運ぶときは、付属の収納ケースの利用がおすすめ。パーツをバラす必要はなく、各所にセットした状態(ただし焼き網の高さは最も低い位置にする)でケースにすっぽり収まります。総重量は3.4kgほどですが、よほど長時間の運搬でない限り、持ち運びは苦ではありません。
「クールスパイダープロテーブルトップ」はテーブルを囲みながら、ゆったり座ってキャンプ飯を楽しみたい人にうってつけのギアです。アウトドアシーンはもちろん、自宅の庭でバーベキューをするときにも手軽で便利な卓上グリルだと思いました。