家電レビュー

スティック状の布団乾燥機? 手軽でむちゃ気持ち良かった!

ふとん乾燥機 FOEHN001

涼しくなってきたなと思いきや、朝晩などは“寒い”レベルにまで気温が落ち込むことがある。そんな寒い夜に「欲しいなぁ」と思っていたのが、布団乾燥機。だが、様々なメーカーの布団乾燥機を記事で読んだり、または書いたり、家電量販店で触ったりしたが、やはり我が家には置けないな……と思っていたのは、布団乾燥機の本体サイズが大きいからというよりも、我が家が狭すぎるからだ。

そんな「布団乾燥機が欲しいけれど、部屋に設置するスペースも、保管しておく場所もないよ〜」という人たちの救いとなりそうな、カドーの「ふとん乾燥機 FOEHN001(フェーン001)」が、Makuake(マクアケ)で先行販売されている(価格は24,200円のところ、マクアケでは執筆時点で19,844円)。そこで同機を借りて、我が家で使ってみた。Makuakeでの先行販売期間は、残りわずかの11月5日までとなっている。

先に結論を書くと、本当に気持ち良い!

間違いなく小さい! けれど本当に暖かくなる?

布団乾燥機と言えば、本体が空気清浄機のように箱型で、そこから伸びる太いチューブを布団の中に突っ込んで使うもの……というのが一般的だろう。

だが、カドーの「ふとん乾燥機 FOEHN001(フェーン001)」の本体を取り出すと、スターウォーズのライトセーバーのようなものが現れた。

本体がコンパクトだというのは、あらかじめ頭では理解していた……とはいえ、布団乾燥機……ある程度の大きさを想像してしまっていた。そのため、「ちいさっ!」というのが第一印象。

とても小さくて驚いた

小さいと感じたのと同時に「これで、布団をしっかりと温められるのか?」という不安を感じた。さっそくコンセントを差して、本体の電源スイッチをスライドさせる。

電源ボタンをスライドさせると、電源が入る

すると「ブフォォォォォォ!」という音が出てきて驚いた。これまた予想外に大きな音なのだが、少し聞いていると、ヘアドライヤーくらいの音の大きさ。ということで、リビングで聞いていると「うるさい!」ので、寝室へ運ぶ。こうやって、片手でラクに持ち運べるのも、このモデルの利点だろう。家族で部屋が分かれていても、気軽にシェアできる。

まずは掛け布団を、ベッドの上にきれいに敷き直す。本体の先の方を、掛け布団の下に(マットレスや敷布団の上に)もぐり込ませて設置。この時に、空気の吸い込み口を布団から出しておく。さらに吸い込み口から15cm以上の空間を用意しておく。

設置したら、電源スイッチをスライドさせて起動。空気が吸い込まれて、温風が布団の中に吐き出されていく。

布団の中に入れておくと、先ほどよりも駆動音が小さくなり、寝室のドアを閉めて他の部屋へ行けば、音はほとんど気にならなくなる。

空気の吸い込み口の周辺を15cm以上、空けて設置する。本体先端から、温風が布団の中に流れていく
本体の先端。ここから温風が出てくる

運転コースは、「あたためコース」と「乾燥/ダニ対策コース」、それに「送風コース」を備えている。

上述した、寝る前に使うのは「あたためコース」。単に電源スイッチを上にスライドするだけで、駆動するコースだ。同コースは、約55℃の温風を10分間、吹き出す。10分後に温風が送風へと切り替わり、10秒後に終了。

ちなみに、我が家の羽毛布団が、まだクリーニングから戻って来ていないので、今回は薄手の毛布と夏掛けを重ねて試した(晩春から秋まではクリーニング屋さんで保管してもらっている)。

「あたためコース」は、約10分(温風)+10秒(送風)

布団の中に入ってみると……これが気持ち良くて、たまらない気分。体全体が一気にポカポカと温まり、自然と目を閉じて、そのまま眠りたくなる。

ただただ気持ち良いのだが、細かく記せば、本体を設置した布団の頭側の方がよく温まっている。足元の方は、わずかに暖かいものの、しっかりと届いているとは言えない。寒さが厳しくなったら、できれば頭側からに加えて、足元側からももう一度駆動させておきたい。

推奨はしないが、20cmくらいの木の棒があれば、駆動時に布団の中央あたりに、支柱のように立てて、テントのように布団を張ると、温風が行き渡りやすくなる。ただし温風が当たるので、素材には細心の注意が必要だ。

その点で言えば、どんな寝具を使っているかも確認しておきたい。例えば、低反発や高反発素材、ビーズ素材などの機能性寝具を使っている場合は、それらの耐熱温度が70℃以上である必要がある。これは一般的な布団乾燥機でも注意と確認が必要だ。

体が凍えている真冬の朝に使ったら気持ち良さそう

寒い夜に「ふとん乾燥機 FOEHN001」を使うと、布団に入った瞬間、体中に気持ち良さが広がって、すぐに寝入りたくなる……ということは分かった。

さらに本格的な冬になったら、朝起きた時に使ってみたいと思っている。筆者だけかもしれないが、真冬の朝は体がガチガチに凍えて、起き上がっても体の動きも頭の働きも著しく悪い。そのため、熱いシャワーを10分くらい滝行のようにジッと浴びて、体を解凍させることがある。体の芯から冷えている時は、エアコンで室温を高くしても、体が温まらないのだ。

だが、布団乾燥機で温めた布団の中に入ると、暖かさの質が異なるような気がする。もしかすると、シャワーを10分浴びるよりも、体を温められそうな気がしたのだ。これは真冬に、ぜひ検証してみたい。

使い終わったら、ベッドの横に置いて就寝

兎にも角にも同機の売りは、なによりも小さいこと。本体サイズもだが、約420gと軽いので(電源コードを除く)、片手でヒョイッと持ち上げられる。布団を温めた後に、さぁ眠ろうと布団に入りつつ、同機を枕元に置いておいてもそのまま眠れるほど、気軽に使える。

その大きさを、児童向けの図鑑と比べてみると、そのコンパクトさが分かるだろう。冬が終わっても、このくらいの大きさであれば、収納スペースに困ることはなさそうだ。いざとなったら、本棚にも置いておける。

一般的な児童用の図鑑と、大きさを比べてみた

本体のデザインが、オシャレと感じるかは人によるが、悪くないことは確かだろう。全体は円筒形で、どこにも角張ったところがなく、柔らかい丸みのある形状。本体表面の素材にもこだわりを感じ、触っていて気持ちが良い。さらに本体カラーは落ち着いたグレーで、本機を枕元に置いておいても異物感がない。

角張ったところがなく、全体に丸みのある柔らかいデザイン
枕元に置いておいても、異物感がない

電源ケーブルの長さは、約2m。我が家の寝室のコンセントは頭側に2つあるため、足元側で使うには、少し工夫が必要。ただ、それほど困ることもなく、十分な長さだと感じた。

運転コースについては、前述のとおり「あたためコース」のほかに、「乾燥/ダニ対策コース」と「送風コース」を備えている。

「乾燥コース」は60分、「ダニ対策コース」は80分駆動するコース。寒い冬だけでなく、布団を干しづらい梅雨などにも活躍してくれそうだ。

また説明書には、枕を乾燥、消臭させたい場合にも有用だと記されている。それで思いついたのが、キャンプで使う寝袋や、ダウンジャケットなどを乾燥させるのにも便利そうだということ。ダウンジャケットもクリーニング屋さんで保管中のため、今回は試せなかったが、戻ってきたら試してみたい。

それにしても、狭小住宅の我が家では、布団乾燥機は使えないなぁと諦めていたが、手軽に使える「ふとん乾燥機 FOEHN001」であれば無理なく使えることが分かった。

いやぁ〜、これは本当に欲しい。

色々な用途で使えそう
河原塚 英信