家電レビュー
磨き残しを充電台にリアルタイム表示する最新電動歯ブラシで、家族の歯磨きモチベが爆上がり
2023年9月25日 09:35
電動歯ブラシが「高速振動するだけの歯ブラシ」だったのは一昔まえのこと。いまや高機能モデルはスマートフォンと連携する製品も珍しくありません。なかでもP&Gジャパンの「オーラルB iO」シリーズ上位モデルは「歯のどこを磨いているか」をリアルタイムで検知。磨き残していたエリアが一目でわかる機能を搭載する先進的な製品です。
2023年7月、そんなiOシリーズに新たな最上位モデルとなる「オーラルB iO10」(以下、iO10)が登場しました。もともと高機能だったiOシリーズですが、新製品はどう進化したのか? iOシリーズを3年前から愛用している筆者が新モデルをじっくり試してみました。
オーラルBの進化形であるiOシリーズとは
世の中にはさまざまな電動歯ブラシがありますが、ほとんどの製品が市販の歯ブラシのような直方体形状のブラシを採用。ブラシを前後左右に高速振動させることで歯を磨きます。一方、今回レビューする「オーラルB」シリーズは、電動歯ブラシとしては珍しい「丸形回転ブラシ」を使っています。円柱型のブラシが歯を包み込むようにして回転するため、歯の隙間の汚れもしっかり落としてくれます。
このオーラルBシリーズにはさまざまなモデルがありますが、シリーズ内でもプレミアムモデルとなるのが今回のiOシリーズ。そして、iOシリーズと他オーラルBシリーズの違いがブラシの駆動方式です。
一般的なオーラルBがモーターとギアで動くのに対し、iOシリーズはリニアモーターカーのように磁石を使った「リニアマグネティックシステム」を採用。力強い駆動でブラシを一本一本毛先まで振動させ、従来よりも歯垢除去能力を高めています。
実際に両製品を使い比べると、従来のオーラルBがパワフルにグイグイ歯を磨く印象なのに対し、iOシリーズはより振動が優しく繊細な磨き心地。なのに、歯磨き後のサッパリ感はiOのほうが格段に上だと感じます。歯磨き後は、歯を指でこするとキュッキュッと良い音がするくらいツルツルです。
ちなみに、iOシリーズはすでにiO3からiO10まで全8モデルあり、大きな番号ほど上位モデルになります。ただし、8モデルともに歯垢除去能力は同じ。違うのは運転モードの数や液晶画面の有無、スマートフォンとの連携機能といった「便利機能」があるかどうかです。
今回レビューしている新製品iO10は、名前からわかるとおりシリーズの最上位モデル。従来までの最上位モデルであるiO9との差はスマート充電台との連携で、じつは電動歯ブラシ本体の基本性能はiO9と同じです。
iO8以下にはない、iO09とiO10だけの特徴は運転モードの豊富さ。iOシリーズの他モデルは6以下の運転モードしか搭載していませんが、iO10/iO9は7モードを搭載。他モデルには搭載されていない「舌」をクリーニングするモードが使えます。また、後述するAIブラッシング ガイドを16カ所で立体的に検知できるのも、この2モデルのみです。
使った方が良いのはわかるけど……を解決してくれる新充電台
iOシリーズのなかでもiO5以上のモデルに搭載されている重要な機能にAIブラッシング ガイドがあります。これは、ユーザーのブラシの角度や動かし方を検知し「口の中のどこを磨いているか」をリアルタイムに推測する機能。
ちなみに、iO5~iO8は口の中を上下の左右奥歯、前歯の6エリアに分割してガイド。上位機種であるiO9と新モデルのiO10になると、この6エリアをさらに「表面」「裏面」「かみ合わせ面」にわけて全16カ所をガイドします。
「なんとなく」で毎日の歯磨きをしていると、どうしても磨き残しがでやすい箇所がでてきます。たとえば、筆者は右利きだからか、ガイドを見ないで歯磨きをすると右下の奥歯に磨き残しが発生しがち。ガイド機能はこの「個人の癖」を矯正してくれる優れた機能です。
とはいえ毎日歯磨きのたびにスマートフォンを手にアプリを起動するのは正直面倒。このため、筆者は3年近く既存モデルのiO9を使用していますが、アプリを起動するのは1カ月に一度程度。「変な磨き癖がないか1カ月に1回チェックする」といった使い方をしていました。
本来なら歯磨きのたびにガイドを使用し、毎回片寄りがないように磨くのが理想ですが、面倒さが先に来てとにかく続きません。そして、筆者のようなズボラなユーザーが多かったのか、iO10は充電台にガイドを表示できる機能を搭載したスマート充電器「iOsense」が付属します。
iO10で歯磨きを開始すると、iOsenseに6分割された青いリング状のライトが点灯。このライトが上下の左右奥歯、前歯の6エリアを表しています。歯を磨いていると、対応するエリアのライトが点滅して徐々に白っぽく変化。ライトが白くなったら「そのエリアの歯がキレイになった」という印。光がすべて白くなって、リング全体が点滅したら歯磨き完了のサインです。
ところで、iOsenseに表示されるガイド機能を使うようになってから、我が家で変わったのが夫の歯磨きに対するモチベーションです。夫も以前からiOを使用していたのですが、AIブラッシング ガイド機能は利用していませんでした。その理由は「とくに(アプリを導入するほどの)必要性を感じない」というもの。
しかし、iO10は歯磨きをすると嫌でも目の前のiOsenseに目がいきます。最初は興味がなかったようですが、数回ガイドを使って歯磨きをしたところ「見ているだけで面白い」「歯磨きが楽しくなる」と言うようになりました。
試せる4種類のブラシが標準付属
iO10は最上位モデルということもあり、付属品も豊富です。本体にスマート充電器iOsense、蓋付きのブラシホルダー、そして充電もできるトラベルケースが付属します。また、iOシリーズには基本的に標準ブラシの「アルティメイトクリーン」が付属しますが、iO10はシリーズで唯一アルティメイトクリーンを含め、全4種類の替えブラシを付属します。
付属するのは標準ブラシであるアルティメイトクリーン、超極細毛で歯茎に優しいジェントルケア、歯のステインを除去するラディアントホワイト、そして歯の隙間をケアするターゲットクリーンの4本。替えブラシは1本千円以上することが多いので、今後使うかどうかわからない専用ブラシをまず試せるのは嬉しいですね。
最近の歯科医院が呼びかけているのが虫歯よりも歯周病の予防。歯周病が進行すると歯が抜けることがあるほか、近年は歯周病が心臓疾患や糖尿病などに悪影響を及ぼすこともわかっています。そして、歯周病の予防に欠かせないのが「正しい歯磨き」です。とはいえ、歯科医院などで歯磨き指導を受けたことがあるならわかりますが、すべての歯をまんべんなく磨くのは意外と難しいものです。今回レビューしたiO10のiOsenseは、この「正しい歯磨き」を面倒な手間なくサポートしてくれる強い味方になりそうです。
ちなみにiO10を導入して、夫だけでなく筆者も歯磨きのモチベーションがアップしました。ズボラな筆者は寝る前の歯磨きが面倒に感じることがあります。いままでは「あと10分したら歯磨きして寝る……」などと、歯磨きを面倒に感じてズルズルと先延ばしにして寝る時間が遅くなることがよくありました。しかし、iO10導入後は歯が綺麗になるという達成感があるからか、「寝よう」と思ったらサッと歯を磨くように。歯磨きを面倒に感じる家族がいるなら、導入を検討してみても良いかもしれませんね。