家電レビュー

コードレスなのに髪が乾く! しかもしっとり仕上がるドライヤー

Zuvi Halo コードレスヘアドライヤー

ドライヤーを使う前には、これほど効果が異なると思わなかった。Zuvi Japanの「Zuvi Halo コードレスヘアドライヤー」のことだ。

同機は、光による髪の乾燥技術「LightCare」を搭載するヘアードライヤー。同技術は「光エネルギーを利用した髪を芯からケアする乾燥技術」だとし、「照射される光が、髪表面の水分子を的確にとらえて蒸発させる」のだという。価格は55,000円。

説明を読んでいてもピンと来ないので、実際に使ってみることにした。

充電台に設置したところ
充電台と、本機の底部

光の照射と強烈な風で髪を乾かす

「Zuvi Halo コードレスヘアドライヤー」が、筆者宅に届いた時、まだ梱包された箱を持って思ったのが「重いな」ということだった。「これ、ドライヤーが入っているんだよね?」と感じたのだ。

実際には、充電台などが重く、本体は540g。例えば、パナソニックの「ナノケア EH-NA0G」は約595g、形の似ているダイソンの「Dyson Supersonic Ionic ヘアードライヤー」は697gなので、それほど重くはない。

充電台で充電したあとに、本体を手に取り、電源をオンにしてみる。

同機は、最も速乾性に優れた「FAST」と、風量を落とした「SOFT」、それに送風の「COOL」と、3つのモードを備える。電源オン時には、風が強い「FAST」。

ぶふぁ〜っと強い風切り音を立てながら、ヘッド部分から強い風が出てくる。風と同時に吹き出し面の中央部がエメラルド色に変わり、温かくなる。

風の吹き出し面。中央部から強い風が集中的に吹き出す。電源をオンにすると、その周りから光が透過する
光が脈動するように明滅する
風を取り込む、吹き出し面の反対側
ハンドルの操作部。下が電源ボタンで、上がモード切替ボタン

風を髪の毛に当てると、もう髪の毛が大騒ぎだ。筆者の硬く濡れている髪の毛をものともせず、風が髪の毛を巻き上げ、頭皮にまで風がしっかりと届く。

息子の頭を乾かしているところ

風は、送風よりは温かいくらいで、一般的なヘアードライヤーの送風に近い。ドライヤーのヘッド部を髪の毛(頭)に近づけても、熱すぎることはない。むしろ、熱くなるヘアドライヤーに慣れている筆者には、物足りない気がする。非接触の温度計で測ると、タイミングによっても異なるが、温かい時は40℃前後〜50℃くらい。

ヘッドの温度はゆるやかに上下を繰り返す。ほとんど送風のようになったかと思えば、じわじわと温かくなる。また温かくなったと思うと、徐々に冷たくなっていく。髪の毛に当て続けていると、徐々に髪の毛が乾いていく。

光が強くなったり、弱くなったりする。同時に温かさも変化する

髪の毛が乾くと、しっとりとするのが筆者にも分かった。2〜3時間後の就寝時に、なにげなく髪の毛を触ると、やっぱりしっとりとしている。大げさではなく、筆者がめったに使わないコンディショナーを念入りに塗った後に、乾かした時以上に、髪がしっとりしている。

翌日の夜までは同機を使うことはなかった。それでも、妻が帰って来た時に「なんとなく、髪の毛がしっとりしている気がするんだけど……」と言うと、妻も「あぁ! なんか、珍しく髪の毛がまとまってるなぁって思ったよ」と言う。気のせいではなく、同機の効果によるもののようだ。

最初は、光によって何か良い影響があったように思える「プラシーボ効果」ではないかと思った。

それで翌日も翌々日も、風呂上がりに同機で髪の毛を乾かしてみた。やはり翌日の夜まで、髪の毛がしっとりとしている。これが、照射する光の効果なのだろうか? かなり驚いている。

非接触の温度計で測ると、表面温度は最高で50℃弱。直接触ると熱いが、髪の毛に近づけても、熱いと感じることはない

幼児の髪の毛を乾かすのにおすすめ

コードレスのヘアドライヤーを使うのは初めてだった。感想としては、コードレスヘアドライヤーは、特に、筆者のようにヘアスタイルに無頓着な人におすすめだ。

というのも、筆者がヘアドライヤーを使う目的は、多くが寝る前に髪の毛を乾かすこと。髪の毛のスタイリングには、それほど重点を置いていないため、ドライヤーを使っている際には、とにかく暇だ。「速く乾けぇ」と、髪の毛を手ぐしでわさわさしているが、視線は洗面台の鏡。死んだ目をした、鏡に映る自分を、ぼ〜っと見つめているだけだ。

「Zuvi Halo コードレスヘアドライヤー」であれば、洗面台の前に立つ必要がない。リビングへ行って乾かすと、テレビを観ている家族に「うるさい!」と叱責されるが、一人で寝室で半ばベッドの上に寝転がって乾かすこともできる。

もちろん、コード有りでも場所を移動できるが、歩きながらは不可能だし、なによりACコンセントがなければ使えない。その点、コードレスは気軽に場所を変えられるのだ。

また、コードレスだと、ドライヤーが嫌いな息子の髪の毛を乾かしやすい。追っかけながら、髪の毛に風を当て続けられるからだ。また、同機の場合は「熱い!」となるほどの熱風が出ない。「熱すぎるかな?」などと心配が不要なのだ。ただし「寒い寒い!」と言われることはあった。よく、身体を拭いたのを確認してから、使ってあげたい。

風呂上がりの息子の髪の毛を乾かしているところ

満充電時の連続使用時間は、FASTモードが13分、SOFTモードが15分、COOLモードが27分。充電時間は34分で、19分で90%まで回復する急速充電機能を備えている。

なお、我が家の狭い洗面台では、同機の充電台を置くスペースがほとんどない。コードレスモデルの使いやすさは捨てがたいが、そんな人には有線モデルもおすすめ。有線モデルはコードレスよりも温かい風で乾かせるうえ、乾燥モードやアタッチメントも豊富だ。使用環境に合わせて、コードレスか有線かを選ぶと良いだろう。

河原塚 英信