ニュース
体温測定が健康管理に大切な理由とは? オムロンが正しい検温方法を解説
2021年5月7日 12:40
オムロン ヘルスケアは、体温と体温計に関する情報をまとめたFactbook「“体温を測る”から始まる健康管理」を発行した。同Factbookでは、1972年に医科向け電子体温計を発売して以来、医療用から家庭用まで様々な体温計を開発した同社が、体温とは何か、体温測定の意義、体温計の正しい使い方などを解説している。
Factbook【「体温を測る」から始まる健康管理】(PDF)
以下、内容を抜粋。
疾病予防など健康管理に用いられるのは体温の中でも核心温
体温とは、皮膚温度や核心温と呼ばれる身体の深部の温度など、人体に関わる多くの箇所で測定されている温度を指し、部位により温度が異なる。そのうち、疾病予防や投薬など健康管理に用いられる体温は核心温だとする。
健康管理には核心温の把握が重要で、体温計では、この核心温を測っている。「わき」は核心温に近く、安定して測定できる部位だという。
人は、体の深部の核心温を一定に保つため、環境に合わせて体温を調節。これにより健康状態を守る。例えば、暑い環境では体がほてり、皮膚の血管を拡張することで、熱を体外に逃して発汗によって体温を下げる。逆に寒い環境では、熱が体外に逃げないようにして体温の低下を防ぐ。こうしたことで、体温を一定に保つ。
発熱は、免疫反応を活性化させるために起こしている
体に細菌やウイルスなどが侵入して異常が起きると、脳の体温調節中枢が体温の「高温化」を指令し、免疫反応を活性化させるために発熱を起こす。だが、発熱による免疫反応が起こらないまま発熱が長く続くと、より重い病気に進行する可能性があるため、注意が必要だとする。
乳幼児などは体温調節機能が未熟なため、運動や食事、泣いた後に体温が上がるなど、体温の変化が頻繁に起こるという。顔色や便の状態などを併せて観察し、気を配ることが大切だとしている。
発熱の有無を判断するために平熱を知ることが大切
体温は、健康状態や病気のサインとなる重要なデータの一つ。自分の平熱を把握することは、風邪やインフルエンザはもちろん、様々な病気のサインを見逃さないために重要な対策だという。
だが体温は個人差や時間差があり、発熱の有無を正しく判断するためには、自分の平熱を把握しておくことが大切。そこで日に数回、決まった時間に同じ部位で検温し、時間ごとの平熱を把握しておきたい。1日数回の検温が難しい場合は、体温の変化の少ない起床後、食事前の平熱を把握しておくのがおすすめだとする。
体温計の正しい使い方
ペンシルタイプの正しい使い方
わきで測る場合は、検温前に、わきの下にこもった熱を逃がす。汗をかいている場合は、しっかりと拭き取る。体温計をはさみ、肘をわき腹に密着させる。体温計の先端(感温部)を、わきの中心に下から上に向けてはさみ、わきを密閉するようにしっかり閉じる。子どもの場合は、腕を軽く押さえると良い。検温中は体温計を動かしたりずれたりしないように固定させる。
口中で測る場合は、舌の付け根の、左右のいずれかにあてる。体温計の先端を舌で押さえて、口を閉じる。体温計がずれないよう、手で支える。
耳式体温計の正しい使い方
耳式体温計で正しく検温するには、プローブの先端が鼓膜の方を向いていることが大切。
まずプローブカバーが本体についていること、汚れていないことを確認する。スイッチを押し、℃の表示が出たらプローブを耳に入れる。「ピッ」と鳴ったら自動的に測定が始まる。プローブを左右に動かし、プローブを耳に入れたままで、もう一度スイッチを押す。「ピピピッ」と鳴ったら測定終了。
非接触体温計の正しい使い方
同社の非接触体温計(皮膚赤外線体温計)の場合は、額から放射される赤外線から表面温度を測定し、舌下で測定した体温に変換しているという。額は指先や頬に比べて変動が少ないといわれ、多くの人の体温を短時間で衛生的にスクリーニングするのに適している。一方で、外部環境の影響を受けやすく、測定結果が高い場合は、改めてわき下の体温計での検温をすすめている。
非接触体温計を使う場合は、室内の温度計と体温計の室温表示の温度差が、最大2〜3℃程度以内だと良い。体温計が室温より温まると測定値が低く、体温計が冷えると高く出てしまう可能性があるという。
そのほか、屋外利用時には直射日光を避ける、測定時には体が室内温度に慣れてから計測する、汗をかいたり化粧をしていると体温が低く出ることがある、緊張やストレスを感じていると、皮膚の体温が一時的に高くなる場合があるなどを、注意しつつ計測する。
非接触体温計で正しい体温を測定するポイントは、額からの距離や角度、遮蔽物の3点。
まず額が露出するよう、前髪を上げてから測定する。額の中心から3cmほどあけて、額と平行にして測る。測定中は体を動かしたり、長く握りしめたりしない。