家電製品レビュー

脂がのったオッサン肌はどう変わる? 「スキンケアシェーバー ラムダッシュ」で肌年齢が2歳若返り!

パナソニックの「スキンケアシェーバー ラムダッシュ(3枚刃) ES-MT21」。2020年7月1日発売

何年前までだっただろうか? 「男が化粧する何てクレイジー!」なんて言われていた、そして自分が言っていた時代は……。今コンビニのシャンプー売り場などを見れば一目瞭然。全身のアブラを拭くペーパーなどを先頭に、男性用の化粧水や乳液、除毛剤、果てはファンデーションまである。

そこに登場したのが、パナソニックの「スキンケアシェーバー ラムダッシュ」。リニアモーター搭載の深剃りでおなじみの「ラムダッシュ」シリーズながら、イオンの力で化粧水を浸透させながらシェービングできる! というかなりイロモノ(笑)と思っていた。

化粧水をイオンの力で肌に浸透させるシェーバーなんて今までにないから、かなり色メガネで見てしまいがち。しかし女性用のビューティー家電では、各社からいろんなモデルが販売され、「お肌プルプル」だの「しっとり長持ち」だの、ファンデーションのノリがいいだの、とにかく高評価を受けている。

そこで筆者のオッサンの枯れた肌、とはいえ脂ギッシュでスキンケアなんてやったことない肌にも有効なのかを、実際に使って調べてみた!

メーカー名パナソニック
製品名スキンケアシェーバー ラムダッシュ(3枚刃) ES-MT21
実売価格26,100円

ラムダッシュらしからぬデザインの理由とは!?

このシェーバーの特徴は、なんと言ってもこれまでのパナソニック(ラムダッシュ)らしくない、いやシェーバーらしからぬデザインだろう。持ち手は円筒になっており、自立させることも可能だ。

丸がモチーフになっている珍しいシェーバー。一般的なシェーバーに比べると、やっぱりデザイン中心で握りづらいのは否めない
充電台なしでもちゃんと自立するようにバランスが取ってある

付属の充電台も円筒デザインが基本になっている。通常のシェーバーなら、手になじむようなエルゴノミクスデザインになっているが、本機は丸い形状を多用。メーカーによると、化粧水などのビンと一緒に並べたときに統一感があるデザインにしたという。

カラーもグレーで「らしからぬ」感があるが、個性や主張の激しい化粧水のビンのデザイン性を崩さないシンプルなものだ。

なお充電は充電台に差しても行なえるが、直接本体底面にあるコネクタに充電器をつなげることもできる。

本体底部にも直接充電器を差し込めるのはうれしい。かならず充電台にかけなきゃいけないのがタマにあって、これ面倒なのだ

このシェーバーだけの特徴は、スイッチ側につけられた「イオンプレート」だ。チタンでできているとのことで、横から刃のある天まで延びている。

シャンパンゴールドに塗りわけられているのがイオンプレート。そのまわりのボディは一見アルミのように見えるが、プラスチック製。樹脂成型と塗りの仕上がりが凄い!
天から見るとイオンプレートが回り込んできている。またプレートと刃の間には、ローラーが入ってて肌のスベリをよくしている

普通のシェーバーとして使う場合は、電源ボタンを押し、イオンのスイッチOFFと、温感選択を行なう。これで3枚刃の他のラムダッシュと同様に、リニアモーターで素早く深剃りできる。

化粧水を浸透させながらシェービングするには、まず化粧水を肌にサッと塗って、電源ボタンの次に「ION」ボタンを押す。強弱2モードあるので、好みで設定すればいい。

「WARM」ボタンは、イオンプレートを温めるボタンで、こちらも高低2モードがある。冬の寒い日にプレートがヒンヤリするのがイヤなときに使うといい。なお「WARM」ボタンは、化粧水の浸透には影響しない。

上からシェーバーの電源ボタン(ON/OFF)、イオンプレートのボタン(OFF/弱/強)、イオンプレートのヒーターボタン(OFF/低/高)

あとはイオンプレートが肌に当たるように、シェービングするだけでいい。ヘッドは比較的軽く左右に動くので、顔への追従性もいい。これで化粧水を角質層に浸透させながら、朝の髭剃りは終わりだ。

ただ注意点が1つ。実はグリップ部分にも金属分があり、ここに手が触れていないと、電気浸透流の効果が得られない。つまりイオンプレートが顔に触れて、その電気が手を通してシェーバーのグリップに流れる必要があるのだ。

「イオンプレート」→「顔」→「手」→「グリップのプレート」→「イオンプレート」

という回路に電気が流れ、その効果により化粧水が肌の角質層に浸透する仕組み。だから手袋をはめてシェービングしたり、逆手で持ってプレートの逆に触れてしまうと効果が得られない。手のひらがグリップのプレートに触れるようにして使おう。

グリップのプレート部分を握りながら、イオンプレートを肌に当てると、その間を電気が流れる
仕上げに髭の向きと逆に逆手で剃ると、グリップのプレートから手が離れてしまう

「なになに!? じゃあ、感電してるの?」と怖くなる人もいるかも知れないが、感電や痛みはまったく感じない。肩こりの低周波治療器のチク! っと差す感じもない。

実際には弱で電圧3.6V、強で8Vが高速でON/OFFされ、電流も弱で40μA、強で90μA程度しか流れていないようだ。

弱モードは4.5V程度の電圧が、毎秒3万回程度かかる
顔と手の間に流れる電流は14μA。まったく電気を感じない
弱モードは9V程度の電圧が、毎秒2.5万回程度かかる
顔と手の間に流れる電流は41μA。こちらも感電している感じはまったくなし。なおプレートとグリップがショートすると、自動的にOFFになる安全機構を備えているようだ

もちろんトリマー機能も付いているので、スライドスイッチでトリマー刃を起こせば、もみ上げや眉などのカットも自在にできた。

もみ上げなどはトリマーでカット

しっかりスキンケアするならイオンケアモードで念入りに

「スキンケアなんか不要!」「スキンケアなんかに時間をかけてられるか!」と思いつつ、このシェーバーを使っていると、明らかに変わってくる肌の変化に驚く。そして比較的時間がある土日ぐらいなら、顔全体をスキンケアしてアンチエイジングを目指したくなるから不思議だ。

そんなときに使えるのが、イオンプレートの広い面。シェーバーのときは、天面の狭いイオンプレートしか使えなかったが、「イオンケアモード」を使うと、シェーバーの刃は動かずイオンプレートのみ有効になる。

化粧水浸透シェービングのときと同様に「ION」ボタンを押すと強弱とOFFが切り替えられる。また同時に「WARM」ボタンでプレートを温めることも可能だ。

イオンプレートの広い面を使って、スキンケアのみ念入りにできる

あとは化粧水や乳液などを肌にサッと塗ったあと、イオンプレートの広い面で1箇所につき2~3秒ほどを目安に当てていけばいい。忘れちゃならないのが、グリップのプレートにしっかり手のひらを当てること。

あごから始め、ほほ、目の下、鼻の脇、鼻筋、おでこと、下から上に向かってゆっくり動かしていくといい。また化粧水などが含まれたシートマスクの上から、イオンパネルを当てて浸透させることも可能だ。

化粧水のほか乳液、シートマスクなども使用OK

化粧水の効果!? イオンの力で脂ギッシュ顔の予防にも!

そもそも化粧水をつけると、何もしていないときに比べ「男にとって何かいいこと」があるのか? という疑問を持つ人もいるだろう。そこで、1週間にわたり顔半分のみ化粧水を使い、残りの顔半分は放置するという実験をしてみた!

実験結果を数値化するために使ったのは、3,000円ぐらいで購入できる「スキンチェッカー」。単位はないが、肌の水分量と弾力、そして油分を数値化してくれる。さらに総合的に見て、肌年齢も表示してくれるというものだ。

Amazonで3,290円で購入したスキンチェッカー。実験前に色々調べてみたが、表示される数値にエビデンスはないが、なんとなく正しい値っぽかったので、相対的な測定は可能と判断した

さて1週間実験した結果の平均値を取ってみた。

化粧水を使うと水分が高く、肌にも弾力が生まれる。さらに不思議なことに油分が少なくなっている

このグラフを解析してみると、化粧水を使って水分補給した肌は弾力を持つことが分かる。エアコンにさらされると「午後には肌はカサカサ。掻いたりしても粉が出ない!」。

しかもおでこは、午後になると脂ギッシュになって、アルコールのウェットシートで拭っている男性をよく見かけるが、あまり脂ギッシュにならないのだ!

そして総合的に判断された肌年齢は、以下の通り。

化粧水でスキンケア25.7歳
お手入れなし28.9歳

おー! だいたい3歳差になるという結果になった。今回は化粧水だけだったが、乳液、美容液、シートマスクなどを使ったスキンケアでも効果が出そうな感じだ。

続いて実験したのは、朝にシェーバーを使い化粧水を電流浸透させた顔半分と、単純に手で化粧水を塗りこんだ顔半面の違いだ。測定は6時間後に行なった値で1週間の平均値となっている。

電流浸透すると肌に深く浸透し効果が長持ちする

グラフから読み取れるのは、何もスキンケアしないよりは、手で化粧水を塗りこんだ方がいいという点(そりゃそうだ)。加えてさらにイオンプレートで電気浸透させると、自然浸透より効果が持続するという点。

さらに次のグラフは、イオンプレートを使った電気浸透の場合と自然浸透の場合で、化粧水塗布直後と6時間後の数値をグラフ化したもの。

水分と弾力、いずれも電気浸透したほうが、自然浸透したときよりも数値が高い

水分、弾力ともに6時間後の測定値の方が高く、電気浸透したほうがより長時間水分と弾力と持った肌になっていることが分かる。さらに塗布直後と6時間後では、だんだんと差が開いている。時間が経つほど、効力が解離するようだ。

油分と肌年齢は、電気浸透したほうがより油分が少なく、肌年齢も若い

このグラフは油分と肌年齢を示している。電気浸透すると油分が増加しにくくなるので、午後もサラリとした顔のまま好印象を与えるだろう。総合的な肌年齢は、電気浸透した場合と自然浸透との場合では、6時間で電気浸透の方が1歳若く見えるという結果になった。

シェーバーは鉄板のラムダッシュで深剃りながら肌に優しい

最後になってしまったがシェーバーとしての機能は、鉄板ラムダッシュシリーズの高速リニアモーターで早剃り。定番の3枚刃で肌を一生賢明引っ張ってクセ髭を立たせなくても、軽く引っ張るだけで髭を捕らえてくれるので、何度も同じ場所を剃らなくてもいい。

速くて深剃りのラムダッシュシリーズの機能はそのまま
Before
After。髭の根元からスパッ! と切れている

外刃はパナソニックならではのステンレス刃物鋼。他社製の刃はたいてい電鋳という製造方法でニッケルの外刃を持つものが多い。しかしニッケル刃は長年使う(だいたい2年)と内刃との摩擦で薄くなり、段々髭だけでなく肌にも内刃が当たるようになる。

しかしパナソニックのステンレス刃は硬く摩擦によって薄くなりづらいので、深剃りだけど、肌にも優しい状態が長年続く。しかも肌に当たる部分は、かまぼこ状になっているので、スベリもよく、肌にも優しい。

ステンレス製の外刃
左右に首を振るので肌への追従性もいい
肌に当たる部分がかまぼこ状になっていて、滑りやすく肌に優しい

また内刃にも刃が付いているので、切れ味抜群。お風呂でのウェット剃りも可能で、まるまる洗浄も可能だ。

逆手で持ったとき(髭の向きと逆から剃る仕上げ)の持ちづらさ、そしてグリップの電極から手が離れてしまうという点が否めないが、シェーバーとしての機能は申し分ない。

なお充電器はワールドワイド仕様のため世界各国で使え、1時間の充電でおよそ5日間使える。ただし充電しながらの利用はできない点に注意して欲しい。

髭の剃りカスをご覧になれば一目瞭然。真っ黒なので肌を削っていない。お使いのシェーバーのカスがグレーだったら、皮膚を傷つけている証拠!

スキンケアが当たり前の20代も、アンチエイジングが気になる40歳以上にもオススメ

これまで化粧水などとはまったく無関係だった筆者だが、シェーバーの一機能として付いているので、「やってみようかな?」というきっかけを作ってくれた。

20代ならスキンケアは当たり前という人も多いはずなので、本製品はオンリーワンの機能でオススメだ。また30、40歳以上で「男が化粧水!?」と抵抗を持つ方にも、脂を抑えていつまでも若くありたいという人も一度使ってみる価値はあるだろう。

今年の父の日は過ぎてしまったが、男の化粧に抵抗がある30代以上のお父さんへの、最高の父の日のプレゼントもしくは誕生日プレゼントになるのは間違いない。

藤山 哲人

家電の紹介やしくみ、選び方や便利な使い方などを紹介するプロの家電ライター。独自の測定器やプログラムを開発して、家電の性能を数値化(見える化)し、徹底的に使ってレビューするのをモットーとしているため「体当たり家電ライター」との異名も。 「マツコの知らない世界」(番組史上最多の5回出演)「ゴゴスマ」(生放送2回)「華大の知りたいサタデー」(生番組4回)「アッコにおまかせ」「NHKごごナマ」(生放送2回)「カンテレ ワンダー」(5回)「HBC 今ドキ!(生中継4回)」はじめ、朝や昼の情報番組に多数出演し、現在インプレスの「家電Watch」「PC Watch」やサイゾー「ビジネスジャーナル」などのWeb媒体をはじめ、毎月ABCラジオなどで連載やコーナーを持っている。 趣味は、鉄道、飛行機、バス、車の旅行や写真とシステム&構造。電子工作、プログラム。あと神社めぐり。

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