家電製品レビュー
ランチ1,000円食べ放題的!? アイリスオーヤマのコード“あり”スティック掃除機
2019年9月4日 00:00
ここ10年で掃除機の種類がめちゃくちゃ増えた。従来の紙パック式のキャニスター(床置き)に加え、ハンディ掃除機、サイクロン式のキャニスター掃除機は一世を風靡した。数年後には、スティックタイプのサイクロン掃除機が登場し、今ではキャニスターよりスティックタイプが主流になっている。その間にもロボット掃除機がシェアを拡大。そこにきて、ちょっと風変わりなのが、アイリスオーヤマのコード“あり”スティック掃除機「キャニスティッククリーナー」だ。
メーカー名 | アイリスオーヤマ |
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製品名 | キャニスティッククリーナー |
実売価格 | 19,806円 |
バッテリー駆動じゃなくてキャニスター式同様にコンセントに差し込むモデルで、「そんなヤツみたことある!」という方もいるかもしれない。確かにヨーロッパでは、こういう掃除機が「アップライト式」と呼ばれ主流になっている。
でも「ただ」の「アップライト=キャニスティック」で終わらないのが、アイリスオーヤマだ。うちのネコもびっくりだ!
アップライト式よりスリムで置き場所に困らないキャニスティック
一般的なアップライト式の掃除機は、大きなダストカップとモーターを備えているので、床部の近くがボヨン! と太くなったデザインが多い。しかしアイリスオーヤマのキャニティックは、全体的にスリムだ。同社がこの掃除機を「アップライト」といわない理由はここにありそう。
専用のスタンドも付属しているので、バッテリー式のスティック掃除機と同じスペースに収まるのが特徴だ。しかも専用スタンドの高さが、一般的なスティック掃除機の半分程度の高さしかなく、スタンドの圧迫感がないという点も特徴。逆に言うと掃除機の重量バランスがいいので、それほど大きなスタンドは不要ということだ。
なおバッテリー式のスティックではないので、コードを黄色いマークが出るまで引っ張って、コンセントに差し込む。これで準備OKだ。
コラム「コードの黄色いマークと赤いマーク」
最近コードレス式掃除機ばかりなので、お忘れかもしれないので改めて注意喚起。コンセントに差し込むタイプの掃除機は、必ずコードの黄色マークまで引っ張り出して使うこと。たとえコンセントの近くを掃除するだけで、長さが必要ない場合でもだ。
黄色のマークはコードの終端に近いということを示している。と同時に「ここまで引っ張り出して使う」ことも示している。さらに引っ張ると赤いマークが出るが、これは「これ以上コードを引っ張るな!」という警告だ。赤まで出てしまったら、少し巻き戻して黄色だけが見える状態にしよう。
実はコードをぐるぐる巻いた状態(黄色い線が見えない)で使うと、「電磁誘導」という現象が発生してとても危険。電磁誘導を使った最も身近な家電はIH炊飯器。さすがに炊飯器ほど発熱することはないが、コードが巻き取られた状態で使うと、最悪発熱や発火事故につながる危険性があるので注意してほしい。
コードの長さは約4mあるので、実質有効なのは6畳間程度。このくらいの広さならコンセントを差し替えずに、部屋の隅まで掃除できるだろう。廊下などの場合は、適宜コンセントを差し替える必要があるので注意。見た目も手軽さもスティックと変わらないので、ついコンセントに挿しているのを忘れがちなので注意したい。
重量は2.3kgだが、実際に手首にかかるのは1.5kgほど。バッテリー式のスティック掃除機に慣れている方なら「軽い!」と感じる程度だ。
大型ゴミセンサーで汚れ具合も一目瞭然! 強力な吸引力が魅力
手元のスイッチは、自動モードと「標準」「ターボ(強)」の切り替えスイッチ、これに電源OFFの「切」スイッチがある。バッテリー式のスティック掃除機なら「自動」を選びたいところだが、バッテリー切れの心配がないキャニスティックは部屋中を「ターボ」で掃除してもかまわない。とくにじゅうたんやラグを敷いてある部屋は、思う存分「ターボ」を使うといだろう。
スティック掃除機なのにいつでも「ターボ」が使えるなんて、「ランチ1,000円食べ放題!」的なお買い得感があるのは俺だけか?
本体左側には直径20cmほどの大きなリング状のランプがある。ここはホコリやゴミが多いところでは赤く光り、きれいになると青くなる。また自動モードならこれに連携して掃除機の吸引力を変えてくれるので、省エネだけでなく、静かにお掃除できるる配慮も心憎い!
ヘッドは自走式で壁際まで掃除できる。大手メーカーなみに壁際まで掃除できるのには驚きだ。また比較的大きなゴミも吸い取れるので、子供やペットのいるご家庭にオススメしたい。
気になるのは運転音だろう。しかしターボにしても掃除機から1m程はなれたところで61dB。これは普通に会話したり、車に乗ったときの音程度だ。標準だと55dB程度で、これは静かな事務所やエアコンの運転音程度なので、うるさいと感じる人は少ないだろう。
意外に大容量の小型紙パックと見事な重量バランスに感動
この掃除機に驚かされたのは、ダストボックスが0.4Lもあること。ハンドルの下にある黒いカバーを外すとダストボックスになっており、ここに専用の紙パックを取り付けるようになっている。
この紙パックは本体に25枚同梱されていて、追加分もアイリスオーヤマの通販ページなどで25枚500円程度で購入が可能だ。
何週間か使ってみた感じだと、パックがいっぱいになるまで1週間以上はかかるので、普通に使っていれば25枚で半年、部屋がそれほど汚れない家庭なら1年(52週)は持ちそうだ。
紙パックの交換も簡単で、新しい紙パックに逆流防止弁のオレンジの部品を取り付け、本体にセットするだけ。各社対応の紙パックだと、ダンボールのこの部分とこの部分を切って……なんてやっていると面倒だが、これならご高齢の方でも簡単だ。
ゴミでいっぱいになった紙パックはそのまま捨ててもいいが、ホコリが舞い散らないように輪ゴムで縛るといいだろう。
さらに粋な心遣いが2点。まずは「自立」する点。ちょっと掃除を中断して、Amazonの荷物と受け取ったり、電話に出るときに便利だ。不安定さはまったくなく、きちんと立てられる。
さらに本体には強力なマグネットが付いているので、料理の煮込み具合を見るときなどは冷蔵庫にパチン! と貼り付けて、立たせておくことも可能! これは素晴らしい!
さらにコレを応用して、専用台以外にも5cm四方のただの鉄板を、ネジや両面テープで家具などにつけると、専用台を使わなくても壁掛け収納ができる。賃貸などに済んでいる場合は、壁ではなく家具につけられるので便利だ。
もちろん延長ノズルを外せば、座ったまま使えるクリーナーにも変身。ヘッドを取り外し本体と一体になっているブラシを出せば、机やローボードなどを、さっとお掃除できるハンディタイプにもトランスフォームできる。
本棚や家具の掃除に便利な「静電気モップ」&吸い取り器にも!
この掃除機には、アイリスオーヤマの掃除機で大人気の静電気モップも搭載。専用スタンドにもモップ入れが装備され、本棚やテレビ、ローボードなどのホコリをサッとひと拭きできる。こういう「ヘン」なところによく気づくのがアイリスオーヤマだ(褒め言葉)。
掃除機をかけるほどでもないホコリ汚れは、このモップでひと拭き。掃除が終わったら専用スタンドの下に差し込んで、掃除機をONにすれば、自動的に静電気を除去したあとに吸い付いたホコリを掃除機に回収してくれるというわけだ。なるほどっ! 感動した!
掃除がすべて終われば、床置き式のキャニスターと同様にボタンをプッシュすれば、自動的にコードが内部に巻き込まれる。