走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

たった30gと超軽量のGPSウォッチが快適! ランナーにおすすめの機能性

実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!
COROS(カロス)「PACE 3」

2018年にGPSウォッチのカテゴリーに参入したばかりながら、COROS(カロス)は、超軽量でロングバッテリーライフで、デザインはベーシック、さらに求めやすい価格を実現し、シェアを順調に拡大している。その成長に最も貢献しているのが「PACE」シリーズであり、同シリーズの最新作となるのが「PACE 3」だ。前モデルよりも大幅な機能性アップを実現しつつ、33,000円というリーズナブルなプライスをキープしている。

カロスのGPSウォッチは、オリンピックの男子マラソンを連覇したエリウド・キプチョゲ(ケニア)や、トレイルランニング界のレジェンドとして知られるキリアン・ジョルネ(スペイン)といったトップアスリートにも愛用されるように、その機能性には定評がある。

今回紹介する「PACE 3」は、同ブランドのベストセラーであり、ロードランナーにマッチしたベーシックモデルの最新バージョン。GPSウォッチの業界最軽量をうたった前モデルから、あらゆる面が改良され、ナイロンバンド装着時で30gと、引き続き軽量かつ快適。

さらに業界をリードするカロスのトレーニングソフトウェアを搭載し、トレーニングとリカバリーの両面から、トラッキング、モニタリングが可能となっている。

それに加えて前モデルよりもバッテリーライフを強化。充電時間を最小限に抑え、充電池の容量を拡大。GPS機能をフルに使った状態での連続稼働が38時間、日常使用モードでは24日間も使い続けられる。充電する頻度を減らせ、バッテリー残量の心配をする必要が、ほとんどなくなった。

昨年8月の「北海道マラソン」の少し前からカロスのPACE 2をメインのGPSウォッチとして使い続けてきたが、その軽量性、正確なGPS機能、スマホアプリへのデータ転送の速さには本当に驚かされた。

スマートフォンアプリには走行距離や走行ペース以外に様々なデータが蓄積される
アプリで過去のデータを確認することで、走力向上につながる

そんな後継モデル「PACE 3」を手に取ると、前モデル譲りの軽さが感じられる。バッテリーライフなど機能面で大きくアップしているのに、たったの1gしか重くなっていないことに、びっくりする。

同ブランドのGPSウォッチの特徴的なディテールである、デジタルダイヤルを継承。

インターフェイスはPACE 2に似通っているので、前作を使っていたユーザーはほとんど迷わずに使いこなせるはずだ

そのほか右下にバックボタンを配置するなど、基本的なインターフェイスは似通っているので、操作方法にはすぐに慣れて、日課の6kmランを行なった。

1km毎のラップ通知は音声とバイブレーションの両方で知らせてくれる。ナイロンバンドとシリコンバンドをセレクトできるが、より高いフィット感を求めるなら前者がおすすめ。

その軽量性もあいまって、長時間の着用、ペースを上げた際の大きな腕振りも全く気にならない。エリート選手のなかには「大会には1km毎の距離表示もあるしGPSウォッチは重いから着けたくない」という意見もあるが、このモデルなら、そんなランナーも使ってみたいと思うことだろう。

このように「PACE 3」は、軽量性と優れた機能性、求めやすい価格を兼ね備えたことで、初めてGPSウォッチを購入するユーザーはもちろん、買い替えを考えているランナーの両方にとって、今シーズン最も注目すべき製品だと思う。この価格でタッチパネルが採用されたのも購入への追い風となることだろう。

PACE 3にはナビ機能も搭載しているのは嬉しいところ。3万円台前半の価格ながらタッチパネルが採用されたのも大きなニュースだ
南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『人は何歳まで走れるのか?』『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間50分50秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。