走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

もう少しペースアップしたいランナーに。アシックスの「エボライド スピード」

実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!
EvoRide SPEED(エボライド スピード)

5月のこのコラムでアシックスの「スーパーブラスト」をピックアップした際に、現在のアシックスは様々なランナーの要望に応えるべく、以前とは比べ物にならないくらい数多くのランニングシューズを揃えていることを紹介した。

そんな豊富な製品群において、転がるような着地から蹴り出しまでを実現したのが「ライドシリーズ」であり、最新作の「EvoRide SPEED(エボライド スピード)」は、従来のライドシリーズに新たな特徴をプラスすることに成功しているランニングシューズだ。

アシックスが今春リリースした「エボライド スピード」は、走行効率性に優れた軽量シューズ。ミッドソールには、クッション性と反発性に優れたFF BLASTを採用。前に転がる感覚と、適度なクッション性を兼ね備えたシューズは、レースから日々のトレーニングまでサポートしてくれる。

ミッドソールには、クッション性と反発性に優れたFF BLASTを使用。前に転がる感覚と、適度なクッション性を兼ね備えている

また、低硬度のAHARラバーアウターソールは、さまざまな路面でのグリップ力を向上させるマテリアルを使用。前足部に楕円形の刻みを配列したアウトソールパターンは、楕円形の周囲にある程度深さのある刻みを配したことで、公園の土や芝生といった舗装路以外でもスリップすることなく走ることができる。

低硬度のAHARラバーアウターソールは、さまざまな路面でのグリップ力を向上させるマテリアルを使用。楕円形の周囲にある程度深さのある刻みを配したことで、公園の土や芝生といったアスファルトやコンクリートのような舗装路以外でもスリップすることなく走ることができる

実際に足を入れると、一般的なアシックスのランニングシューズよりも若干スリムな気がしたが、足を包み込むような感覚は個人的には好みの履き心地だ。

通気性とフィット性を高次元で両立したメッシュアッパーを採用

このフィット感の良さは、「ちょっとペースを上げてみるか!?」といった気持ちにしてくれそうだ。走り始めるとFF BLASTのミッドソールは、素材に粘りが感じられる分、着地から蹴り出しまでの間で、高いレベルの衝撃吸収性と反発性を提供してくれる。

日課である6kmランを終えると、同じくアシックスの「エボライド」や「グライドライド」、「メタライド」といったモデルが、足をシューズに委ねた方が効率よく走ることができるのに対し、今回の「エボライド スピード」の場合は、50%程度シューズに動きを任せ、残りの50%は自分の脚力を意識して走ると、気持ち良くペースアップできることがわかった。

「エボライド」などがペースアップしようとした時に多少のタイムラグがあるように感じたのに対し、このシューズではクイックかつスムーズにペースアップできた。そのモデル名にスピードとあるように、従来のライドシリーズよりも速めのスピードで走りたいランナーにピッタリな1足であるといえよう。その走行性能の高さを考えると、1万3,200円という価格は本当にお買い得だと思う。

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『人は何歳まで走れるのか?』『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間50分50秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。