走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

スピードを上げると宙に浮くような感覚で走れる「ホカ オネオネ」のニューモデル「CAVU」

<実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 通常のランニングシューズよりもかなり厚手のミッドソールを装備することで、高いクッション性を確保することに成功した「ホカ オネオネ」のプロダクト。2009年のブランド創業以来、ランニングカテゴリーにおいて急速にシェアを伸ばしてきた。

 そして2018年、ホカ オネオネは新たなコンセプト「FLYコレクション」をスタート。従来よりも軽量性を重視したスペックを採用し、これまでと異なる走り心地を提供する。

ホカ オネオネ CAVU
メーカー名ホカ オネオネ
製品名CAVU(カブー)
実勢価格16,200円

 従来のランニングシューズとは全く異なった極厚ミッドソールを装備することで、比類なきクッション性をランナーに提供することに成功したホカ オネオネのシューズ。極厚でゆりかご状に弧を描くミッドソールにより、抜群のクッション性と着地から蹴り出しまでのスムーズな推進力が大きな魅力だ。

 そうしたシューズ設計から生まれる「マシュマロのような」と形容されるクッション性は、アメリカや日本を始めとした世界中で受け入れられ、シェアを急拡大させている。

  だが、今回登場したFLYは、軽量性と反発性を重視することで、これまでとは違った走行感を生む。同コレクションにはMACH(マッハ)とCAVU(カブー)がラインナップされるが、今回レビューしたのは買いやすい価格の後者のほう。

 まず足を入れてみると、その軽さに驚く。従来の同ブランドのシューズよりはミッドソールが薄いとはいえ、一般的には厚めの部類に入る。それでも重量は、約231gとかなり軽量。しかもアッパーのフィット感が高いため、それよりも軽い200g以下に感じた。

アッパーは部位によって編み方を変えたエンジニアードメッシュを採用。通気性とフィット感の両立に成功している

 立っている状態では、同ブランドのほかのシューズのようなフワフワとした感覚はなく、実際に走り始めても、マシュマロクッショニングを標榜するホカ オネオネ特有の走行感ではない。どちらかいうと着地の衝撃をミッドソールがクイックに吸収して反発する感覚で、スピードを上げると宙に浮くような感覚を得られる。

ミッドソールは他のホカ オネオネのプロダクトと比較すると厚くないが、高いクッション性を誇り、これまでの同社製品よりも高い反発性を提供する

 そして前足部を強く踏み込めば踏み込むほど、足裏に力強い反発性を感じることができた。個人的にホカ オネオネのシューズはゆっくりペースで走る際に着用することが多かったが、このモデルはゆっくりペースのときだけでなく、速めのペースで走る際にも履きたいと思えるシューズであった。またブランドの説明ではランニング以外にフィットネスアクティビティにも対応するとのこと。その汎用性の高さも嬉しい1足だ。

アウトソールはアスファルトやコンクリートといったオンロードで最高のグリップを発揮するパターンと素材を採用

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間56分09秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。