ぷーこの家電日記

第493回

フィナンシェミックスで簡単お菓子作り

涼しくなってきて急に活動がしやすい。私は暑いのが苦手なので、夏は極力外にも出たくないし、無駄な待ち時間や無駄な遠回りは1秒1ミリもしたくないほど動きたくない。逆に夫は寒いのが苦手なので、冬はまるで冬眠したように動かなくなるし、全く外にも出なくなる。

真逆な私たちだけれど、この季節はお互い活動しやすく、予定もなく近所を散策したりして、短い秋を満喫している。先日も散策しながら見つけたお店でランチを食べたりして、結構長く住んでいるつもりで自分が住んでいる街を全然知らないんだなと面白く感じているのです。

そんな短い秋、やっぱり私は断然「食欲の秋」であります。むしろ食欲がない季節がないのだけれど、一気に秋の食材に切り替わってきて「秋だなぁ」と、しみじみ何かと美味しく感じる。

とうとう大好きな新米の季節だし、栗に梨にリンゴにと果物も大渋滞を起こしている。そして、旬の果物がたくさんあるこの季節に、決まって私のお菓子作りブームも訪れる。

春夏の果物はアイスクリームやシャーベットを作りたくなるのに対して、秋は焼き菓子ブームがやってくるのだ。きっと夏場は暑いのでオーブンで焼き菓子を作りたい気分にならないというのと、喉が渇くので焼き菓子を食べたい気持ちにならず、涼しくなってきた頃に、お菓子と熱いコーヒーでホッと一息入れたくなるのだろう。

とはいえ、私が作りたくなるのは本当に簡単なものばかり。普通の家庭料理が目分量で適当でいいのに対して、お菓子はしっかりと計量をして、きちんと作らなければいけないので、基本的にせっかちで適当主義の私とは相性がそこまでよくないのである。

本当は季節の果物を使って、1番好きなタルトを作りたいと毎年思うのだけれど、タルト生地を作って、綺麗に型にはめて焼いて、中に詰めるクリーム作って、さらに焼いて……と、考えただけで面倒臭くて作れない。さっと混ぜて焼く。くらいの簡単お菓子作りが、私の緩いお菓子作りブームにはぴったりなのである。

同じような面倒臭さから、スポンジケーキよりもパウンドケーキを選んでしまうし、スフレチーズケーキよりもベイクドチーズケーキを選んでしまう。手の込んだ繊細なお菓子作りは全くやらない、ズボラお菓子作りブーム。今年も懲りずにそんなブーム到来。

そんな私に物凄くぴったりのものを去年見つけて、もう何度も買っては作って食べている。それは昭和産業が発売している「焼きたてフィナンシェミックス」である。

パンケーキミックスはどこのスーパーでも何種類か置いてあるくらいに、すでに市民権を得ているけれど、あの美味しくて食べると幸せな気持ちになれるフィナンシェが、ミックス粉になっているのを知った時の感動たるや。

1箱に100gずつに分かれた粉が2袋入っていて、少しずつ作れるのもまた嬉しい。作り方は簡単。ミックス粉と水と油を混ぜて220℃のオーブンで10~15分焼くだけ。

油を溶かしバターに変えて焼くと濃厚な仕上がりになって美味しいと説明に書いてある通り、バターに変えて作る方が断然濃厚で美味しく私好みだ。

ボウル1つで混ぜて型に流して焼くだけ。焼いていると部屋中にフィナンシェの香りが漂ってきて、食べる前から幸せな気持ちになれる。

プレーンのフィナンシェも好きだけれど、そこに季節の果物を一緒に入れて焼くと一層好き。いちじくやプルーン、リンゴのコンポートだったり、栗の渋皮煮を一緒に入れて焼くのだ。

もちろん専門店の美味しいフィナンシェと比べるつもりも無いし、プロの作った焼き菓子は美味しいのだけれど、家でこの美味しさがこの手軽さで作れるのはもの凄い感動だ。しかも絶対に失敗しないのだ。

フィナンシェの型は100均でも売っているけれど、私が使っているのは鉄にシリコン加工が施されていてとても使いやすい、「そらとぶフライパン」の8個取りのフィナンシェ型だ。

ミックス粉1袋100gの材料でぴったりこの型1つ分8個のフィナンシェが作れ、焼き上がりも綺麗だし型離れも良くてとても気に入っている。ティータイムに熱いコーヒーと共に食べるフィナンシェも大好きだけれど、秋の夜長にフィナンシェをつまみながら飲むワインも最高!

ちなみに、フィナンシェは名前の通り、由来は「ファイナンス」で、忙しい金融業界の人向けにフランスで考案された焼き菓子だそうだ。クッキーやパイのようにポロポロと溢れてスーツを汚すこともなく、忙しい中手軽に食べられるお菓子。金の延棒を模ったような形もファイナンス由来ならではのゲン担ぎスイーツ。忙しい現代人にもきっとぴったりな焼き菓子だろう。

それでもこのリッチな味わいは、ちょっとゆっくりとゆったりと頂きたいなぁと思っている私なのでありました。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。