ぷーこの家電日記

第492回

一気に訪れる大型家電の買い替え時期に、時の流れの早さを感じる

いつまで夏が続くんだー!? と、なかなか暑さが抜けないまま10月になってしまった。このままずっと夏が続くんじゃないかと錯覚してしまいそうななか、畑では紫蘇が一気に花が咲いて紫蘇の実になってしまったし、ベランダのプランターのニラにも白くて綺麗な花が咲いた。

18時過ぎには日が暮れて真っ暗だし、コオロギの鳴き声なんかも聞こえて、秋の気配どころかすっかり秋の模様。そしてちょっと遅れて気温も下がった。朝いつも通り半袖の服に着替えて仕事に出かけたら、「え……寒い?」と気付く。昼はそこそこ暖かいけれど朝晩冷えて、「何を着たらいいんだ」と非常に悩ましい季節。

10月に入ったということは、今年もあと3カ月で終わるということ。本当に信じられないくらいに年々早く感じる。間違えて2022(年)って書きがちだったのをやっとで間違えずに2023って書けるようになったところなのに(笑)。

20代の頃は「30代になったらもっと早く感じるよ」と言われ、30代になったら「40代になったら転がるように時間が進むから」と言われ、「あぁ、あれは本当だったんだな」と実感している。「50代になったら光のような早さ」と聞いているので、どうなることやら。

若い頃は「なぜおじ様おば様は昔の話ばっかりするんだろう」なんて思っていたけれど、自分がこの歳になって思うのは、「実際の時間の流れと気持ちの時間の流れが合っていないから、つい最近の単位が10年単位とかになるんだろうな」と思う。現に「あれ? あれからもう10年経つ?」と驚くことも多い。「つい最近」が10年前なら「ちょっと前」が20年前だったりする。恐ろしや。

そして先日、SNSのリマインド機能で「冷蔵庫買った」という自分の投稿が表示された。それが10年前の投稿だ。「え? この前買ったのに」と正直驚いた。全然古いものを使っているつもりはなく、むしろまぁ新しい冷蔵庫を使っているつもりが10年経っていたのだ。

同じような時期に乾燥機付き洗濯機を買っているから、どちらも10年クラス。冷蔵庫も洗濯機も寿命はだいたい10年と聞く。もっと長く使っている人も多いけれど、10年を超えると何かと調子が悪くなったり故障したりし始めることも多く、さらにメーカーの部品保有期間も過ぎ、修理したくてもできなくなる。そろそろ何かしら不具合が起きてもおかしくない大型白物家電が2個揃っている状態だ。

嫌だ。嫌すぎる……。私は家電大好きだし、新しいキッチン家電が出たら要不要にかかわらず、すぐ欲しくなるし、つい買ってしまったりする。炊飯器が壊れた時には、「新しい炊飯器が買える! 大好きな米がさらに美味しくなる!」と小躍りして喜んでしまったくらい。

でも冷蔵庫と洗濯機は全然嬉しくない。キッチン家電は「作る」家電に対して、冷蔵庫や洗濯機はどちらかといえば「保つ」家電だ。家事も作る系の料理は好きだけど、保つ系の掃除・洗濯などは凄く苦手というか嫌いだ。家庭内においても運用保守作業はとても大事だと分かるのだけれど、やらなきゃいけないことよりやりたいことを優先しがちな私には、保つという作業は非常に苦手なことで全く心が躍らないのである。

なので、冷蔵庫も洗濯機もなければ物凄く困るけれど、新しい商品に目移りしてしまうほど興味があるわけではない。しかも何よりも洗濯機も冷蔵庫も買うとなれば出費が大きいのだ。そこまで心躍らない2つの大物白物家電を同時に買い替えなければいけないなんてことになると、かなり痛い。少しタイミングをずらして計画的に買わなければダメージが大きすぎる。

ということで、比較的に、どちらに興味があるかといえば断然冷蔵庫だ。とはいえ、あまり興味がないものだから、最新情報を追っていなかったけれど、購入を検討しようとちょっと調べたら「10年でまた凄い進化しているんだな」とめちゃくちゃワクワクしてきた。

肉や魚の鮮度を追求したチルド機能に、野菜や果物を長く新鮮に保つ野菜室、作りたての料理の粗熱をとってくれるなんて便利な機能が付いている冷蔵庫もあったりして、もうただの一定温度を保つ家電という域をゆうに超えた存在になっている。

しかもAIやスマホ連携機能が付いたものも増えてきて、賞味期限の管理や食材の保管場所の提案に、買い物リストの作成からレシピ検索まで、もう完全に有能な秘書じゃないかと思うほどに進化している冷蔵庫。これは心躍る。

でも、買ったものを登録したりチェックしたりと私側がちゃんと運用できるかは怪しい。いくら有能な秘書がいても、ボス(私)が無能なら宝の持ち腐れになってしまう。

どこまで性能を求めるかは非常に悩ましい。でも、冷蔵庫なんてそんなに高い頻度で買い替えるものでもないしどうせなら……。

先日実家のオーブンレンジが壊れたらしく、買い替え機種を検討していた75歳の母が「今度買うオーブンが、一生で最後に買うオーブンになるだろうしね」と言っていて、ずっしりと重く心に響いた。私も冷蔵庫を今度買い替えたら、次に買い替えを検討するのはきっと還暦間近の頃。生活を縮小していくことを考えなければいけない時期なわけで、高機能の大型家電を「よーし買っちゃえ!」と思える機会は今回が最後かもしれない。

そんな言い訳がましい理由を付けながら、ちょっとでっかい買い物しちゃうぞと、冷蔵庫探しを始めているのであります。

そして乾燥機付き洗濯機様におかれましては、できる限りできる限り長く元気に壊れず現役で働き続けて欲しいなと思っております(笑)。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。