ぷーこの家電日記

第318回

我が家の温度感戦争。私の感染症体質が今活きる!

 ここのところ、ニュースを見ても聞いてもCOVID-19の話題ばかり。特にここ1週間、急激に潮目が変わったというか、中々緊迫した雰囲気になっている。朝晩はニュースをチェックするものの、ずっと見ていると不安感が増してくるので、それ以外は録画していたドラマや映画を見たりしながらやり過ごしている。

 私はもともと酷いアレルギー体質でアトピーや喘息で苦しんできた人間で、リスクが高い年齢や基礎疾患を患っているとは言えないまでも、そこそこに危機感を持っている方ではある。

 数年前、アトピーがどんどん酷くなって、常に炎症を起こしている状態になった時は、36℃の平熱が常に38℃くらいになってしまって、数年間はいつもいつもきつくて疲れきっていた。何とか仕事は辞めずに続けることができたが、週末はほぼ寝て過ごしていたし、毎日気をつけていても、感染症の召喚使のようにインフルエンザに溶連菌、乳腺炎(授乳していない)に帯状疱疹などなど、色々なウイルスや菌の侵入を容易に許してきたのだ。

 今は治療のおかげで平熱にも戻り、日常生活を存分に満喫できる体を手に入れ、風邪を引くこともほぼ無く、「健康な体≒体力≒免疫力ってワンダフル!」と、この身を持って実感している。方や夫はと言えば、非常に羨ましい位に基礎体力が高く、ほぼ風邪も引かなければアレルギーひとつない。どんなにハウスダストを撒き散らそうがケロっとしているし、部屋の湿度が40%を切っても全く気付かない上に気にならない程に潤っている。羨ましい!

 まぁそのお陰で私が辛い時も助けて貰えて「あなたの健康を分けてもらってありがとう!」と感謝はしているものの、何もしなくても問題が起きないものだから、「気をつける」と言う気がそもそもゴッソリと抜け落ちているのだ。そんな極端すぎる2人が一緒に生活をしていると発生するのが夫婦間の摩擦。いくら私が気をつけていても、夫が無頓着すぎて、色々持って帰ってきたりバラ撒いたりするのですよ。

 「手洗った?」「うがいは?」「それ雑巾! そんなところ拭かないで!」「ちょっといい加減にしてー!」と、こちらが必死になればなる程、相手からすると「ただの口うるさい人」むしろ、「そんなに元気(口達者)なら、寝てるのだってただの怠け者じゃん」くらいの勢いなワケですよ。冷戦どころか猛烈な摩擦で一発触発! な勢い。

 その誤解と言うか摩擦は、私の治療が功して元気になり、そこそこ家事などもこなせるようになったタイミングで終結した。動けるようになって私が家事などをちょろっとするようになったら、「何が起こった!?」ってレベルで驚き、「すごいよー! ありがとう!」と感謝してくれる(ハードル低い笑)。

 「いくら辛いと言葉で言っても、やっぱり伝わってなかったね」とチクっと言っちゃった事もあったけれど、この摩擦が収まったことは、我が家に平和と光をもたらした。そこまでなってやっとで、ちゃんと話したり聞いたりできる空気になった我が家。

 そして、そんなコツコツとした怪我の功名から、今は感染症予防に関しても非常に協力的だ。無駄に怖がらない、でも当たり前の事をする。「手洗い・うがい・栄養・睡眠・笑顔!」これが我が家の標語だ。

 数年前私がインフルエンザに罹患した時、「インフルエンザ陽性だった」と連絡したら、「分かったー。晩ご飯食べてくるから大丈夫だよ」なぁんて返してきてた。

 のに、また数年前夫が珍しく風邪を引いて、37℃ちょっとの微熱を出しただけでもこの世の終わりくらいに、「ゲホンゲホン。あれ食べたいこれ食べたい」とかって言ってた。のにのに、今週末に(おそらく)胃腸炎を患った夫が、トイレに行く度に、ドアノブから便座から触ったものを全て消毒して、自ら隔離されて引きこもる姿に私は感動して涙が出そうにさえなったよ。

 二人ともサラリーマンで、毎日通勤で結構なリスクは抱えながら出社して、毎日ニュースを見て鬱々としてはいるけれど、リスクの高い高齢の両親が同居していないと言う安心感がせめてもの救い(持ち込みリスクのストレスは凄いと思う……)。「これをしたら大丈夫!」みたいな安易に安心できる物は無く、ただひたすら「手洗い・うがい・栄養・睡眠・笑顔!」これが個人でできる、一番堅実で最大な効果と言う事は分かっているのだ。

 「明日も元気に会いましょう!」と言う同僚との挨拶には心がこもるし、今日も日常が過ごせた事に感謝の気持ちが増していく。無駄に怖がらないのと楽観視するのは似て非なるもの。しっかり怖がるのと無駄に騒ぐのもこれまた似て非なるもの。今日も美味しいものをたっぷり食べてしっかり寝て、明日も元気に過ごそうと思っているのです。ダイエットはまた落ち着いたらやろーっと(笑)。

 そしてまた、今回見えずに分からない敵を前に本当に怖いと感じる事ができた人には、既にワクチンが存在して防ごうと思えば防げるのに、この国ではまだおさまっていない風疹という感染症というものにも目を向けて、未来の子どもたちに協力して欲しいと心底願っております。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まない30代後半。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。