ぷーこの家電日記

第270回

敵は家の中にいる! 室内での野菜栽培攻防日記

 「三寒四温と言うもので、ひと雨ひと雨暖かくなって来ましたねぇ〜」なぁんてベタな挨拶をこの頃よくしている(笑)。気付けばあっと言う間に3月に突入し、春っぽい日があったり、急に寒くなったりと、なかなか騒がしい季節。周りからは花粉症の方々の阿鼻叫喚を見聞きする。私は酷いアレルギー体質で、結構何にでも反応して涙や鼻水が止まらなくなるけれど、不思議なことに杉などの花粉には殆ど反応しない。性格と共に体質までも天の邪鬼のようだ。

 花粉には反応しないけれど、土埃には反応する。趣味の家庭菜園で冬野菜も終わって、ただ今ほぼ更地状態。次の夏野菜の植え付けの前に、堆肥を混ぜたりして土を耕すのだが、半年前に畑を耕した時は途中でクシャミが止まらなくなって、下を向くと鼻水がポタポタこぼれ落ちそうになって難儀した。

 その最初の体験以降、私は畑に行くバッグの中にワセリンをいつも潜ませている。畑仕事の前に目の周りと鼻の穴にワセリンを塗っておくと、ラッピング効果からか、粘膜へのダイレクトアタックを防いでくれる。花粉症に効くと聞いてから試してみたけれど、なかなか効果的なのだ。花粉症の方も少し緩和出来るかもしれないので、鼻にくる人は試してみる価値あるかも!

 そんなこんなで、私の畑は冬野菜も終わり、鼻水に負けることもなく、土作りもそこそこ順調に進んでいる。あとは家で種を蒔いて、苗を育てて畑に植え付ける準備をするために、現在は発芽祭り状態。まだ寒い日も続くので、去年同様、最初に水に浸したコットンで挟んだ種を、32度くらいに設定したヨーグルトメーカーの中に入れて根出しをする。

 水と温かさに「おー、春じゃん!」みたいな感じで根っこが出てきたら、土に移して、夫にDIYしてもらった育苗ボックスに移動させて苗まで育てる。

 芽が出て来る姿が可愛くて大好きでもあるのだけれど、作付け計画というものが苦手で、脳みそが沸騰しそうになってしまう。狭い家庭菜園畑のどこに何をどれくらい植えるか、それに合わせて発芽率も考えてどれくらい種を蒔くか、さらには連作障害などを考えてどう配置するかなど、考えることが多すぎてとても苦手。

 成長してきた苗はどれも皆とても可愛く、破棄する時の罪悪感は嫌いなので撒きすぎないようにしたいけれど、あれもこれもまだまだ作りたい……。ボンっと思考爆発、みたいな感じ(笑)。

 「ただただ撒くのみ!! 後悔はあとで」という、ありがたーい言葉を家庭菜園のお友達から頂いて、とりあえず一心不乱に種を蒔いている(笑)。育苗箱の中の苗を、毎日帰宅後に覗くのが至福の時。「少し伸びたねぇ!」とか、「双葉が美しい!」なぁんてつい話しかけてしまうのだ。

 つい先日、帰宅して「苗ちゃーん」なぁんて言いながら、いつも通り育苗ボックスを開いた瞬間「ギャッ」と思わず声が出た。あ、苗がぁああ! なんと、ポットがひっくり返り、土が散乱し、苗が折れているのだ。箱自体はちゃんと閉まっていたので、開けるまで全く気付かなかった。これは完全密室犯罪ではないか! 限りなく黒に近い容疑者は、白黒と三毛の2匹……。

 しかし怒るどころか、「ますます知恵が付いたのねぇ」と思わず褒めてしまったのだが、これは一大事。発芽率を考えるどころじゃない(笑)。育苗箱の周りに要塞を築いて(ただ荷物置くだけ)、敵の侵入を防がねば!

 慌ただしい栽培計画と慌ただしい猫との攻防を繰り広げつつも、家の中の水耕栽培器にも種をセットした。畑の冬野菜もほぼ終わって寂しいので、葉物野菜を家で育てて食べようと、ちんげん菜と水菜の種を蒔いたのだ。こちらも順調に発芽して、これからの成長が楽しみな頃、これまた帰ったタイミングで「ギャッ」となった。

 全面のカバーが開き、中の栽培カップが1つ取り出されて置かれている。そしていくつかの芽がクタッと折れているではないですか!? この水耕栽培器はシリンダー型で、開けるのに高度な技を要するはずなのに、うちの猫たちがニャンとも天才すぎて辛い(笑)。水耕栽培器は鑑賞用にもステキなデザインなので、正面をモノで塞いでしまうのは悲しい。透明のテープでそっと入口を2箇所止めてみた。猫との攻防はフォーエバー。はてさて、無事に収穫できるのでしょうか(笑)?

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まない30代後半。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。