調理の下処理

[調理の下処理50]栗のような食感!正月食材「クワイ」の下処理方法

イモのような丸い塊茎(かいけい)から芽が伸びた「クワイ」は、レンコンと同じように水田で育つ野菜です。今回は、栗のような食感で、甘味とほろ苦さのある「クワイ」の下処理方法をご紹介します。芽が出ている姿は縁起が良いとされ、おせち料理に使われます。数種類ある「クワイ」のなかでも、流通量が多く、主に食べられているのは、直径3~4cmほどの青クワイです。芽に張りがあり、塊茎が固くてツヤがあるものを選びましょう。

 

下処理1:芽を付けて皮を剥く

クワイは、芽が出た姿が「めでたい」や「出世」を連想させるため、おせちに使うときは芽を付けたまま調理します。芽の薄皮が、剥がれていたり、汚れていることがあるので、薄皮を1~2枚ほど剥がし、芽を2cmほど残して切り落としましょう。皮を剥くときは、クワイの芽と反対側を平らに切り取り、芽を折らないように注意しながら、切り取った部分から芽へ向かって行ないます。煮崩れを防ぎ、見た目良くするために、切り口が6角形になる六方剥きにすることもありますよ。おせち料理では含め煮にしていただきますが、このほかに素揚げ、天ぷら、炒め物などにします。素揚げにするときは、薄皮だけを剥いて丸ごと調理することもあります。

 

下処理2:水へ晒す

アクの強いクワイは、苦味があるため、水へ浸けてアク抜きをします。時間は30~60分が目安です。含め煮にするときは、苦味を和らげるために、さらに下茹でをします。素揚げや天ぷらの場合、下処理はここで終え、水をよく拭き取って調理しましょう。

 

下処理3:下茹でする

含め煮にする場合は、さらにアクを抜くために、米のとぎ汁または小麦粉を入れたお湯で下茹でします。小麦粉の場合は、水500mlに対して小さじ1の分量が目安です。沸騰してから火を弱めて、5~10分ほど茹でましょう。そのあと、水で洗い流し、煮汁の中へ入れて含め煮にします。クワイの苦味が和らぐことで、煮汁の繊細な味が引き立つからです。

 

クワイの種類と保存方法

日本で食べられているクワイの主な品種は、青クワイ、吹田クワイ、白クワイの3つ。出回っているのは青クワイがほとんどで、80%以上が広島県や埼玉県で作られています。吹田クワイはヒメクワイとも呼ばれ、直径1~2cmほどの小ぶりな大阪の伝統野菜。白クワイは中国で作られ、青クワイよりも大きいのが特徴です。クワイの保存は、ポリ袋へ入れて乾燥を避けるか、すぐに使わない場合は、水に浸して冷蔵庫で保存すると日持ちします。縁起の良いクワイを食卓へ並べて、お正月を過ごしてみませんか。

 

 

じゅん(管理栄養士)

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。