調理の下処理

[調理の下処理51]苦味和らげる「春の七草」下処理と、「七草粥」作り方

1月7日に食べる「七草粥」は、1年の無病息災を願って行なわれるようになり、江戸時代に広がった行事です。今回は、古くからの風習である「七草粥」の基本の作り方をご紹介します。七草は下茹でをしてアク抜きをすると、苦味が和らいで食べやすくなりますよ。

 

下処理:七草の下茹で

七草は、水でよく洗います。スズナと呼ばれるカブ、スズシロと呼ばれるダイコンは、イチョウ切りや薄切りにして下茹でしましょう。葉物は、塩を加えた熱湯で茹で、冷水に浸けてアクを抜きます。茹でるときの塩の量は、水500mlに対して塩小さじ1の分量が目安です。粗熱が取れたら水気を絞り、長さ1~2cmに切りましょう。七草の苦味がどうしても苦手な場合は、七草にこだわらず、三つ葉、小松菜など食べやすい青物を数種類組み合わせてもOKですよ。

 

お粥の炊き方3つ

お粥を作る方法は3種類あるので、お好みの方法で炊きましょう。1つ目は、炊飯器で炊く方法です。炊飯器の目盛りに合わせて米と水を入れ、おかゆモードにしてスイッチを入れるだけ。2つ目は、鍋へ米を入れて炊く方法です。茶碗4杯分のおかゆを作る分量の目安は、米1/2合に対して水600ml。研いだ米を鍋に入れ、フタをずらして置いたら、煮立つまで中火にします。そのあと弱火にして30~40分煮たら完成です。3つ目は、鍋へごはんと水を入れて煮る方法。茶碗4杯分のおかゆの目安は、ごはん150gに対して水300mlで、煮立ったら弱火にして5~10分ほど煮ましょう。

 

七草粥を美味しく食べるコツ

お粥が炊けたら、下茹でした七草を加えて軽く混ぜ合わせます。最後に混ぜる理由は、米と一緒に煮ると煮込み時間が長くなり、苦味やエグミが出てしまうからです。七草を混ぜて時間が経つと、風味が落ちてしまいますので、出来立てをいただきましょう。

 

春の七草について

春の七草は、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。これら七草が早春に芽吹くことから、邪気を払うと信じられていました。そのため、無病息災を願って、年の初めに七草粥を食べる習慣が広がったのです。七草は和のハーブとも例えられ、お正月の胃腸疲れに、お粥にして食べるのは理にかなっていますね。

 

 

じゅん(管理栄養士)

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。