調理の下処理

[調理の下処理49]お菓子作りに!「生クリームの泡立て」固さ別の使い方

お菓子のデコレーションに使う「生クリーム」は、ケーキの表面へ塗るとき、絞り出して使うときなど、用途ごとに適した固さがあります。今回は、基本の泡立て方と、固さ別の泡立て目安と使い方をご紹介します。泡立て過ぎた「生クリーム」は、絞り出すと表面がひび割れてしまうことも。デコレーションの仕上がりをアップさせる「使い分け」を、固さ別に見ていきましょう。

 

調理器具と生クリームの準備

生クリームを泡立てるボウルは、ガラスやプラスチック製を使用します。ステンレス製を使うと、泡立て器がボウルに当たって削れ、金属の黒い粒が混ざる可能性があるからです。ボウルの容量は、液状の生クリームが1/3量になる大きさを目安に選びます。大きめのボウルを使うことで空気に触れやすくなり、泡立ちが良くなりますよ。調理器具は、水分や油分を落としてから使いましょう。また生クリームは冷蔵庫で5℃程度に冷やし、氷水を当てながら泡立てます。温度の高い生クリームは、黄色っぽく、ぼそぼそした状態になるため、上手く泡立ちません。

 

泡立て方のコツと、砂糖を入れるタイミング

手で泡立てる場合は、ボウルを傾け、泡立て器を左右にスライドさせて動かします。円を描くように大きく混ぜるよりも効率良く泡立ちますよ。ハンドミキサーの場合は、均一に混ざるように動かしつつ、撹拌しすぎないように注意しましょう。砂糖を加えるタイミングは、グラニュー糖や上白糖など粒が大きい砂糖は、馴染みやすいように泡立てる前に加えます。粉糖など粒が細かく溶けやすいものは、少し泡立ててから加えましょう。生クリームは砂糖を加える前のほうが、空気を取り込みやすく、泡立ちが良いためです。

 

生クリームの固さ6~7分立て

6分立ては、泡立て器を持ち上げると帯状に落ち、跡がすぐに消える固さで、デザートソースや、ムースを作るときなどに使います。7分立ては、帯状に落ちて跡が残る固さで、しっかりとした角ができる手前の状態です。ケーキ表面に塗りやすい固さで、滑らかに仕上がります。また、焼き菓子に添えるなど、トロッとしつつも形を保つデコレーションをしたい場合にも向いています。

 

生クリームの固さ8~9分立て

8分立ては、しっかりとした角が立つ状態です。サンド用に使い、スポンジをしっかりと支えて貼り付けることができます。また絞り出してデコレーションに使うのも、この固さです。少し柔らかいと思うかもしれませんが、クリームを絞り袋の口金から出すとき圧力が掛かって固くなるため、角は立つけれども少し柔らかい、この固さのクリームが適しています。ボウルのなかでちょうど良い固さだと、絞ったときにクリームの表面がひび割れを起こします。9分立ては、さらに固くなり、泡立て器からも落ちないほどで、これ以上泡立てると水分と脂肪分が分離してしまう状態です。9分立ては滑らかさが減少してしまうため、8分立てまでがよく使われます。

 

乳脂肪のクリームと植物性クリームの違い

一般的な生クリームは「乳脂肪」のものと「植物性脂肪」のものの2つに大きく分けられます。乳脂肪のクリームは、脂肪分が高いほど味が濃厚で、泡立ちが良いのですが、泡立て過ぎると分離しやすい特徴があります。乳脂肪のみのクリームのほかに、植物性脂肪や乳化剤などを混ぜたものもありますよ。植物性のクリームは、分離しにくく、乳脂肪のクリームよりも少し柔らかく、また値段が安いのが特徴です。どちらもそれぞれ長所があるので、レシピに合わせたり、使いやすいクリームを選んでくださいね。

 

 

じゅん(管理栄養士)

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。