老師オグチの家電カンフー

男の日傘は暑くなる前に買っておけ!

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
3月の日差しでもしっかり熱が遮断できることを体感できる、モンベルの「トラベル サンブロックアンブレラ」

ちょっと思い出してみて、去年の夏を。

猛暑だの酷暑だの地球沸騰だの言われた、とにかく暑さが厳しい夏でした。2024年も、予報によると地球温暖化とエルニーニョ現象の影響で、全国的に猛暑なんだとか。

夏の日差し対策で有効なのが日傘です。昨年の夏、仕事で大阪に通っていたのですが、大阪で自転車に乗っているおばちゃんは、ほぼ100%日傘を取り付けて走行していました(少なくとも、天王寺・阿倍野エリアは)。

ハンドル部分に装着する傘スタンドなるアクセサリーがあるんですね。東京ではあまり見かけないのはなぜでしょう。

ちなみに大阪府警察のWebページには、「傘スタンドを使用しての傘さし運転について」として、以下のような注意喚起がなされています。

●道路交通法 第70条(安全運転の義務)
通行人に傘が接触し、他人に危害を及ぼした場合(交通事故)等は、危険行為の対象となる可能性があります。

●大阪府道路交通規則 第11条第4号(軽車両の乗車又は積載の制限)
「傘スタンド」に傘を積載した場合に、傘の幅及び高さの制限は、
・幅:0.3メートル
・高さ:2メートル
で、超えた場合は違反になります。

大阪府警察 自転車運転者講習制度チラシ1

幅30cmの傘なんてないやろと思いましたが、自転車のハンドルから左右各15cmを超えてはみ出さなければOKらしい。自転車はともかく、あの猛暑で外を歩くには、男も日傘を差すべきだと肌で実感しました。無防備で歩くとシミも増えそうですし、熱中症も怖い。おばちゃんの自転車走行を横目に見つつ、「男が日傘なんてかっこ悪い」なんて固定観念は、去年の夏、あっさり溶けたのです。

そして、男が買うべき日傘はどれだろうと調べたところ、アウトドアメーカー・モンベルの「トラベル サンブロックアンブレラ」を見つけました。紫外線の遮へい率90%以上でありながら、晴雨兼用で130gと軽量。これなら雨対策として1年中鞄の中に常備できそうです。

モンベル「トラベル サンブロックアンブレラ 1128658」。直販価格は5,940円。カラーは、ブルーグリーン、オレンジ、タンの3種類あります
収納ケース込みの実測値は137g。ちなみにコンビニなどで買える一般的な折りたたみ傘は200g程度です

ちょうど宿泊していた天王寺にアウトドアメーカーのモンベルのショップがあったので、開店と同時に駆け込みました。しかし見事に品切れ(当然のことながらオンラインショップでも完売)。店員さんに聞けば「年内は入荷の見込みなし」とのこと。

近くのショッピングモールも覗いてみましたが、ほとんどの日傘はレースが付いているなど女性向けのデザインばかり。マジで日傘メーカーはジェンダーレスデザインの製品作った方がいいと思う。

あべのハルカス隣の「モンベルあべの店」。開店時間に行くも「トラベル サンブロックアンブレラ」はとっくのとうに品切れ

あれからちょうど半年が経ちました。モンベルのオンラインショップを覗いたところ、ありましたよ「トラベル サンブロックアンブレラ」。昨年の体験を踏まえて即購入。とりあえず、この夏の日差し対策は完了しました。

そして、この原稿を書きつつオンラインショップをチェックしたら、男性には一番人気なはずのカラー「ブルーグリーン」は完売していました。Amazonなどには在庫ありましたが、お値段ちょっと盛り気味。欲しい方は早めにチェックした方がいいですよ。あと3カ月もすれば梅雨の季節にもなりますしね。

傘を開く際は、手で全ての骨(関節)を伸ばす必要がある。ちょい面倒だが軽量化を重視するなら仕方がない。なお使用時の直径は88cm
先端のループは濡れた傘を乾かす際に吊せて便利
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>