老師オグチの家電カンフー
第25回

家電の進化は地球外へ!? スペースシップ家電の小宇宙
2017年1月11日 07:00
いずれ人類が地球に住めなくなり、宇宙へ脱出する時のために家電は進化しています。はい、嘘です。しかし、SF映画で見る宇宙旅行の世界に、家電はどんどん近づいている気がします。キーワードは、「なんでも全自動」「省資源」「省スペース&直流対応」です。
なんでも全自動で、ひとりでもへっちゃら
宇宙船は少ない人数で運行しなければならないので、工場のように自動化が進められます。人にかかるコストがいちばん高いので、家事は専業主婦やメイドさんではなく、基本セルフです。まぁ、宇宙旅行が一般化すれば、飛行機のファーストクラスのようなサービスも出てくるのかもしれませんが、現実には生活にかかる作業は自動化されるでしょうね。
2017年は、現実に「ここまでやるのか」という全自動家電が登場してきます。洗濯物をたたむ家電、衣類を自動でリフレッシュする家電、体調を診断してサプリメントを調合する家電などです。
SF映画では宇宙船の操縦や運営をアシスタントするロボットが出てきますが、現実にも音声アシスタントとして、家電を操作するロボットが開発されており、映画の世界が近くなっていると感じます。話せるロボットがいれば、ひとり宇宙旅行でも、ひとり暮らしでも寂しさをまぎらわせるでしょう。そうでもないか。
水の惑星から遠く離れて
宇宙空間でもっとも貴重な資源は空気や水です。水は再処理されて使い回されますし、なるべく消費しないよう工夫されるでしょう。家電はこれまでも省エネ化が追求されてきましたが、節水方面の進化もあります。
アクアは、少ない水で部分洗いする「COTON」や、水を一切使わずオゾンで衣類を洗う「Racooon」を発売。「そんなんじゃ汚れを落としきらないだろう」という意見もあるでしょうが、宇宙旅行となれば汚れが付きにくい、落としやすい素材の服を着ることになるでしょうから、これで十分かと思います。
水といえば、屋内で水耕栽培できる製品もいくつか出ており、宇宙船に設けられる野菜工場のようです。
省スペース&直流対応で宇宙は近い
映画などでは巨大宇宙船も存在しますが、現実には宇宙船というのはスペースが限られているため、施設はコンパクト化されます。家電にも持ち運びを可能にした製品が増え、アウトドアなどで使用されるようになってきました。
これらモバイル家電の多くは、コンセントではなくバッテリーや直流電源対応。実は国際宇宙ステーションをはじめ、宇宙船でも直流電源がベースです。発電所から家まで距離のある設定では交流のシステムが向いていますが、宇宙船であれ自動車であれ、限られたスペースでは直流の方が適しているんですね。家電もLEDやDCモーターなど、直流へと傾斜してきています。草葉の陰でエジソンもほくそ笑んでいるでしょう。
個人的にはまだまだ欲しい家電があるのですが、狭いマンション暮らしで置く場所がなく、もっと省スペースになればいいと思っています。しょぼい悩みですが、ベクトル的にはNASAやJAXAの担当者と同じ悩みじゃないですかね。視線は遠くに置きたいものです。
しかし、これまで空間の意味でスペースと書いてきましたが、スペースには宇宙の意味もあるじゃないですか! 新年から話広げまくりましたが、ちょうどよかったかも。今年もよろしくお願いいたします。