藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

リンレイのつやピカフローリングで手軽にできる床磨き
2025年1月22日 07:05
筆者はヤングの動向を、日々比較的リアルタイムに中・高・大学生の娘たちから得ている。
するとどうやら彼女たちが接しているSNSインフルエンサーたち(日本、海外とも)が、「2025年」を迎えることに対して怯えや焦りの気持ちを抱いているらしいのだ。
なぜなら「2020年以降の記憶があまりない」。ほぼこの5年間をふわふわした「空白」のように捉えている。だから当の娘たち自身も「今」の年齢や境遇に現実味が非常に薄いらしい。「2025年」という数字にびっくりしてしまう。
そう聞けば、薄ら寒い程度にこちらにもそんな体感はやはりある。でも半世紀も生きている筆者とまだ20年も生きていない子供世代の空白の重みは比べるべくもなく、いささか悄然としてしまう。
SNSといえば自己演出の競演のようだった世の中に2024年末、突然にぶっ込まれたmixi2は、インターネット老人会世代を中心に蔓延した。友人の一人は言った。「余計な情報が入ってこないのがいい、バズっているだけの見知らぬ他人の動向に心乱されることもない」。
この数年の「空白」に知らぬ間に侵食していた、どこかの華やかな誰かの生息情報など本来不要なのだ。素敵生活、できる家事の誇示などは……。
そうこう暮らしているこちらもこの5年のうち着々と劣化していく。ここは築23年の住まい。子育てフル稼働のなか傷みし床、しばらく金額かさむリフォームの予定もない。
アンケートを取れば7割が大掃除をしたいと答えるものの、本音ベースのSNSと言われるThreadsを眺めれば「本当は大掃除をしない人?」という呼びかけに、瞬く間に数百の賛同が寄せられるのだから、本当の本当のところを言えば新年明けて1カ月経つ頃も「ああやり残した」あるいは「やる気もなかった」汚れは、当たり前に暮らしのあちこちにあるのではないだろうか。なんだかあっという間に2025年になってしまったが、やれやれ。
そうして筆者はいま暖房を効かせた1月の住まいのキッチンの床にしゃがんで、暮れにやりそびれた傷だらけの床を磨く。左手に「つやピカフローリングクリーナー」を持ち、利き手にディスポ手袋を被せて、まずは床にこびりついた油膜を剥がしていく。
茶色く汚れていく不織布。一通り拭いた後に家族に頼んで掃除機で拭き残しを吸う。その間に素早く乾いた床に今度は「つやピカフローリングコート」を、丸めたキッチンペーパーで塗り込んでいく。これも左手でスプレーしながらだが、さもない作業だ。大掛かりな準備も、特殊な技術も何もいらない。しかしみるみる間にささくれた床がツヤツヤに輝いていく。なんだろう、この匂いは、小学校の時の図工の時間に嗅いだ糊の匂いに似ている。
ワックスは、わざと塗ったところと塗ってないところを作ると目に見えて違いがわかって愉快だ。家族に「どうよ?」と違いを知らしめたのちに、残りも塗っておしまい。やってしまえばただこれだけのことを、億劫がってやれなかったのは心の忙しなさゆえであり、本当は物理的に「不可能」じゃなかったりする。
人は心ここに在らずであるほど体感時間を短く感じるものらしい。没入しすぎても、上の空であっても。別に良し悪しではないけど、今年は少し「今」をしっかり味わいながら生きたいと思う。床磨きはその作業姿勢からして、非常に地に足のついた生活瞑想になる。古びた家のメンテ方々、新年の新しい試みとして、参考にしていただければ幸いだ。