藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム
まな板除菌やコンロ掃除にも便利だった、カインズ「キッチン楽カジシート」
2023年7月26日 06:05
店頭で一度素通りしたのに、戻ってきて買ってしまうものがときどきある。
その日の買い物の主目的ではなく、必要に迫られているわけでもないものなのに、妙に後ろ髪を引かれてしまい、買う。
基本的に「無くてもなんとかなるものは要らないもの」だとする考え方には一理あると思っているし、シンプルライフやミニマリズムも長年憧憬してやまないあり方だ。
だから筆者が、特に必要なわけではないが「気になったから」という理由だけで、ものを買って使ってみる行為には半分以上「仕事」という要素があるにはあり、とはいえ目的外のものにサッと手が伸びてしまう時には一種の職業的勘が働いているのも確かなのである。
さてこのカインズ「キッチン楽カジシート」なのだが、なんとなく買った時点では何に使うものなのか全くピンと来ていなかった。実は購入してから封を切るまでにタイムラグがある。
買っておいたことを忘れかけていたタイミングで、「これなんだったっけ?」と手に取りシートを引っ張り出したところで、キラーンと閃いた。
筆者は家人に家庭のおさんどんを明け渡して数年経つ。基本的にキッチンの全てに口を出さないようにしているのだが、まな板の黄色ブドウ球菌を見過ごせず、ときどきこっそり漂白活動をしている。
しかしこのまな板、キッチンペーパーで漂白剤湿布するとペーパーがボロボロに分解されてしまうし、ラップで大きく使おうとすると、やたらペタペタひっつくので無駄にしがちで、どうしたものかと思っていたのだ。
「もしや、このシートは、アレにすごく良いのでは?」。閃きのままシートを片手にキッチンに向かう。そしてまな板に次亜塩素酸ナトリウムを垂らしてその上から「キッチン楽カジシート」をぺたりと貼り込む。
表面張力が即座に働くのが手指から伝わってくる。そして、そのままたっぷり30分、全く乾かずに放置できた古いプラスチックまな板は隅々まで漂白剤が行き渡り、黄色(ブドウ球菌)も黒(カビ)も茶色(い謎のシミ)もすっかり消えていたのだった。
......いけた!!!
とはいえ「キッチン楽カジシート」には掃除用途は挙げられていない。30×45cmサイズのポリエチレン製のこのシートは、基本的に調理の際の補助的使用が謳われている。
例えばキッチンの作業台は、いくらきちんと拭いても食材を(特に生肉など)直に載せる気には全くならないものだが、このシートを敷いた上にだったら「えい!」と置いてしまえる感じになる。
揚げ物をするときなど作業台に楽カジシートを1枚敷いたその上に片栗粉を撒き、味をつけた鶏肉をポイポイポイと投げ入れて粉をまぶす作業もすごくダイナミックに済みそうだ。その場合、片付けもシートをくるくると畳んでまとめるだけであり一瞬。あるいはダイニングテーブルで餃子を閉じていくときにも、これを敷けばフラットに置き続けることができる。
このシート、1枚30×45cmサイズ、余談だが小学校の机の天板が、おおよそ45×65cmなので比べると存外広い。
筆者宅ではもう大きくなってしまったので機会がないが、子供にダイニングでお絵描きなどさせるときにこれなら染みる心配がないし、粘土遊びなど夏休みの宿題をさせるときの下敷きにもなるはずだ。
あるいは大人が工芸とか手芸をするときのテーブル保護にも使えそうである。外出時にお尻の下に敷く簡易レジャーシートとしても使えるのではと思い付いた。しかも使い捨てだ。
そして冒頭の掃除用途の湿布利用で言うと、キッチンのコンロ周りなどにアルカリ性洗剤を行き渡らせるための湿布にもこれが、すこぶる便利なのだ。
とにかくラップを広く垂直に貼ろうとするとホントにペタペタひっついてしまって、何枚も無駄にしてしまいがちだしキッチンペーパーでもすぐ乾く(特に気温の高い季節)。という問題を綺麗に回避できる。後ろ髪を引かれて購入した面目躍如と自画自賛だ。
便利グッズには痒いところに手が届く単一用途のものと、意外な多用途を伴うものとがあるが、典型的な後者である「キッチン楽カジシート」。
他にも、思いも寄らない使い途があるかも知れない。使ってみて、閃いて、編み出したり発見したりすることがあったら、ぜひ教えてほしい。