藤原千秋の使ってわかった! 便利家事アイテム

洗えないソファやオフィスチェアを拭き洗い ~布・カーペット ウエットぶきシート

家事アイテムオタクなライター藤原千秋が、暮らしの不具合等々への現実的対処法とともに、忌憚ないアイテム使用感をご紹介していく連載記事です

 子どもが大きくなって、17年使った革ソファを羽毛クッションの布ソファに買い替えたとき、その柔らかさにちょっと感動して変な声が出た。なんというか、存在として「別物」感があった。どちらが上とか下とかという話ではなく、「布って、やっぱり、柔らかいんだぁ」と実感したのだ。

 子どもたちが幼い頃、ソファはちょっとした遊具扱いで、皆よじ登ったり転がったり。また舐めたり漏らしたり絵を描かれたりし続けたその革ソファは、座り心地やインテリア性よりも、掃除しやすい点が高評価な存在だった。

 新しい布ソファの感触に家族は程なく幻惑され、競ってスッポリと嵌りこんだ。目立った粗相こそないもののソファはみるみるうちに汚れた。自然の理だ。

 ソファ本体やクッションのカバーは取り外してクリーニングが利くものだったのだが、洗いに出している間ソファが使えなくなることに躊躇し、先延ばしにしてしまった。

 そんな頃合いに「布・カーペット ウエットぶきシート」が出たので使ってみた。我が家にはこの布ソファの他にも、布張りのオフィスチェアが複数ある。

 オフィスチェアは残念ながら、表面のカバーを取り外して洗うような構造ではなく、そもそもどうにもならないのだけど、目立たないながらも確実に腿裏から出る汗やら、部屋のホコリやらで汚れてしまっている確信がある。なので、ソファとチェア、どちらにもウエットぶきシートを使ってみた。

クイックル 布・カーペットウエットぶきシート
メーカー名花王
製品名クイックル 布・カーペットウエットぶきシート
実売価格455円(8枚入)

 結論から言うと、それらのリアルな汚れっぷりが可視化され、思わず「ゲッ……」という声が漏れた。ほんとうに。人の座る「椅子」って、こんなに汚れているものなんだ……ということを知った。

 ただまあ実のところ、布(ファブリック)類の「拭き洗い」方法は、これまでにもあった。アルカリであるセスキ炭酸ソーダの水溶液を染み込ませたタオルをレンジでチンして温めたもので、毛足の長いラグを拭いて、皮脂汚れなどを落とすといった方法。

 また市販のデリケート衣類用洗剤を水道水で希釈して、その洗剤液で同様に拭く方法。いずれであっても、皮脂汚れなど中心によく落とせたし、コストも比較的抑えられていて、とてもいい掃除方法だと思っていた。

 ただこの「拭き掃除」にはちょっとした手間、掃除の場に水場が必要だったり、拭いた道具の後始末(洗濯)などといったハードルが存在した。つまりオフィスなどで手軽にできるようなやり方ではなかった。

ソファを拭いてみると想像以上に汚れていた

 この点、ウエットぶきシートはパッケージを開いてすぐに使えるし、掃除使用後はそのまま捨てられるので、ハードルは低く、容易さは段違いに高いといえる。

 「布」は気持ちいい。しかし、汚れる。身の回りで、こういった汚れの存在に思い当たる節のある方は、ぜひ実際に拭いてみて「ゲッ」とか「ギャッ」とか、なってみてほしいと思う。そうして、皮脂やホコリを拭いて綺麗にした後の、えもいわれぬサッパリ感を経験してみてほしい。

藤原 千秋

主に住宅、家事、育児など住まい周りの記事を専門に執筆するライターとして17年目。リアルな暮らしに根ざした、地に足のついたスタンスで活動。現在は家事サービス、商品開発アドバイザリー等にも携わる。大手住宅メーカー営業職出身、中3、小5、小1の三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー‼』(オレンジページ)など著監修書、マスコミ出演多数。