家電レビュー
“寝ながら映画”も叶う小さなプロジェクターがたのしすぎて寝られない!?
2021年12月27日 08:05
だらけまくった生活を送っていると、起き上がっている状態がすでにしんどいと思うようになりました。ずっと寝ていたい、なんでも寝ながらできたらいいのに。その最たるもののひとつが「寝ながらテレビ」です。
ソファにも寝転ぶことはできますが、違うんです。ベッドで、布団にくるまりながら、なんならそのまま寝てしまえる、そんな環境で見たいのです。
そう思っていたところに、プロジェクター一体型のシーリングライトを販売するpopInから寝室用プロジェクターが発売されるとの情報が。現在、先行販売中で価格は69,800円。12月下旬以降に発送予定だそうです。
こんな堕落した思想とは正反対のおしゃれなデザイン。コンパクトな筒形なので、もしかして天井に投影することもできる……? 夢の「寝ながらテレビ」を実現するべく、一足先にお借りして試してみました。
使い方は簡単。映像もくっきりでテンション上がる
本体は花瓶をイメージしたデザインで、こっくりしたキャメルブラウンのカラーがプロジェクターっぽくなくてすてきです。自立するリモコンとセットになっています。
背面に端子などもなく、360度どこから見てもすっきり。本体に唯一ある端子は底部の電源用USB Type-Cだけ。そのほかの接続はすべてワイヤレスです。
憧れのホームプロジェクターにドキドキしながら電源を入れると、リモコンのペアリング、映像の位置調整などの設定がスタート。手順に従ってインターネットの接続まで済ませたら、すぐに使い始められます。
本機は寝室での使用をメインにしていて、ベッドから壁に向かってななめに投影しても、オートフォーカスと自動台形補正機能が働いて、結構ちゃんと映るのが特徴的。細かな台形補正はリモコンで水平/垂直30度に調整できます。
暗い環境で使う想定なので、明るさも200 ANSIルーメンと暗め。そのため日中の明るい時間帯は遮光カーテンがないと厳しいかもしれません。
設定の段階から、想像以上に文字がくっきり見えて驚きました。試しにAmazon Prime VideoやNetflixにログインして映像を再生してみたところ、さすがに細かい文字は見づらい部分もありましたが、映像は鮮明できれい!
自宅はでこぼこした壁紙ですが問題ないようです。壁のスイッチとかぶっている部分も、画面の端であれば特に気になりませんでした。
音質は結構こもった感じなので、音にこだわったり映画やライブ映像を見たりする場合は別途スピーカーを用意した方がよさそうです。
搭載している動画配信アプリは、YouTube、Amazon Prime Video、Netflix、U-NEXT、Hulu、ABEMA、dTV、dアニメストア、DAZNなど。このほか自宅のチューナーやレコーダーを接続してテレビ番組を見たり、別売のワイヤレスHDMIアダプターを接続してゲームもできます。
アプリの操作方法がサービスによって異なり、Amazon Prime Videoはリモコンを一度押すと次のコンテンツを選択できるのですが、Netflixはボタンを押しているあいだだけカーソルが動く仕様で、使いやすさに差がありました。
念願の天井投影、最高です
動作確認をしたところで早速、天井投影を試してみます。なお、あくまでも本機は立てた状態での使用を想定しているため、天井に向けた場合にオートフォーカス&台形補正をするセンサーが機能しなかったり、長時間寝かせた状態で排熱面を塞いでいると正常な動作に影響したりする可能性もあるとのことで、注意が必要です。
まずは設置。本体は筒状で安定しないため、本体が入っていたボックスのフタを使うと寝かせやすいです。
そして電源オン……! すごい、天井に画面が映ってる! ちゃんと台形補正もされており、手動で少し調整するだけで済みました。
念願の天井投影に選んだのは、話題になっているのを知りつつも未視聴だった「イカゲーム」(Netflix)。全9話でサクッと見られそうと思ったのですが、なかなかに精神を削られる展開でした。
1話を見ていて「なんかしんどいな」と思ったのですが、それは映像を映す位置に問題がありました。画面の真下から見る体勢だとまっすぐ上を見続けることになり、画面上部は見上げるような形になるので目が疲れてしまったのです。
これを踏まえて投影位置を下げ、プロジェクター本体を足元付近に設置。視線を楽な位置に落とした状態で見られるようにすると、しんどくなりませんでした。これは天井だけでなく壁に投影するときも同様で、大きく投影したものを近くで見るときは、画面を目線より下げると楽に見ることができそうです。
寝室にプロジェクターがあると楽しい!
天井投影はこれくらいにして、本来の使い方に戻りましょう。寝室ではベッドのヘッドボードや、足元にサイドテーブルを持ってきて設置してみました。足元と壁は2.3m離れていて、約80インチ(実測値173×96cm)の大きさに映せます。
寝室にプロジェクターを置きっぱなしにしていると寝る前に「なに見ようかな」と、ついリモコンを手に取ってしまいます。起動こそテレビより時間がかかるものの、ボタンひとつで大画面の映像を楽しめるのはお手軽。いつもよりリラックスした姿勢で見られるのもうれしいです。
ドラマやアニメ、ライブ映像を見てしっかり気分転換をして、次の日に備える。在宅勤務でなかなか仕事とプライベートの切り替えが上手にできていなかったのですが、寝室プロジェクターのおかげで自然に気分転換の習慣がつきました。ついでに、夜ふかしすることも増えました。
またベッドの上で動画を見ながらストレッチをしているときに、プロジェクターの意外なメリットも発見。
いつもはスマホでYouTubeのお手本を見ながらストレッチしていたのですが、体勢を変えたときに画面が見づらくなるので困っていました。それがプロジェクターで大画面に映すと、どんな体勢でも少し頭を動かせば目に入るので、お手本を見失わずに好きなだけ体を伸ばせました。
ちなみにAladdin Vaseには「おうちフィットネス」などのアプリがプリインストールされています。無料で視聴できるものもありますが、基本的には月額制の有料コンテンツです。YouTubeのアプリも入っているので、いつも見ているお気に入りの動画があれば、そちらを見るのもいいと思います。
楽しみ方はネット動画だけじゃない
寝室に置くプロジェクターとしてうれしいのが、「おやすみタイマー」「おはようタイマー」の2つの機能。おやすみタイマーは、就寝時間に合わせてヒーリング音楽とライトで快適な睡眠へと導いてくれます。おはようタイマーは起床時間になると美しい風景を投影し、鳥のさえずり音を流します。
特におやすみタイマーがヨガスタジオやマッサージ店で流れているような落ち着く音楽で寝る前のリラックスにぴったり。子供用に絵本の読み聞かせモードもあります。
本体の動作音は1mの距離で29dB以下と大きくはないのですが、就寝中につけっぱなしだと気になりました。おやすみタイマーで電源オフにもできるので、環境に合わせて設定してみてください。
このほかにも、一定時間操作がなかった際に世界の美しい風景や月の満ち欠けを投影する機能など、使っていないときにも楽しめるメニューがたくさんあります。
テレビとは違う特別な楽しみ
寝室のベッドの上や足元、リビングでも使ってみて、電源コード1本つなげれば好きな場所に設置できる気軽さがとても使いやすかったです。一方で「大画面をくつろいで見たい」場合は、家具や間取りの制約を受けることもありました。
本機を使って大きく(70インチ)投影する場合は「障害物のない壁面から2mくらい離れた場所にプロジェクターとソファなどを置けるスペース」が必要です。我が家のリビングで使う際は家具のレイアウトを変える必要がありました。寝室にとどまらず、家のさまざまな場所で使いたいと考えるならば事前にチェックしておきたいところです。
とはいえ、壁から1mほど離せば30~40インチの大きさにできるので、気分を変えていろいろな場所で使えることは確かです。ネット動画はテレビやスマホでも見られますが、プロジェクターのある生活はテレビとはまた違った楽しみがあります。
映画館のような特別感、好きな場所に置ける自由度、動画以外でも楽しませてくれるコンテンツ……はじめは寝ながらテレビが見たいという怠惰から試してみましたが、使い方は思った以上に幅広く、もっと活用できる方法もあるかもしれません。少し遅めのクリスマスプレゼントにもよさそうです。