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ケーブル一体バッテリーだから安心、Ankerでピンチも乗り切った
2025年2月17日 09:05
スマートフォンユーザーには必需品のモバイルバッテリー。アンカー・ジャパンが発売した「Anker Nano Power Bank(30W, Built-In USB-C Cable)」は、10,000mAhの容量を持ち、USB Type-AおよびUSB Type-Cのポートと、USB Type-Cケーブルを内蔵したコンパクトなモバイルバッテリーだ。今回、同社から提供された製品を使って長期レビューを行なった。長期間使ったことで分かった、実際の使い勝手などを紹介したい。直販価格は6,490円。
モバイルバッテリーを使っていてありがちなのが「必要な時に充電ケーブルがない」こと。今回紹介する「Anker Nano Power Bank」は、USB Type-Cケーブルが内蔵されており、いざという時に困らないモバイルバッテリーだ。
PD/PowerIQ搭載で、最大30Wの入出力に対応する。内蔵USB Type-Cケーブルの他に、USB Type-C端子とUSB Type-A端子が備わっており、複数デバイスの充電に対応。複数ポートを使用する際は、合計で24Wの出力に対応する。
例えばスマートフォン2台持ちの場合、内蔵のUSB Type-Cケーブルに、もう1本のケーブルを加えれば、2台同時に充電できる。また、ワイヤレスイヤフォンなど、さらにもう1台のデバイスの充電も行なえる。
バッテリー本体のバッテリーが切れた際も、内蔵ケーブルで充電できるのが便利だ。なお、内蔵ケーブルとUSB Type-Cポートの2系統から同時に、バッテリー本体を充電することはできない。
10,000mAhの容量は、スマートフォンおよそ2台分を充電できるものだ。バッテリー残量をゼロにしてから充電する人は少ないので、2台持ちの人でもそれぞれ一回はフル充電できるし、さらにイヤフォンなど周辺デバイスも賄える。215gの重量は、10,000mAhのバッテリーとしてはまぁまぁな部類。コンパクトゆえにずっしり感はあるといったところだろうか。
ストラップにもなる内蔵ケーブルは便利な一方で注意も必要
本製品における最大の特徴は、USB Type-Cケーブルが内蔵されていること。このケーブルが、ストラップとしての役割も果たす。スマートフォン用の首掛け/肩掛けストラップを使用している場合、一緒にぶら下げながら充電できる。ただし、そうした使い方の場合、スマートフォンの重さにバッテリーの重さが加わるため、長時間の使用では首や肩の負担が気になるだろう。
内蔵の充電ケーブルを、ストラップ代わりに使うのは賛否もある。通常のケーブルの場合、ストラップとして使用すると、コネクターが不意に抜けたり緩んだり、ケーブル内の電線が断線する恐れもあるからだ。
もちろん、本製品のケーブルはストラップとしての使用を想定した設計となっているだろう。だが「充電ケーブルをストラップ代わりにする」という意識づけをしてしまうのは、他のケーブルをトラップ代わりにして断線させてしまうなど、事故に繋がりかねない。あくまで同機に限って、ケーブルをストラップとして使える、特別なものだという理解が必要だ。
1つだけ持って行く場合に第1候補にしたいバッテリー
筆者はスマートフォン2台に加え、イヤフォンやボイスレコーダー、場合によってはパソコンなど複数のデバイスを持ち歩いている。だが最近ではAnker Nano Power Bankの1台だけで十分に対応できている。1日の外出なら、このバッテリー1台でスマートフォンや周辺機器の充電が賄えるため、他のモバイルバッテリーを持ち歩く必要がなくなったのだ。
宿泊を伴う旅行や、長期の取材などでは追加のモバイルバッテリーを持って行くこともある。その際は、より出力(W数値)の高いモバイルバッテリーを温存し、Anker Nano Power Bankでスマートフォンやイヤフォンなど、出力の小さい機器を充電している。
とはいえ、Anker Nano Power Bankは最大30Wの出力に対応しているため、推奨はされていないものの、筆者の使っている限りではMacBook Proの充電もできた。実際、イベント取材時に電源が確保できず困ったことがあったが、このバッテリーを使用することで無事に充電でき、窮地を脱したことがあった。
また、過去のレビューでは、バッテリーは複数持っていたほうがいいという話を書いたが、その意見、方針は変わらない。
一方で、10,000mAhの容量があり、最大30Wの出力がある本製品を持っているなら、バックアップで持つバッテリーは、5,000mAhクラスのより小型のもので良いかもしれない。宿泊を伴う旅行や災害時などは、より大きなモバイルバッテリーやポータブル電源を使用しつつ本製品をバックアップとして温存するなど、状況によって位置付けも変わってくるだろう。
モバイルバッテリーも種類が増えてきて、単純に大容量バッテリーだから良い、ということもなくなってきた。ポータブル電源のスペックでは、容量の他に、出力が重要な要素となることは徐々に周知されてきてるように感じるが、モバイルバッテリーに関してもこれからは容量だけでなく出力も意識してみたい。
EDCアイテムとして常にそばに置いておきたいバッテリー
EDC(Every Day Carry)という言葉がある。その名の通り、毎日持ち歩くツール、常に携行しておきたいアイテム、習慣のことを指している。必要最低限のものをスマートに持ち歩くというコンセプトで、個々人で工夫するキットのことでもある。
アメリカでは、不意の犯罪や災害に備えてナイフや拳銃が含まれることもあるが、日本ではスマートフォンやバッテリー、充電ケーブル、予備の財布など、防災も意識しつつ街中で役立つアイテムを組み合わせる人が多い。
今回のAnker Nano Power Bankは、充電ケーブルを内蔵した容量10,000mAhのバッテリーなので、充電に関係するアイテムはこれ1台で賄えてしまう。実際、スマートフォンとノートPCの充電がピンチな時に、このバッテリー1台だけでどうにか乗り切ったことも複数回ある。常に持ち歩いて使うのに、容量とサイズがベストなバランスのアイテムだといえる。