長期レビュー
ハイアールアクアセールス「ドラム式洗濯乾燥機 AQW-DJ7000」
ハイアールアクアセールス「ドラム式洗濯乾燥機 AQW-DJ7000」 その2
~“お湯洗い”の洗浄力はスゴかった!
(2014/2/3 00:00)
世界基準となる“お湯洗い”機能を搭載したハイアールアクアセールスのドラム式洗濯乾燥機「AQW-DJ7000」の長期レビュー第2回をお届けする。
前回は、3つのバッフルによる洗濯性能や旧三洋電機時代から受け継いでいる「オゾンすすぎ」、ヒーター乾燥ってどうなの? など、ドラム式洗濯乾燥機としての基本的なことを検証した。
2回目となる今回は、本題となる“お湯洗い”の実力に迫りたい。
風呂水を浄化させて使う「アクアループダイレクト」
お湯洗いに入る前に、AQW-DJ7000ならではのもう1つの特徴、「アクアループダイレクト」について説明しておきたい。これは吸水した風呂水を循環させ、その途中でマイクロバブル化したオゾンを注入してきれいにするというもの。ホースの先にセットしたAg+の抗菌ビーズなどを使って風呂水を浄化する仕組みが一般的だが、それとは根本的に異なり、すすぎ時にはオゾンで風呂水を除菌・浄化して使うため、全工程を風呂水だけで洗濯することも可能だ。
わが家では子どもたちが小さく、2槽式の洗濯機でおむつを洗っていたころは風呂の残り湯を利用していたこともあったが、その後はお風呂に入る時間帯がバラバラだったり、衛生面での不安もあって残り湯を使っての洗濯はしていない。そのため、お湯洗いには興味があっても、アクアループダイレクトについてはそんなに期待していなかったのが本音だ。
でも、せっかくの機会なのでこれを試してみないわけにはいかない。洗濯機の設置段階で風呂水吸水用のポンプを取り付けてもらい、いつでも使えるように準備しておいた。
この吸水ホースの長さは約4m。わが家の場合、洗濯機の向かい側に浴室があるので、十分届く長さだ。アクアループダイレクト機能を使用する際にはまず、このホースの先のポンプ部分を浴槽に沈め、操作パネルの左端に用意された「アクアループ」ボタンを押せばOKだ。残り湯の水量や入浴剤を入れたかどうかなど、状況や好みに応じて、「洗濯」「すすぎ1」「すすぎ2」「すすぎ3」など、どの段階まで風呂水を使うかが選べるようになっている。
ちなみに入浴剤を使った場合でも、オゾンの力で除菌・浄化するため透明な水に変わるほどきれいになり、すすぎの段階で使うことも可能なようだが、これについては入浴剤の種類によっても異なるので、入浴剤の注意書きをよく確認するようにしたい。
さて、実際にアクアループダイレクトを使ってみることにしよう。初回のみの作業になるが、風呂水ポンプの中に一定量の水を給水させるために、洗濯コースの「ドライマーク」をダイヤルで選んだ後、「洗い1分、すすぎ0回、脱水1分」に設定し、ドラム槽は空のまま運転させる必要がある。つまり、“呼び水”を行なうということだ。
こうした準備が終了したら、風呂水での洗濯がいつでも可能になる。まずは普通に洗濯してみたところ、かすかにモーター音がして風呂水を吸い上げているのがわかる。水道水だけで洗濯をするよりも、吸水に時間がかかって洗濯時間がかなり延びるのではないかと思っていたが、そんなに変わりはない様子。
最後のすすぎまで、水道水を使わずに風呂水を使用した。洗濯が終わって取り出した洗濯物や、干した後の洗濯物についても、ニオイが気になったり、すっきり感がなかったりということも全くなくて安心した。
いざ、お湯洗いに挑戦! 果たしてケチャップなどのシミは落ちるのか!?
いよいよ“お湯洗い”にチャレンジ。果たして汚れ落ちに際立った変化はあるのだろうか。今回、はっきりとその汚れ落ちを確かめるために、日頃、部屋着として愛用している厚手のフリースを洗うことにした。このフリースのカラーはオフホワイトのため、とにかく汚れが目立つ。しかも、料理の際に前身ごろに油が飛んだり、調味料がついてしまったりしている。そこで、いつのまにかついて取れなくなってしまったソース汚れに加え、新しくケチャップを塗り付けて、お湯洗いで落ちるかどうかを検証してみることにした。
お湯洗いをするときには、「追いだき」ボタンを押す。「約+5℃で洗います」と表示され、ボタンを押すたびに水温設定が+5℃ずつ増えていく仕組みになっており、最高+45℃まで設定でき、最高50℃でのお湯洗いが可能だ。
今回は風呂水を利用し、湯温もまだ高かったので、プラス10℃に設定して洗ってみることにした。スタートボタンを押すと、水温が検知され、それに応じて残時間が表示される。追いだきの時間と洗濯時間を合わせると、1時間24分かかるらしい。ドラム内の洗濯液が温められていくにつれてドアが曇ってきて、“追いだき”の臨場感が伝わってくる。
ドラム槽を見ていると、5~10分に1回程度ドラムが回転し、洗濯物に洗剤液が染み込んでいる様子がわかる。つまり、追いだきの時間というのは、“つけ置き洗い”の時間でもあるということだ。また各種センサーによるecoモードが働いてるためか、実際の洗濯時間は最初に表示された1時間24分よりも15分ほど短い1時間10分程度。「あれ? もう終わった! 」というのが正直な感想だ。
びっくりするくらいきれいになる“お湯洗い”
さあ、洗濯物を取り出してみよう。ドアを開けて洗濯物に触れてみると、ほこほこと暖かい! すすぎ2回までを風呂水使用で設定したこともあるのかもしれないが、いやはや濡れているのに暖かい洗濯物というのは何やら不思議だし、でも幸せな気分になる。
フリースを取り出して広げてみると、なんということだろう。あのケチャップのシミはもちろん、ずっと取れなかったチャック部分のソースと思わしきシミもすっきり真っ白! 酸素系漂白剤など使っていないのに。
さらに驚いたのは、長年愛用しているうちに汚れが蓄積してしまった袖口やポケットの入り口部分の黒ずみまでもがほとんど落ちて、きれいになっていたことだ。前回、「オゾンすすぎ万歳! 」と叫んだ私だが、再び叫ぼう「お湯洗い万歳! 」
ここで気になるのが、追いだきによる消費電力のこと。プラス10℃の追いだきにかかった消費電力は0.22kWhで電気代は5円。たったこれだけだ。
その後、さらに油性の汚れ落ちを確認するために、キッチンで手拭き用に使っているタオルに唐辛子入りのオリーブオイルを染み込ませ、しばらく放置したものを、ほかの洗濯物と一緒にお湯洗いしてみることにした。
油を含んだ汚れのため、今度は風呂水使用+プラス15℃で設定。追いだきと洗濯の残時間表示は1時間46分と長めだったが、こちらも実際にかかった時間は10分ほど短縮されていた。ちなみに消費電力はは0.47kWhで電気代は10円。たいしたことはない。
さて、タオルに染み込んだ唐辛子入りのオイルの汚れは落ちているだろうか。取り出して広げてみると、こちらも見事にきれいになっていて感激。
衣類に付着したパスタのオイルなどの油染みは、普通に洗っただけでは落ちないものだ。いつもお湯洗いをする必要はないが、頑固な汚れや食べこぼしなどをきれいにしたいときに、この機能があるとどれだけ心強いことだろう。
アクアループダイレクト+お湯洗いが最強の組み合わせ
ところで風呂水を追いだきして使う“お湯洗い”ばかりを試したが、水道水を追いだきして使う方法はどうなのか。現在、季節は冬。水道の水はかなり冷たい。これを“お湯”といえるほど温めるにはかなり時間がかかりそうだ。試しに、プラス20℃で追いだきして洗濯してみたところ、追いだきにかかる時間は60分程度で、消費電力は0.74kWh、電気代は16円となった。
日本の洗剤は元々、冷水でも酵素がよく働くように考えられて作られていると聞くが、もっとも活性化してしっかりとその威力を発揮するのは水温が40~50℃と高めの温度帯だという。
先にも述べたように、日頃の洗濯の際に毎回毎回「追いだき」してお湯洗いをするのは時間も電気代もかかるのでおすすめしないが、どうしても落としたい汚れがあるときには、このお湯洗いの威力はかなりのものだと実感している。
湯温をできるだけスピーディに上げ、お湯洗いの効果を最大限に発揮させるためにも、アクアループダイレクト機能と併用するのが賢い使い方といえるだろう。つまり、風呂水をここまできれいに除菌・浄化して使う機能を搭載したアクアだからこそ活きてくる「プラス追いだき」のお湯洗いなのだと思う。
ただし、「水道水+追いだき」も決して悪くはない。特にこうした水温があまりに冷たい季節に、プラス10℃など少し温めて使うことで洗剤の酵素も力をより発揮させ、汚れ落ちのアップにつながるからだ。
使えば使うほど、これまでの洗濯習慣が覆され、洗濯することが楽しくなっていくAQW-DJ7000。最終回の次回は、水を使わずに除菌・消臭などを行なう「エアウォッシュ」機能のほか、長く愛用するためのお手入れについて紹介する予定なので、どうかお楽しみに!