長期レビュー
ハイアールアクアセールス「ドラム式洗濯乾燥機 AQW-DJ7000」
ハイアールアクアセールス「ドラム式洗濯乾燥機 AQW-DJ7000」 最終回
~洗濯好きにはたまらない! この洗濯機大好きです!
(2014/2/10 07:00)
“お湯洗い”機能を搭載したハイアールアクアセールスのドラム式洗濯乾燥機「AQW-DJ7000」を使ってちょうど1カ月が経過した。
最終回となる今回は、まだお伝えしきれていないアクアならではの機能や、お手入れ関連、そして、1カ月使ってみた所感をお届けする。
天日干しの代わりにもなる「エアウォッシュ」が大活躍
オゾンすすぎや風呂水を浄化して水道水ゼロでも洗濯ができるアクアループダイレクトなど、AQW-DJ7000の大きな特徴ともいえるオゾンを使った機能は、まだほかにもある。それは、オゾンを含んだ空気を吹き付けて洗濯できない衣類や小物などの除菌・消臭・汚れを分解する「エアウォッシュ」だ。
エアウォッシュは、ドラムを回転させて行なうコースと、ドラム内に付属の乾燥棚をセットして使う静止コースがあり、運転時間もクイック消臭の8分、焼肉やタバコのニオイがついてしまった衣類に便利な15分・30分、汚れの分解まで行なう60分コースと多彩な設定が用意されている。
以前、ハイアールアクアセールスに取材した際に、「なかなか外に干せない毛布やタオルケットなどをエアウォッシュすると、まるで天日干ししたようにふっくらするし、除菌・消臭効果があるのですっきりするのでおすすめなんですよ」と聞いたことがあった。確かに仕事がある平日に干すのは無理だし、週末に晴れるとは限らない。風の強い日には飛んでいってしまう心配もある。
ということで、実際に真っ先に試したのが、ウール100%のベッドパッド。水で洗えないこともないのだが、大きいのでなかなか乾かず、どうしても後回しになってしまう。布団乾燥機もよく使っているほうだが、除菌・消臭までしてくれるエアウォッシュはとても魅力的だ。
取扱説明書に載っていた毛布のたたみ方を参考にドラム内にびょうぶ折りにして入れ、「毛布コース」(時間は60分)を選択。スタートボタンを押すと、ドラムが回転し始めたが、運転音は静かだ。
エアウォッシュ中、ドラム槽内では何が起きているのかというと、水なしでドラム槽を回転させながらオゾンを充満させて除菌・消臭・汚れの分解を行ない、温風を出してオゾンを酸素に戻す仕組みになっている。
1時間後、終了のブザーとともにベッドパッドを取り出してみると、かなり温かく、ふっくらとしている。まるで太陽の下に干した時のような気持ちよさだ。
続いて毛布もエアウォッシュして、ふんわり&すっきり。寝具は毎日肌に直接触れるものなので、清潔に保てるのはうれしい。これから本格的な花粉の季節を迎えるので、花粉症に悩んでいる人にもおすすめだ。
試しにこの毛布コースの電気代もチェックしてみたところ、8円と表示された。温風を使うし、1時間もかかるのでもっと電気代がかかるのかと思ったのが、そんなことはない。いいじゃないか、エアウォッシュ。
乾燥棚を使えばペットのぬいぐるみや革靴までしっかり除菌・消臭できる!
ウールのセーターなどは、水洗いNGのためクリーニング店に出さないといけないものもある。1回着ただけで出すのはもったいないので、なるべく汚さないようにして大切に着ているが、外食の際になんとなくついてしまったニオイなどが気になることもある。
そんな、クリーニングに出すほどではないけれど、何回か着ているセーターにおすすめなのが乾燥棚を使ったエアウォッシュだ。15分・30分コースのほか、外出前や帰宅後に便利なクイック(8分)コースもある。
ペットを飼っている人なら実感できると思うが、ペット用の毛布やぬいぐるみなど、寝床周りにあるものはすぐにニオイが気になってくるものだ。これまでは定期的に交換することで対処してきたが、エアウォッシュでニオイがとれるなら、こんなにありがたいことはない。
黒ラブ・大和が愛用している毛布とぬいぐるみをエアウォッシュすべく、掃除機で毛や汚れを取り除いてから、乾燥棚に載せて「静止60分」で運転させてみた。結果はどうだったのか? これはびっくり。ドラムのドアを開けた時には、熱気とともに微妙なニオイがするような気がしたが、毛布を手にとって鼻を近づけてみると、ほとんどニオイが残っていない。おまけに毛布はふっくらしているので、少し冷えてから大和にわたすととても気に入った様子。ニオイがしないので不満かと思ったが、そんなこともない。これからかなり活用できそうだ。
そのほか、乾燥棚を使うことで、革靴やスニーカーの除菌・消臭もできる。これから暖かくなってくると、外歩きの多いビジネスマンの悩みの1つとして、靴の中のニオイがあるようだ。そんな悩みのお助けにもエアウォッシュはぴったり。また、ドラム式洗濯機では洗濯が難しいマット類にもエアウォッシュが使えるようなので、バスマットにぜひ活用したいと思っている。
洗濯槽の自動おそうじ機能で黒カビ対策もバッチリ
ここ2~3年、洗濯機には黒カビ対策などの清潔機能のため、洗濯槽の自動おそうじ機能が搭載されたものが増えている。洗濯槽の裏側にたまりがちな洗剤カスや汚れを、洗濯行程の最後に水で洗い流す方法が主流だ。
AQW-DJ7000では、ドラム槽の外側の汚れをすすぎ時にオゾン水で、洗い流し、除菌する仕組みを採用している。さらに、先に紹介したエアウォッシュ機能を洗濯終了後にプラスすることで、さらに清潔性をアップすることもできる。ただし、購入時の初期設定ではこの「自動おそうじ設定」はされていないので、自分で設定する必要がある。
とはいえ設定は簡単だ。電源切の状態でエアウォッシュボタンを押しながら、電源ボタンを押し、そのまま4秒待てば設定が完了し、液晶画面に「自動おそうじ設定」と表示される。一度設定してしまえば、この操作は不要だ。自動おそうじ機能が働くコースの際には、液晶画面の右上に洗濯槽(ドラム)のマークが表示される。
具体的にどのように行なわれるのかを説明しよう。洗濯が終了すると液晶画面には「残時間0:20」の表示が出る。これはエアウォッシュにかかる時間を示している。ドアを開けて洗濯物を取り出したら、扉を閉めて再びスタートボタンを押すと、運転が始まる。
いくら「自動おそうじ運転」設定をしたからといっても、「洗濯物を取り出す→ドアを閉める→スタートボタンを押す」という一連の作業を行なわなければ、エアウォッシュは運転しないので、注意が必要。洗濯終了後にドアを開閉してから、30分以内にスタートボタンを押さないと自動おそうじは中止となるので、洗濯物を取り出したら、すぐにスタートボタンを押す習慣をつけたほうがよさそうだ。
20分後に扉を開けてみると、扉の内側についていた水滴もドラム槽の中も乾いており、ぴかぴかに。自分でスタートボタンを押すのは面倒にも感じたが、これは慣れの問題。ドラム式洗濯乾燥機の場合、洗濯だけをして乾燥機能を使わないでいると、槽内に水滴が残ってしまう。タテ型の洗濯機なら、扉をあけっぱなしにしておくことで風を通すこともできるが、ドラム型の場合はそれも不可能なので、オゾンで除菌し、すっきりと乾かしてくれる機能があるのはありがたい。
この機能を使うことで消費電力が多少大きくなったり、意識的にボタンを押すひと手間がかかったりするとしても、アクアならではの清潔機能はぜひ使ってほしい機能だ。できれば購入後に自分で設定をしなくてすむように、デフォルトでこの「自動おそうじ」を設定しておいてほしいと思う。
ちなみに、洗濯だけを行なう場合、自動おそうじのエアウォッシュ運転が行なわれるのは、標準、すすぎ1回、念入り、自分流、ナイトコース運転のときのみ。洗濯→乾燥まで行なうコース運転をした場合には、自動おそうじのエアウォッシュによる仕上げは不要で運転時間が20分延長されることもない。
押さえておきたいお手入れのこと
最後に、長く愛用していくための日ごろのお手入れのことについても触れておこう。
洗濯時に行なわれる「自動おそうじ」だけでなく、月に1回程度行なうことでさらに清潔に保てる機能として「カビガード」コースがある。
これは洗濯コースもしくは洗・乾コースを選び、ジョグダイヤルで「カビガード」を選べばOK。オゾンと温風で30分間除菌運転した後、ためすすぎを2回し、排水して脱水することで、黒カビを予防するというものだ。洗・乾コースでカビガード運転をした場合は、さらに乾燥運転30分が加わる。洗濯のたびに自動おそうじをしていれば、黒カビの心配もなさそうだが、ここまでしっかりとお手入れしておけば、鬼に金棒! ずっとドラム槽がぴかぴかのまま使えるに違いない。
そのほか、どんな洗濯機でも同様だが、乾燥機能を使用した後には、乾燥フィルターのお手入れをすることが大切だ。AQW-DJ7000では、洗濯機前面の上部右側に乾燥フィルターがあるので、これを引き出してフィルターの上部を開き、歯ブラシなどでこすって汚れを取る。目がかなり細かいフィルターなので、汚れで目詰まりしているようなら、台所用の中性洗剤を使って水洗いするときれいになる。
また、乾燥時には洗面所に湿気がこもらないように水冷除湿方式(洗濯物から出た水分を室内に排出せず、水で冷やして排水させる)を採用しているため、排水フィルターにもかなり糸くずなどのゴミが付着する。糸くずがたまったまま運転すると乾燥性能が低下してしまうので、ドラムの右下にある排水フィルターのお手入れもこまめに行なうようにしたい。
風呂水利用のアクアループダイレクトを使っている場合は、浄化フィルター部分も週に1回程度チェックして、スポンジ状のフィルターやホースにつながった部分、カバー部をお手入れしておこう。
洗濯好きのための、洗濯が楽しくなる洗濯乾燥機、それがアクア
1カ月間、AQW-DJ7000を使用してみて感じたのは、使えば使うほど洗濯が楽しくなるということ。これまではせいぜい「普通の洗濯物」「ドライモードで洗うおしゃれ着」「毛布やタオルケット」と3種類くらいに分類してコース選びをする洗濯の仕方しかしてこなかった。けれども、アクアがやってきてからは、「食べこぼしをつけてしまった衣類があるから、お風呂の残り湯を追いだきして“お湯洗い”で洗濯しよう」という日もあれば、「わっ、時間がない! すすぎ1回でさっと洗濯を終わらせて大急ぎで干して出かけよう」という日もある。タオルが多めの洗濯物の時にはもちろん、乾燥まで行なってふわふわの仕上げにしておく。
飲食店の厨房でバイト中の息子は、夜遅くに帰宅するとユニフォームをすすぎ1回コースで洗濯・乾燥を行ない、シワの気にならないパリッと仕上げのユニフォームを持って、翌日またバイトに持っていっている。当初は少しでも早くに洗濯を終わらせようと「おいそぎコース」を利用していたのだが、第1回のレビューでもお伝えしたように、AQW-DJ7000では、おいそぎコースでは「オゾンすすぎ」を行なわないことを息子に説明したため、より真っ白なユニフォームに仕上げるために「すすぎ1回」のほうで洗うことにしたようだ。
帰宅後にコートやセーターをリフレッシュさせたり、ショートブーツやブーティーを除菌・消臭させたりと、エアウォッシュも大活躍している。休日ともなれば、寝具や愛犬の寝具まわりのものまで、「他には何かない? 」と洗濯物を探しまわるほど。それくらい、みんなすっきりと気持ちよい仕上がりになるのだ。
風呂水を利用する際には、ホースをセットしたり、どの段階までアクアループダイレクトを選ぶかを選択したり、さらには追いだきをするかしないか、温度はどうするのかを選択する必要がある。「おまかせ」1つで洗濯する方法とは程遠い。自動おそうじのエアウォッシュ運転にしても、洗濯物を取り出したら、もう1度スタートボタンを押すというひと手間がかかる。それがアクアだ。でも、そうした1つ1つの手順が洗濯の楽しみや、いつまでも清潔に保って長く大切に使おうという愛着につながるように思う。つまり、洗濯好きにはたまらない洗濯機といえるだろう。
洗濯物の種類や汚れ具合、時間にゆとりがあるかないかに応じて、自在に選べる洗濯方法の多彩さ。水で洗えないものまですっきりと消臭・除菌・汚れの分解までしてくれる頼もしさ。あとはもう少し本体のサイズをシュッとスリムにしてデザイン性を高めてくれたら言うことなしなのだけれど。いや、それでもアクア、大好き。アクアの洗濯、万歳!