家電製品ミニレビュー

アドテック「LED照明時計 AD-LEDTS01B」

~二度寝防止にも効果アリ、睡眠に悩む人向けの目覚ましライト
by 正藤 慶一

眠れないし、起きられない!


アドテック「LED照明時計AD-LEDTS01B」。カラーはブラックのほかホワイトもある
 もともと寝付き、寝起きがともに悪いタイプではあるが、今年に入ってからは特にヒドい。なかなか眠れないし、朝になっても起きられない。1月の海外出張のせいなのか、年のせいなのか……いずれにせよ、何とか改善できる術はないものかと悩んでいた。

 そこで選択したのが、アドテックの「LED照明時計AD-LEDTS01B」。LEDの光で寝付きと目覚めをサポートしてくれる、デスクスタンドのような目覚まし時計だ。こうした光を使った目覚ましは、過去にも「グッドスリープライト」「お目覚めスタンドASSA」といった製品があったが、いずれも光源は白熱電球。それがLED照明時計の光源は、省エネ性が断然に高いLEDと、最先端の技術を採用している。

 結論から先に言えば、本製品のおかげで“起きられない”という睡眠の悩みが解消された。今回はこのLED照明時計を取り上げることにしよう。

メーカーアドテック
製品名LED照明時計
購入場所アドテック 直販ショップ
直販価格16,800円

スタンド照明としても利用可能。調光は9段階

 本体は円形の台座の上に、薄く縦に長い照明ユニットが直立している。サイズは105×105×310mm(幅×奥行き×高さ)で、光源がコンパクトで済むLEDならではのスリムなデザインだ。照明ユニットは直立のほか、前方に45度ほど傾けることができる。

本体を横から見たところ。LEDならではの薄型デザインだ写真のように前方に45度傾けられる



 まずはLEDの光を点けてみようと思ったが、その前に電源となるACアダプターをコンセントに差し込む必要がある。一般的な時計のように乾電池だけでは動かないが、照明としての機能がある以上は当然といえるだろう。ちなみに消費電力は、最大時でも5.7W。この消費電力の少なさは、LEDならではの特徴だ。

【動画】電源ボタンを押し、ライトを最も明るい「9」から「1」に減光しているところ。ボタンを押すと「ピッピッ」という音が鳴る(動画はすべて別ウインドウで開きます。以下同じ)

 電源を入れ、操作パネルのスイッチをONにすると、照明ユニットの上部にある白いパネル部分から、パッと明かりが点灯する。光の色は白色で、光量はパネルの操作で9段階に設定できる。以下に、明かりを切り替えて撮影した写真を掲載したが、デスクライトとして使用する場合は、4段階目くらいが明るすぎず暗すぎず、ちょうどよい塩梅のように感じた。

 ちなみに操作パネルは円形のタッチパネル式。中央がON/OFFボタンで、その上下にあるボタンで、明かりのアップ/ダウンを切り替える。左側の「MENU」と右側の「SET」が各種設定用のボタンとなる。

写真は明るさを最も暗い「1」に設定したところを撮影したもの。LEDがいくつも搭載されているのが確認できる
こちらは最も明るい「9」を撮影した写真。LEDが確認できないほど明るい
操作パネル。中央がON/OFFスイッチで、その上下にあるのが明るさの調節ボタン。左右の「MENU」「SET」は、目覚ましの時間など各種設定に使用する

読書灯としての使用を想定し、真っ暗の部屋の中で雑誌を照らしてみた。写真は最も明るい「9」に設定したところ。とても明るいが、ライト直下部に光りが強く当たりすぎるため、まぶしくて逆に読みづらい
こちらは「7」に設定したところ。誌面全体を照らせているが、ややまぶしい
明るさを「4」に設定したところ。まぶしすぎず、暗すぎず、ちょうど読みやすい最も暗い「1」。ライトの直下部以外は暗すぎて文字が読めない。目を悪くしてしまいそうだ

徐々に明るくなる「目覚め」モードと、減光して眠りを誘う「寝入り」モード

 照明としての機能を一通り見たところで、メインとなる目覚まし機能を見てみよう。

 本製品の目覚まし機能について改めて説明すると、設定時刻の45分前から徐々に明るくすることで、日の出を再現し、自然な目覚めを誘発するというもの。就寝時には逆に徐々に暗くしていくことで、自然な寝付きをサポートするという。説明書の言葉によれば「体内時計に作用」するとのことだ。

 まず「寝入り」モードについてだが、ライトの下にはデジタル式の時計のモニターがあり、この中の「DUSK」と書かれた部分のデジタル数字が、寝入りまでの時間を表わしている。時間は5分から90分までの範囲で、5分単位で設定できる。寝入りモードへ移行する際は、照明がONの状態にON/OFFボタンを長押しする。その後、あらかじめ登録した寝入り時間まで、徐々に減光していく。

 一方の「目覚め」モードを使うには、MENUとSETボタンを使って、モニター右上の目覚まし時間を決める。次に、モニター中の「DAWN」と書かれた部分の数字を、「1」または「2」に設定する。いずれも、設定時刻の45分前から徐々に明るくなるが、「1」では設定時刻にビープ音が鳴る。つまり「1」は“音アリ”、「2」が光だけの“音ナシ”モードというわけだ。

ライト下部にある時計のモニター部分。暗闇でもしっかりと読み取れる明るさを備えている。なお、モニター中央の時刻が現在時間で、右上は目覚ましの時刻になる

説明書のモニターの解説図。「DUSK」は寝入りモードの消灯までの時間、「DIM」はライトの明るさ、「DAWN」は目覚めモードのON/OFFとアラームの有無を表わす


 目覚めモードは、特別なボタンを押さなくても、時間を設定するだけで自動的に起動する。そのため、一般的な目覚まし時計のような「アラームON/OFF」のようなスイッチは用意されていない。休日などで目覚めモードを使用したくない場合は、MENUとSETボタンを使って「DAWN」部分の数字を消しておく必要がある。なお、アラーム音だけを鳴らすモードは備わっていない。

LEDの光でスッキリとした目覚め。二度寝の防止効果も

 それでは、この寝入り/目覚めモードを設定し、寝てみることにする。説明書によると、顔から1m以内の距離に置いて使用すると効果があるらしい。布団のワキに置き、ON/OFFボタンを長押して寝入りモードをスタートした。

 今回は10分で消灯する設定にしたが、まぶたの奥から段階的に光が減っていくのがわかる。目に降りかかる“光の圧力”がだんだんと和らいでいくような感覚だ。なるほど、これは確かに徐々に眠くなる。10分経ち「あ、消えたな」というのを確認した後、あまり時間が経たないうちに眠りについた。

【動画】寝入りモードを10分にセットし、実行している早送り動画(無音)。動画ではライトの明るさにチラつきが出ているが、これはカメラによるもので肉眼ではチラつきは見られなかった
説明書に記されていた、使用時のイメージ図。半径1m以内に置いて使用すると効果的だという

【動画】目覚めモードの45分間を早送り再生したもの。こちらも一部明かりにチラつきがあるが、肉眼ではチラつきは見られない
 翌日は、目の前に広がる白い光に包まれて目覚めた。うわっ、これはまぶしい! 目を閉じても明るいため、すぐに布団から起き上がってしまった。時計の表示部を見ると、設定時刻の5分ほど前だった。LEDの光だけで起きてしまったようだ。LEDならではの直線的な光のためか、以前使用した「グッドスリープライト」よりも強い光を感じた。

 いつもなら、ここで目覚ましを切ってもうひと眠り……という二度寝モードへ移行するのだが、どういうわけか、二度寝しようと布団に再び入ってもまったく眠れない。それ以前に眠いという感覚がなく、とても頭がスッキリしている。いつもの目覚まし時計のような、無理矢理起きている感覚がまったくない。光が「体内時計に作用」したということなのかもしれない。ともかく、いつもよりすがすがしい朝が迎えられた。

 その後もしばらく使ってみたが、睡眠の悩みはかなり改善した。特に目覚めに関しては、どんなに夜更かしをしても、睡眠時間が短くとも、確実に設定時刻通りに起きられ、しかも二度寝をしてしまうケースもかなり少なくなった。

 寝付きモードは、ライトが無段階でなく段階的に減光するのがちょっと気になったが、それでも眠りを誘う効果は確かにあり、以前よりも寝づらいということが少なくなった。

当然ながらアイマスクは厳禁。より確実に起きるために“音アリ”がお勧め

 ただし、ガッツリ寝坊してしまったケースもある。その1つが、アイマスクをしてしまった時。寝入りモードでも寝付けない夜についつい使ってしまったが、これでは目覚め時にランプがどれだけ煌々と輝こうとも、効果が出るわけがない。アイマスクを使って寝る習慣がある人には、はっきりいって向かない。

 これに関連して、寝相が悪い人にも適さないだろう。ライトが点灯しても、その光が顔を照射していなければ、効果が出るわけがない。私の場合は寝相が悪くないので特に困らなかったが、寝相対策としては、ランプを高い位置に置き、照射範囲を広くしておくのが良いだろう。

【動画】目覚めモードの設定時刻になった時の映像。アラーム音が鳴り、光が点滅する

 寝坊したもう1つのケースが、音を鳴らさない設定にした時だ。その日は夜更かしをしていたこともあって、ランプの点灯など一切気付かずにグーグーと爆睡し続け、起きたら昼過ぎだった。絶対寝坊できない用事がある場合は、必ず“音アリ”にしておきたい。私の場合は、より確かに起きられるよう、別の目覚まし時計も併用している。




 価格は1万円超と、目覚まし時計としては比較的高価な部類に入るため、普通の目覚まし時計でもちゃんと起きられる人よりも、“なかなか起きられない”、“眠れない”という、睡眠に対してストレスを感じている向けの製品だ。新年度が始まり、新しい生活リズムに慣れない人もいるだろうが、本製品を使うことで、スッキリとした気持ちの良い朝を迎えてみてはいかがだろうか。



2009年4月3日 00:00