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最新電動モビリティに試乗して感じた今後の可能性 Makuakeのアフターサービスも安心
2025年4月4日 10:05
特定小型原付という新たなカテゴリーができたことで、おもしろいモデルが増えている電動モビリティ。クラウドファンディングサービスや先行販売でもユニークな乗り物のプロジェクトを目にする機会が多くなっています。Makuakeが、現在進行中のプロジェクト3社の電動モビリティを集めて試乗会を開催したので、参加して乗ってきました。
アフターサポートが充実して安心感アップ
クラファンや先行販売でおもしろそうな乗り物を見つけた場合、気になるのがアフターサービスでしょう。購入したモデルにトラブルが起きた場合、どんなアフターサービスが受けられるのか? が心配という人も少なくないと思われます。そんな心配に応えるため、Makuakeでは昨年の3月より「Makuakeアフターサポート」をスタートさせています。
これは故障などのトラブルが起きた際の問い合わせ受付を「Makuake故障受付センター」で一括して請け負うのに加えて、メーカー保証期間にプラスして1年間の自然故障について本体の購入価格を上限として自己負担なしで修理を受けることが可能となるサポートサービスです。
また、今年3月からは「マクアケアフターサポートアライアンス ~電動モビリティ~」も提供開始。こちらは、「グーネット」や「グーバイク」を運営するプロトコーポレーションと提携し、「グーバイク」に掲載されている全国の整備店でこのアライアンスに加盟している店舗ならば、修理や整備を依頼できるというもの。購入者側からすると、近くにサポートを受けられる店舗があるというのは安心感がアップするポイントでしょう。
動力のある乗り物の場合、ちょっとした故障が事故につながる可能性があるため、アフターサポートは欠かせないポイント。せっかく購入しても、小さなトラブルが気になって乗らなくなってしまうこともあるため、こうしたサポート体制の充実はうれしいところです。
折りたたみもできる防水防塵のFreeMile「evuco」
ここからは実際に試乗した3車種について紹介していきます。1台目はFreeMile(フリーマイル)社の「evuco(イブコ)」。パッと見は小径のe-bikeのように見えますが、ペダルはなく、特定小型原付に分類される電動モビリティです。
タイヤは前後とも14インチの小径で、車体は折りたたみが可能なのが特徴。IP65の防水防塵機能に対応しているので屋外に駐輪する場合でも安心です。特定小型原付はキックボードタイプのイメージが強いですが、着座できるほうが楽なので最近は自転車のように跨れるタイプが増えてきています。バッテリーを含む重量は約20.5kgで、1充電あたりの最大航続距離は25km。特定小型原付ですが、6km/h以下の走行モードは備えておらず、歩道は走れないタイプです。
実際に跨ってみるとシート高も高すぎず乗りやすいポジションなので、体格が小さい人でも問題なく乗れます。シートも柔らかくお尻を受け止めてくれるので、長時間乗っても疲れは少なそう。アクセルレバーを操作すると結構パワフルですが、パワーの出方が唐突ではなくスムーズなので不安感はありません。
車体が折りたたみ可能なので、限られたスペースでも収納できるのが大きなメリット。電動モビリティでは珍しいIP65も取得しているので、屋外でも安心して保管できます。折りたたみ構造にも関わらず、車体もかなりしっかりしていて剛性感が高かったのが印象的でした。
荷物が運べるSWALLOW「MOPERO mini cargo」
こちらも自転車のような形状の特定小型原付ですが、荷物を運べることにフォーカスしているのがSWALLOW(スワロー)の「MOPERO mini cargo(モペロ ミニ カーゴ)」。キックボードタイプの特定小型原付は近所の移動には便利でも、買い物の際に荷物を積むスペースがないのが欠点でしたが、このモデルは200kgという耐荷重を誇り、積載能力の高さが売りです。
遠目には自転車のように見えますが、フレーム形状は台形を2つ組み合わせたようなシルエットで自転車ではあまりない形状です。その2本のフレームにぶら下がるようにバッグが装着されていて、重い物はここに積む設計。車体の中心に重量物が来るので安定して走行できそうです。そのほかにも前カゴやリアキャリアも装備されているので、合わせると結構な量の荷物が積めそう。日常の買い物に活用できるところが大きなメリットです。
ホイールは前後とも12.5インチという小径で、全体的な車高も低めですが、ハンドルとサドルは高さ調整が可能で幅広い体格に対応。身長175cmの筆者が乗っても違和感はありませんでした。タイヤが小さいので走行安定性はどうなのか? と思っていましたが、走っていても不安は感じません。フロントに装備されているサスペンションが効いているのでしょうか。リアホイールに組み込まれたモーターは500Wの出力を持ち、重い荷物を積んでも十分なパワーを持っています。
実際に体重180kgの人が試乗したこともあるとのことで、走行性能は十分。最大積載量は30kgという規定がありますが、普段の買い物でそこまでの重さを積むことはないでしょう。16歳以上であれば免許不要で乗れるので、免許を返納した高齢者の移動手段としても期待できるかもしれません。
原付一種だが乗りやすいグッドシェイプ「BESS」
今回試乗した中では唯一の原付一種に分類されるのがグッドシェイプの「BESS(ベス)」です。そのため免許が必要となりますが、サイズはコンパクトで最高速度も25km/hと抑え気味。気軽に使える街中の移動手段というコンセプトで、シート高は低く両足を揃えて乗れるようになっています。
ホイールサイズは前後10インチで今回試乗した3モデルの中で最も小さく、ブレーキもドラム式ということからも、走行性能よりも気軽に乗れることを重視していることが伝わってきます。バッテリー容量は約499Wh(48V/10.8Ah)で1充電あたりの最大航続距離は50km。シートとハンドルは折りたためるので、収納時は高さを抑えられます。車重は29kgでIPX5の防水にも対応。
法規的には原付一種ですが、サイズが小さく丸みのあるデザインもあって、気軽に乗れる感じは特定小型原付の2台と大きな差は感じませんでした。特にシートの位置が低いので小柄な人でも乗りやすいでしょう。最高速度にも大きな差はなく、5km/hや15km/hに抑えるモードも用意されています。といっても、やはり最高出力が大きいので坂道などでは余裕を感じました。
車体がコンパクトでホイールが小さいこともあって、パワーには余裕があってもスピードを出したいという気分にはあまりなりませんでした。免許が必要ではありますが、価格的にも手軽に乗れる電動バイクという位置づけ。操作も簡単なので、自転車やe-bikeよりもハードルが低い乗り物かもしれません。
特定小型原付という新たなカテゴリーが誕生したこともあって、電動モビリティを巡る状況は活性化しています。今年は50ccエンジンのバイクが排出ガス規制の影響もあって、姿を消すことが予想されるので、その穴を埋める意味でも原付一種を含む電動モビリティのニーズはさらに高まってくるでしょう。そんななか、個性ある電動モビリティの選択肢が増えることはユーザーにとってはうれしいことだといえます。歴史を振り返れば、戦後間もない頃には国内に小規模のバイクメーカーが100社以上あった時代もあり、それと似たような状況が電動モビリティでも現出するかもしれません。