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ホットクックの“不人気メニュー”作ってみた

「ヘルシオ ホットクック KN-HW24H」

発売から10年目を迎えるシャープの水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」。累計出荷台数は65万台を超えた。自動メニュー数は、ダウンロードを含め全650。Webの記事でよく見かけるのは、人気メニューの紹介。だがしかし、光あれば影あり、人気メニューがあれば不人気メニューもあるはず。というわけで、全メニューの中から、あえてあまり作られていない「不」人気メニューを作ってみました。

メニュー選定方法

さて、不人気メニューランキングが「COCORO KITCHEN」に掲載されているわけもなく、シャープさんに問い合わせることに。無線LANに接続されたホットクックの調理ログ(履歴)データから調理履歴の少ないメニューを紹介してもらいました。

不人気といっても避けられているわけではなく、たくさんのメニューから検索されにくい、または、発売後に追加されたメニューのため認知度が低いなどの理由から、調理回数が少ないメニューとのこと。それが次の10点です(かぎカッコ内はシャープ担当者のコメント)。

【追記】調理ログが少ないことについての説明を追記しました(10月16日18時5分)

かぼちゃのチーズフォンデュ

「かぼちゃをまるごと使ったメニューです(ハロウィーンにもぴったり)」

ジャージャーめん

「中華料理の汁なし和え麺。少し辛めの味付けです」

桃缶から作る桃チャツネ

「国際薬膳学院とのコラボレシピです。桃は体を温める効果があるそうです」

おおきなハンバーガー風サンドイッチ(SHOWA)

「昭和産業株式会社提供レシピです。なんと、ホットクックでおおきなハンバーガーが作れます!」

プロテインバー(VALX)

「ダイエット中の方に、おすすめ! プロテインを入れるとパサつきやすく、苦労して開発したメニューです(VALXとの共同開発メニュー)」

とうもろこし入り はと麦茶飯

「国際薬膳学院とのコラボレシピです。湿気の多い時期におすすめのレシピです」

ぶどうのコンポート

「ぶどうの季節におすすめ! 生のぶどうとはまた異なるおいしさです」

スープカレー

「人気のスープカレーもホットクックで。少し辛めの味付けです」

八尾若ごぼうの煮びたし

「大阪府八尾市(開発チームの拠点)とのコラボレシピで、若ごぼうは八尾の名産品です」

かぼちゃのジャックオランタンケーキ(SHOWA)

「昭和産業株式会社提供レシピです(ハロウィーンにもぴったり)。かぼちゃペーストを作りケーキを焼く、ホットクックの機能を2段で活用できます」

あまり作られない理由がなんとなく分かった気もします。メニュー自体が少しマニアック(桃缶から作る桃チャツネやプロテインバー)、地域や季節で食材の入手が限定される(八尾若ごぼうの煮びたし)あたりが大きな理由でしょうか。

しかし、なぜこれが不人気なのか不思議だったのが「スープカレー」です。「COCORO KITCHEN」の人気メニューランキングには、いくつものカレーメニューが並んでいるのに。スープカレーのブームは完全に終わっているのでしょうか? 何はともあれ作ってみます。

「スープカレー」の画面(COCORO KITCHENアプリ)。ちなみに鉄板の人気メニュー「チキンと野菜のカレー(無水カレー)」の「つくったよ」は22万5,000以上

材料(4人分)

鶏手羽元:8本
塩:少々
こしょう:少々
なす(縦に4~6等分に切る):2本(200g)
にんじん(長さ5cm程度の拍子木切り):1本(200g)
バター:20g
カレー粉:大さじ3
クミンパウダー:大さじ1
ターメリックパウダー:大さじ1
コリアンダーパウダー:大さじ1
カイエンペッパーパウダー:大さじ1
コンソメ(顆粒):小さじ4
ガラムマサラパウダー:小さじ2
バジル(乾燥):2g
ウスターソース:大さじ2
サラダ油:大さじ2
水:800ml

▼後から追加する材料
オクラ:8本
ピーマンまたはパプリカ(縦に4~6等分に切る):2個

使用したスパイス。クミンパウダーの代わりにクミンを使いました。使うスパイスの種類が多いのが不人気の理由か?
まぜ技ユニットを本体にセット。オクラとピーマン(またはパプリカ)以外の材料を入れ、メニュー番号「No.0747(スープカレー)」を選択→調理を開始する→スタート
調理時間は約50分。途中でアナウンスがあるので、オクラとピーマンを追加し続行
完成♪ もう香りがたまらんです
これは、お店の味を超えているのでは(自画自賛)

調理中から漂ってくるスパイシーな香り、フタを開けると見た目の色も濃いめで食欲をそそります。味はけっこう辛め。多くのスパイスを使用しただけあって重層的な味です。にんじんもしっかり火が通っていて、甘みが感じられます。家ではかなりカレーを作ることが多いのですが、家族にも大好評。なぜこれが不人気なのか、まったく理解に苦しむところです。使用するスパイスの種類が多いのも避けられる理由でしょうか。

続いて、「とうもろこし入り はと麦茶飯」を調理。コーンを混ぜて、水の代わりにはと麦茶を使うだけなので、非常に簡単です。これをスープカレーと食べると、カレーの辛みととうもろこしの甘みがマッチしてウマウマでした。

ホットクックユーザーの皆さんにおかれましては、埋もれた不人気メニューを発掘してみてはいかがでしょうか。

洗った米にスイートコーン、塩(小さじ1)、昆布を入れて、水の代わりにはと麦茶を線まで入れるだけ
はと麦茶は胃腸の働きをよくする効果があるそうで、健康面でもスパイシーなスープカレーとの相性もよさそう
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>