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LGスタイラーにスチーマーがついた! 中国で最新家電見てきた
2024年4月8日 09:05
3月14~17日に行なわれた中国最大級の家電展示会「中国家電博覧会(AWE)」。会場ではスチーマーが付属するLGの最新スタイラーや、ロボット掃除機のように動き回る空気清浄機など、日本未上陸の家電が多数展示されていた。そのなかから、いくつかピックアップしてお届けしたい。
アウトドアに持っていける充電式コーヒーメーカー
AWE2024の会場となったのは上海新国際博覧センター。そのうち13ホール、面積にして15万m2に1,000を越える国内外のブランドが集結した。
驚いたのが、13ホールのうち1ホールが「海尔館(ハイアール館)」と称され、まるまるハイアールグループの展示に使われていたこと。ハイアール製品はもちろん、同グループのハイエンドブランド「Casarte(カサルテ)」や、アメリカやオーストラリアで展開するラグジュアリーブランド「Fisher&Paykel(フィッシャー&パイケル)」の製品が展示されていた。
なかでも興味深かったのは、若者向けブランド「Leader」のブース。洗濯機から電気ケトルまで、ポップなデザインの家電がずらりと並んでいる。
新発売というコーヒーメーカーは、バッテリーとAC電源の2WAY仕様。コードレスで使えるため、アウトドアでも淹れたてのコーヒーが楽しめるという。持ち運びやすいよう、ショルダーストラップも備えている。
Leader製品はおもちゃのようなかわいいデザインが印象的。日本未上陸のブランドだが、ポップなキッチン家電は日本でも受けるのではないだろうか。
中国で流行中? コスメ専用冷蔵庫
ハイアールブースの冷蔵庫エリアにあったピンクの小さな冷蔵庫は、なんと化粧品専用という。一人暮らしの冷蔵庫として使えそうなサイズでありながら、中にはすべて化粧品を入れる想定だ。別ホールの「ボッシュ(BOSCH)」でも、より小型の化粧品専用冷蔵庫が中国向けに展開されていた。聞くと「中国の若いおしゃれな人は結構コスメ冷蔵庫を持っている」とのこと。
確かに、筆者も冷蔵庫保管が推奨されている化粧品を使用しているが、現状は食品と一緒に保管せざるを得ず、豆腐の隣に美容液が並んでいるといった事態になりがちだった。日本でもAmazonなどで同様の製品は見かけるが、もっと普及が進んでさまざまなメーカーから出てくるとおもしろそうだ。
水拭き掃除機の難点解決。自動給排水システム
「Tineco(ティネコ)」ブースでは水拭き掃除機の実演を行なっていた。水拭き掃除機は雑巾がけを代わってくれる家電として日本でも昨年複数メーカーから登場したが、汚れた水を排水する必要があったりと、メンテナンスの手間がかかる印象だった。
Tinecoの新製品は、上下水道と接続して完全自動給排水が可能。掃除機が回収してきた汚れが混ざった水も、モップの自動洗浄で汚れた水も、一切触れることなく排水できるという。
掃除機の次は空気清浄機がロボット化?
「ECOVACS(エコバックス)」ブースで目を引いたのは、ロボット掃除機のように自由に動く空気清浄機。なぜ空気清浄機を動かす必要があるのか聞いたところ、「住宅には部屋がいくつもある。従来の空気清浄機ならば各部屋に持ち運んだり、1台ずつ設置したりする必要があるが、本機は部屋間の移動が可能なため、1台で家全体の空気をきれいにできる」との回答。
本機は7部屋まで対応。各部屋に空気質をモニタリングするセンサーを配置し、アプリで空気質をチェック。空気質が汚れている部屋へ自力で移動し、空気を清浄してまわるという。
HEPAフィルターとカーボンフィルターに加え、UVライトを搭載する。価格は7,000元前後(約147,000円)を予定しているとのこと(日本での発売は未定)。
LGスタイラーにスチーマーがついた!
「LGエレクトロニクス」ブースには、スチームと振動で衣類のニオイやシワをケアできる「LG Styler(エルジー・スタイラー)」の最新機種が。新たに衣類スチーマーを付属しての登場となる。
スチーマーは本体に備え付けられており、使わないときはスタイラー内に収納可能。出かける前に急いでシワ伸ばしをしたいときに活用できるという。
顔認証スマートロックが家庭に
「TCL」ブースでは3D顔認証スマートロックが展示されていた。高さ1.2~2mの範囲をカバーするため、子供から背の高い人まで認識可能。メイクをした状態や、周囲が暗い環境でも素早く解錠できるという。
室内側には4.5インチディスプレイを備え、訪問者を確認可能。スマホ連携により、訪問者はアプリからも確認できる。顔認証のほか、手のひら静脈認証にも対応。
取材を通して、全体的に「こんな機能あったらいいな」というアイデアがスピーディに実装されている印象を受けた。日本の家電のような細やかな配慮とはまた違った、オモシロ方面で進化している一面もありつつ、トライアンドエラーでどんどん新しい製品にチャレンジする姿勢がうかがえる。
一方で、TCLの顔認証スマートロックや、先日掲載したハイアールグループのスマートホームブランド「三翼鳥」など、家庭向け製品にも高い技術力を惜しげなく投入し、「ユーザーが本当にほしいもの」に応えようとする点も印象深い。
このスピード感とチャレンジ精神、そしてユーザーファーストで培われた技術力によって、中国家電業界はもっともっと発展していくのかもしれないと思うと、今後も目が離せない。